サステナビリティマネジメント

ヤマハグループは、音・音楽を原点に培った技術と感性、保有資産やさまざまなリソースを生かして、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創り続けることが自らの使命であると考えます。この理念を実践していくために、自らの事業活動が環境・社会に及ぼす影響を認識し、ステークホルダーとの対話を図りながら、持続可能な社会の構築に向けた課題解決に取り組んでいます。

ヤマハグループは、国際社会の共通目標として掲げられた「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals : SDGs)」の達成に、事業を通じて貢献していきます。

音楽普及活動を通じた目標4「質の高い教育をみんなに」への取り組みや、持続可能な木材調達による目標12「つくる責任・つかう責任」、目標15「陸の豊かさも守ろう」への貢献をはじめ、SDGsの各目標・ターゲットを意識した製品・サービスの開発や事業プロセスの改善に取り組んでいます。

[ 図 ] 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals : SDGs)

ヤマハグループは、自らの事業活動の環境や社会への影響、ステークホルダーの期待や社会要請に鑑み、中長期的に注力する「サステナビリティ重点課題」を設定し、取り組みを推進しています。

重点課題の特定プロセス

  1. サステナビリティ課題の抽出
    当社グループのバリューチェーンにおけるサステナビリティ課題を、社会的責任の国際的な手引きISO 26000および持続可能な開発目標SDGsに照らして抽出
  2. ステークホルダー視点での重要度評価
    抽出した課題について、お客さま、従業員、地域社会の声や、ESG評価項目、NGOからの意見・要請や社外有識者の提言に鑑み、重要度を評価
  3. ヤマハにおける重要度評価
    抽出した課題について、経営ビジョンや中長期的な経営方針を踏まえて、重要度を評価
  4. サステナビリティ重点課題の特定
    重要度評価の結果から推進を強化すべき課題を選定し、トップマネジメントの協議により、サステナビリティ重点課題を特定

特定したサステナビリティ重点課題は、関係部門およびサステナビリティ部門にて目標や進捗度合いを評価するKPI、実行計画を設定し、トップマネジメントが承認します。サステナビリティ部門による進捗モニタリング、社長をトップとする経営会議での年次レビューにより、サステナビリティ重点課題への取り組みを推進しています。

[ 図 ] ヤマハサステナビリティ取り組み模式図

サステナビリティ重点課題および進捗状況

サステナビリティ重点課題 主な取り組み 中期経営計画「Make Waves1.0」での区分 2020年3月期の進捗、成果 今後の課題、中期経営計画目標 関連する主なSDGs
社会・環境課題を見据えた製品・サービスの開発 社会課題への対応 文化・社会
音楽文化・教育
  • 地域伝統音楽向け楽器開発 インドモデル発売、インドネシア・中東での現地調査
ユニバーサルデザイン
  • 「SoundUD」多言語同時通訳ガイド機能リリース
  • 「SoundUD 推進コンソーシアム」322社・団体
  • 「SoundUD 推進コンソーシアム」が「IAUD国際デザイン賞2019 大賞」などを受賞
  • 自宅からスタジアムに声援を届ける新技術「Remote Cheerer powered by SoundUD」を実証実験
  • 電子楽器 タッチパネル搭載モデルの75%で音声読み上げ機能完備
健康・安全
  • ヘッドホン・イヤホン新製品全5モデルで、耳の健康に留意したリスニングケア機能を搭載
ワークプレイス
  • テレワークの活用事例を発信し、遠隔コミュニケーション、在宅勤務への啓発活動を実施
遠隔ソリューション
  • 離れていても合奏が楽しめるオンライン遠隔合奏サービス「SYNCROOM」公開
音楽文化・教育
  • 新興国のローカル音楽演奏に必要な機能を備えた電子楽器の拡充
ユニバーサルデザイン
  • SoundUDの行政事業での普及を促進し、インバウンドアプリの開発キット頒布、翻訳サービスを開始
  • 音声読み上げ機能を備えた電子楽器の拡充
健康・安全
  • ヘッドホン・イヤホン商品の70%以上で、耳の健康に留意した機能を搭載
ワークプレイス
  • 20万台/3年間(人・箇所)にテレワーク・在宅勤務の機会を提供し、働き方改革を実現
遠隔ソリューション
  • 新しい生活様式にあったソリューションの提案
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[ アイコン ] 産業と技術革新の基盤をつくろう
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環境課題への対応 環境
  • ヤマハエコプロダクツ46モデル認定(累計425モデル、売上比率18%)
  • 排熱利用に応用可能な熱電発電モジュールの自動車メーカー協力による評価開始
  • 脱有機溶剤塗装技術の開発推進
  • 希少木材の代替材の開発推進
  • 40モデル/年認定
  • 排熱発電モジュールの自動車市場導入
  • 脱有機溶剤塗装技術の開発
  • 希少木材を超えるサステナブル素材の開発
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地域に根差した事業展開、社会貢献活動 器楽の普及支援 文化・社会
  • スクールプロジェクト 5カ国1,500校、累計39万人が器楽演奏を体験
  • アフリカ・中東 7カ国77校、累計7,500名が器楽学習を体験
  • 中国農民工学校への楽器寄贈・教育支援実施 5都市5校(累計60校)
  • スクールプロジェクト 7カ国3,000校、累計100万人に公教育の中で器楽教育の機会を提供
  • アフリカ・中東 7カ国75校、累計8,300名に器楽学習を提供
  • 中国農民工学校などへの楽器寄贈 18校/3年間
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青少年育成オーケストラ・バンドへの支援
  • 中南米6カ国36団体に対し楽器メンテナンスセミナーを開催(合計40回)、6カ国27名に対して修理技術者育成セミナーを実施
  • 新規支援対象候補国のうち2カ国にてトライアルスタート
  • 中南米各国への楽器メンテナンスセミナー、技術者育成支援の継続および対象エリア・団体の拡大
  • 新規支援対象国の拡大(2カ国/3年間)
  • 世界各国・地域に最適な吹奏楽・オーケストラ普及支援
コミュニティ支援
  • 音楽の街づくりプロジェクト(おとまち) 新規支援7件
  • おとまち 新規支援10件/3年間
温室効果ガスの排出削減 事業活動に伴う温室効果ガス排出の削減 環境
  • SBT中長期削減目標の認定取得と公表
    *スコープ1,2:2030年度▲32%(2050年度▲83%)、スコープ3:2030年度▲30%(いずれも2017年度比)
  • 再生可能エネルギー導入開始(本社使用電力の約1/3、グループ全体の約1%)
  • 高効率空調設備への更新、LED照明への変更
  • 物流ダウンサイジング推進
  • 温室効果ガス排出量の第三者検証実施
  • SBTに認定された目標に向けた削減活動の推進
  • 再生可能エネルギー比率の段階的拡大(2021年度目標3%)
  • 温室効果ガス排出量の第三者検証継続
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気候変動への対応
  • 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明、提言に沿った開示を開始
  • リスクと機会の抽出とマテリアリティ分析・開示の拡充
持続可能な木材調達 違法伐採材回避、認証材採用拡大 環境
  • 木材デューディリジェンス(DD)の仕組み改善
  • 全ての購入木材にDD実施 低リスク判定98.8%
    (ヤマハブランドではない製品およびOEM/ODM製品を除く)
  • 調査・交渉により、認証木材採用率を2020年度見込として46%まで向上(2019年度実績28%)
  • より低リスクな木材への代替検討
  • DD改善(調査精度向上)および低リスク判定100%
  • 認証木材の比率拡大(2021年度目標50%)
  • より低リスクな木材を使用した楽器の開発(ピアノ外装材など)
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[ アイコン ] パートナーシップで目標を達成しよう
循環型森林保全を意識した木材調達の推進
  • タンザニアの支援活動地域からのアフリカン・ブラックウッド調達開始、植林事業推進(計3ha、5,500本)
  • 立地環境と成長の関係調査(京都大学との連携)
  • 対象地域での社会インパクト評価(JICA BOP事業)
  • アフリカン・ブラックウッド良質材生産のための技術支援、植林事業推進
  • アカデミア(京都大学等)との連携による森林資源育成・利用効率向上などの研究推進
製品における3R推進 包装・梱包材対応 環境
  • 梱包ダウンサイジングの推進、環境負荷の小さい梱包材、緩衝材の検討
  • プラスチック製ショッピングバッグの廃止・削減検討
  • 梱包の合理化推進(環境負荷の小さい梱包材・緩衝材の導入、ダウンサイジング本格化)
  • ショッピングバッグなどワンウェイ包装材への対策(脱プラスチックなど)
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[ アイコン ] 陸の豊かさも守ろう
製品対応
  • 製品3Rの長期ロードマップ策定
  • ピアノレトロフィット(サイレント機能後付け、ディスクラビア上位・最新モデルへのアップグレード)導入開始
  • 長期ビジョンに基づく製品3Rの推進
  • 愛着ある一台を長く弾き続けるためのサービス拡充(ピアノレトロフィットなど)
人権尊重への体系的取り組み 体制、仕組みの整備 社会
  • グループ規程および関連ガイドラインへの人権管理項目組み入れ完了
  • 人権教育ブックレット発行および職場単位の人権ミーティング実施
  • パワーハラスメント防止セミナー開催
  • グループ規程などへの人権管理項目組み入れと規程に基づくモニタリングの実施
  • 人権に関する社内教育・啓発活動の定着化
[ アイコン ] 働きがいも経済成長も
[ アイコン ] 人や国の不平等をなくそう
サプライチェーンCSRマネジメントの推進
  • 取引先3,748社の一斉アセスメント実施
    (SAQ回答率98.6%、是正対象11社、うち5社で完了)
  • 新規取引先117社のアセスメントを実施
  • 取引先へのセミナー開催
  • サプライヤーへの一斉アセスメント実施(3年ごと)
  • 取引開始におけるアセスメント実施
  • 調達担当者および取引先への教育・啓発
ダイバーシティ、人材育成 グローバル人材マネジメント 社会
  • コアポジションおよびグローバル共通のグレーディング基準の確立
  • グループ標準のグレーディングおよび育成体系に基づく人材マネジメントの推進
[ アイコン ] ジェンダー平等を実現しよう
[ アイコン ] 働きがいも経済成長も
[ アイコン ] 人や国の不平等をなくそう
女性の活躍推進と多様な働き方への対応
  • 育児・介護を事由とした在宅勤務制度の導入、事業所内保育施設開設
  • 育児・介護を事由とした短時間勤務のフレックスタイム化
  • 管理職女性比率 グループ(国内・海外合計)16.3%
  • 両立支援制度の拡充
  • 育休者・育休復職者の育成支援プログラムの実施
  • 管理職女性比率の向上(2021年度目標 グループ17%)
LGBTへの理解と取り組み
  • 相談窓口の設置、就業規則など規定改定
  • 全社セミナーの実施、ハンドブック作成、「ヤマハLGBT Ally」ロゴステッカー配布
  • 性的マイノリティに関する取り組みの評価指標「PRIDE指標」で最高位「ゴールド」を受賞
  • 社内体制・制度の整備・運用
  • 理解促進のための社内外への啓発活動の実施

2019年4月にスタートした新中期経営計画「Make Waves 1.0」では、事業を通じた社会への貢献を重点戦略の一つに据え、サステナビリティ重点課題である新興国の器楽教育普及と持続可能な木材調達に関するKPI目標を、経営目標における非財務目標として掲げ、推進しています。

ヤマハグループでは、経営層から新入社員に至るまで、それぞれの役割や業務を通じてサステナビリティを推進していくことを目指しています。そのために、各種研修やセミナー、イントラネットなどを利用したサステナビリティの教育・啓発に取り組んでいます。2017年度からは当社グループの一人ひとりがSDGsを自らの業務につなげていくために、ポスターや社内報、社内イベントなどを通じてSDGsへの理解を深めています。

[ 画像 ] イントラネットのサステナビリティ情報サイト
イントラネットのサステナビリティ情報サイト
[ 画像 ] ポスターや社内報によるSDGs紹介
ポスターや社内報によるSDGs紹介
[ 写真 ] 新入社員研修でのサステナビリティ教育
新入社員研修でのサステナビリティ教育
[ 写真 ] 経営層、管理職に向けたSDGs解説
経営層、管理職に向けたSDGs解説
[ 写真 ] 社内イベントでのSDGs展示
社内イベントでのSDGs展示

持続可能な社会の構築に向けて、国際社会との協調・連携を図るべく、ヤマハは2011年6月に国連グローバル・コンパクトに署名し、10の行動原則の順守に取り組んでいます。また、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの会員として、各分科会活動にも積極的に参加しています。

※ 2019年度参加分科会:環境経営、関西、ヒューマンライツデューデリジェンス、人権教育、防災・減災、ESG、SDGs、レポーティング