インドローズウッド

南インドの大都市バンガロールを州都とするカルナタカ州は、林業、林産業も盛んな土地。
この地で、ギターづくりに欠かせない木の保全活動が始まっています。

インドローズウッド Indian Rosewood

学名:Dalbergia latifolia
インド大陸南部(カルナタカ州、ケララ州)を中心に分布する、インドを代表するDalbergia属の樹木種の一つです。古くから高級家具やギターなどの高級材として知られ、インドでは世界的な高級材であるチーク(Tectona grandis)よりも高級な材として取引され、線路の枕木や建材、木製の工作機械など幅広く使われた実績があります。カルナタカ州のフブリ(Hubli)では天然自生の大径材が多く残る一方、現在流通する木材の多くは1900年代初頭にイギリス資本のコーヒー農園に日陰樹(Shade Tree)として植えられて人工林となったものが成長して木材として出材したものです。材として有用な心材は、気乾密度0.7~0.9 g/cm³の硬質材であり、耐久性、加工性に優れています。天然自生個体の材と人工林産の材では、材色が著しく異なり前者は濃い赤紫色であるのに対して、後者は濃茶色です。インドだけでなく東南アジアでの植林実績も多く、1900年代にインドネシアでプランテーションが開始されました。その植林材は、「ソノケリン Sonokelin」と呼ばれ、現在でも広く流通しています。現在は、これらがギターの側板、裏板に使われており、同じ部位にマホガニーを使うモデルと双璧をなしています。
ワシントン条約 CITES 附属書II 掲載種

官営貯木場に集められているインドローズウッド原木

チベット仏教僧院(カルナタカ州ムンゴッド)