サステナビリティマネジメント

ヤマハグループは、音・音楽を原点に培った技術と感性、保有資産やさまざまなリソースを生かして、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創り続けることが自らの使命であると考えます。この理念を実践していくために、自らの事業活動が環境・社会に及ぼす影響を認識し、ステークホルダーとの対話を図りながら、持続可能な社会の構築に向けた課題解決に取り組んでいます。
また、国際社会の共通目標として掲げられた「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals : SDGs)」の達成に、事業を通じて貢献していきます。
音楽普及活動を通じた目標4「質の高い教育をみんなに」への取り組みや、持続可能な木材調達による目標12「つくる責任・つかう責任」、目標15「陸の豊かさも守ろう」への貢献をはじめ、SDGsの各目標・ターゲットを意識した製品・サービスの開発や事業プロセスの改善に取り組んでいます。

[ 図 ] 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals : SDGs)

ヤマハ(株)は、取締役会の監督に基づき、代表執行役社長の諮問機関として「サステナビリティ委員会」を設置しています(2021年1月設置)。グループ全体のサステナビリティ活動の方向性の議論や取り組み状況のモニタリングを行い、代表執行役社長に答申しています。
また、同委員会の下部組織として全社横断的な重要テーマについて活動方針の策定や各専門分野のモニタリングを行う「気候変動部会」「資源循環部会」「調達部会」「人権・D&I部会」「社会・文化貢献部会」を設置。各部会では、事業に横串を刺し、関連部門と連携して担当領域のテーマを主体的に推進します。検討された重点課題は、サステナビリティ委員会および経営会議、取締役会にて全社戦略が決定され、各部門・グループ企業の方針・施策として実行しています。

サステナビリティ推進体制

ヤマハグループは、自らの事業活動の環境や社会への影響、ステークホルダーの期待や社会要請に鑑み、中長期的に注力する「サステナビリティ重点課題」を設定し、取り組みを推進しています。

重点課題の特定プロセス

  1. サステナビリティ課題の抽出
    当社グループのバリューチェーンにおけるサステナビリティ課題を、社会的責任の国際的な手引きISO 26000および持続可能な開発目標SDGsに照らして抽出
  2. ステークホルダー視点での重要度評価
    抽出した課題について、お客さま、従業員、地域社会の声や、ESG評価項目、NGOからの意見・要請や社外有識者の提言に鑑み、重要度を評価
  3. ヤマハにおける重要度評価
    抽出した課題について、経営ビジョンや中長期的な経営方針を踏まえて、重要度を評価
  4. サステナビリティ重点課題の特定
    重要度評価の結果から推進を強化すべき課題を選定し、トップマネジメントの協議により、サステナビリティ重点課題を特定

特定したサステナビリティ重点課題は、関係部門およびサステナビリティ部門にて目標や進捗度合いを評価するKPI、実行計画を設定し、トップマネジメントが承認します。サステナビリティ部門による進捗モニタリング、代表取締役社長をトップとする経営会議やサステナビリティ委員会での年次レビューにより、サステナビリティ重点課題への取り組みを推進しています。

[ 図 ] ヤマハサステナビリティ取り組み模式図

サステナビリティ重点課題および進捗状況

サステナビリティ重点課題 主な取り組み 中期経営計画「Make Waves 1.0」での区分 2021年3月期の進捗、成果 今後の課題、中期経営計画目標 関連する主なSDGs
社会・環境課題を見据えた製品・サービスの開発 社会課題への対応 文化・社会
音楽文化・教育
  • 中東地域で多用される演奏表現に対応できるよう機能改善した電子楽器を発表
ユニバーサルデザイン
  • 「Sound UD」が文化庁「文化芸術収益力強化事業」に採択され、文化芸術20団体との取り組みを実施
  • 総務省「多言語翻訳技術の高度化に関する研究開発委託事業」を実施
  • 「SoundUD 推進コンソーシアム」340社・団体が参画
  • 電子楽器タッチパネル搭載モデルの63%に音声読み上げ機能を導入
健康・安全
  • ヘッドホン・イヤホン新商品 全8モデルに、耳の健康に留意したリスニングケア機能を搭載
ワークプレイス
  • 遠隔会議用システムなどコロナ禍におけるオンライン会議需要に応える技術・製品を拡充
  • テレワーク環境整備のための相談窓口を開設
  • コロナ禍における学校教育支援のため、遠隔授業へのスピーカーフォン活用を提案
遠隔ソリューション
  • オンライン遠隔合奏サービスSYNCROOMを正式リリース・利用促進
  • 次世代ライブビューイング「Distance Viewing」を開発
  • 「Remote Cheerer powered by SoundUD」がJリーグやプロ野球チームと共同展開のほか、バスケットボール、プロレス、陸上、パラスポーツなどでも導入。2020年度グッドデザイン賞、IAUD国際デザイン賞2020銅賞(サーヴィスデザイン部門)を受賞
音楽文化・教育
  • 新興国のローカル音楽演奏に必要な機能を備えた電子楽器の拡充
ユニバーサルデザイン
  • Sound UDの行政事業での普及を促進し、インバウンドアプリSDK頒布、翻訳サービスを開始
  • 音声読み上げ機能を備えた電子楽器の拡充
健康・安全
  • ヘッドホン・イヤホン商品の70%以上で、耳の健康に留意した機能を搭載
ワークプレイス
  • 20万台(人・箇所)にテレワーク・在宅勤務の機会を提供し、働き方改革を実現
遠隔ソリューション
  • 新しい生活様式にあったソリューションの提案
[ アイコン ] すべての人に健康と福祉を
[ アイコン ] 質の高い教育をみんなに
[ アイコン ] 働きがいも経済成長も
[ アイコン ] 産業と技術革新の基盤をつくろう
[ アイコン ] 人や国の不平等をなくそう
[ アイコン ] 住みつづけられるまちづくりを
[ アイコン ] 気候変動に具体的な対策を
[ アイコン ] パートナーシップで目標を達成しよう
環境課題への対応 環境
  • ヤマハエコプロダクツ 中計累計75モデル認定(全累計454モデル、売上比率16%)
  • 車載用熱電発電モジュールのサンプル出荷を開始
  • 脱有機溶剤塗装技術の開発推進
  • 希少木材の代替材の開発推進
  • 中計(22年3月期末)目標 累計120モデル
  • 排熱発電モジュールの自動車市場導入
  • 脱有機溶剤塗装技術の開発
  • 希少木材を超えるサステナブル素材の開発
[ アイコン ] エネルギーをみんなに そしてクリーンに
[ アイコン ] 産業と技術革新の基盤をつくろう
[ アイコン ] つくる責任つかう責任
[ アイコン ] 気候変動に具体的な対策を
[ アイコン ] 陸の豊かさも守ろう
地域に根差した事業展開、社会貢献活動 学校教育への器楽教育普及 文化・社会
  • スクールプロジェクト 6カ国(ベトナム、マレーシア、インドネシア、インド、ブラジル、UAE)4,100校、累計71万人に器楽教育の機会を提供
  • アフリカ・中東7カ国77校、7,500名に器楽学習を提供
  • スクールプロジェクト 7カ国3,000校、累計100万人に器楽学習の機会を提供(22年3月期末)
  • アフリカ・中東 7カ国75校、8,300名に器楽学習を提供
[ アイコン ] 質の高い教育をみんなに
[ アイコン ] 働きがいも経済成長も
[ アイコン ] 住みつづけられるまちづくりを
[ アイコン ] つくる責任つかう責任
[ アイコン ] パートナーシップで目標を達成しよう
青少年育成オーケストラ・バンドへの支援
  • 中南米7カ国15団体に対し楽器メンテナンスセミナーを開催(合計34回)、8カ国31人に対して修理技術者セミナーをオンラインで実施
  •  
  • 新規支援対象候補国のうち2カ国でトライアル活動を開始
  • 中南米各国への楽器メンテナンスセミナー、技術者育成支援の継続および対象エリア・団体の拡大
  • 新規支援対象国 中計(22年3月期)目標 2カ国
  • 世界各国・地域に最適な吹奏楽・オーケストラ普及支援
コミュニティ支援
  • 音楽の街づくりプロジェクト(おとまち) 新規支援5件/中計累計12件
  • おとまち 新規支援 中計(22年3月期末)目標 累計10件
温室効果ガスの排出削減 事業活動に伴う温室効果ガス排出の削減 環境
  • SBT中長期削減目標に向けた施策検討
  • 再生可能エネルギー導入拡大(2021年4月より本社使用電力量の100%)
  • 物流の排出量削減の推進(ダウンサイジング、輸送距離短縮、モーダルシフト、共同輸送トライアルなど)
  • 温室効果ガス排出量の第三者検証実施
  • 中長期削減目標の引き上げ検討と目標に向けた削減活動の推進
  • 省エネルギー活動と再生可能エネルギーへの積極転換によるScope1+2削減推進
  • 高エネルギー効率製品開発の推進
  • サプライヤー、物流パートナーとの連携による排出量削減活動の実施
  • 温室効果ガス排出量の第三者検証継続
[ アイコン ] エネルギーをみんなに そしてクリーンに
[ アイコン ] 気候変動に具体的な対策を
気候変動への対応
  • TCFD提言に沿い、より詳細なシナリオ分析に着手
  • 1.5℃シナリオを想定した分析によるリスクと機会の抽出と定量化
  • マテリアリティ分析・開示の拡充(使用木材、サプライヤーも含めた拠点水リスクなど)
持続可能な木材調達 違法伐採材回避、認証材採用拡大 環境
  • 木材デューディリジェンス(DD)の仕組み改善
  • 全ての購入木材にDD実施 低リスク判定99.4%
  • 認証木材採用率48%
  • より低リスクな木材への代替推進
  • DD改善(調査精度向上)および低リスク判定100%
  • 認証木材の比率拡大(2021年度目標50%)
  • より低リスクな木材を使用した楽器の開発(ピアノ外装材など)
[ アイコン ] つくる責任つかう責任
[ アイコン ] 気候変動に具体的な対策を
[ アイコン ] 陸の豊かさも守ろう
[ アイコン ] パートナーシップで目標を達成しよう
循環型森林保全を意識した木材調達の推進
  • タンザニアにてアフリカン・ブラックウッド植林活動を推進(1.5ha 1900本 累計7400本)、活動エリアを拡大し、苗畑設置・植林教育を実施
  • 北海道のアカエゾマツ人工林にて植樹祭を実施
  • アフリカン・ブラックウッド、アカエゾマツ関連の研究進展、外部研究発表3件実施(京都大学との連携)
  • アフリカン・ブラックウッド良質材生産のための技術支援、植林事業推進
  • アカデミア(京都大学など)との連携による森林資源育成・利用効率向上などの研究推進
製品における3R推進 包装・梱包材対応 環境
  • 梱包ダウンサイジングの推進、プラスチック梱包材の使用量削減推進
  • プラスチック製ショッピングバッグの認証紙製への切替開始
  • 梱包の合理化推進(環境負荷の小さい梱包材・緩衝材の導入、ダウンサイジング本格化)
  • ショッピングバッグなどワンウェイ包装材への対策(脱プラスチックなど)
[ アイコン ] つくる責任つかう責任
[ アイコン ] 海の豊かさを守ろう
[ アイコン ] 陸の豊かさも守ろう
製品対応
  • 製品3Rの長期ロードマップ策定
  • ピアノレトロフィット(消音機能後付け、ディスクラビアアップグレードなど)の日本・北米・欧州への導入・出荷
  • 長期ビジョンに基づく製品3Rの推進
  • 愛着ある一台を長く弾き続けるためのサービス拡充(ピアノレトロフィットなど)
人権尊重への体系的取り組み 体制、仕組みの整備 社会
  • 国内外グループ各社に対し当社「労働と人権に関するガイドライン」に沿ったモニタリングとフィードバックを実施
  • 「ヤマハ人権ガイドブック」を活用した人権教育、職場ミーティングの実施
  • 人権モニタリング体制の強化
  • 人権に関する社内教育・啓発の拡充
[ アイコン ] 働きがいも経済成長も
[ アイコン ] 人や国の不平等をなくそう
サプライチェーンCSRマネジメントの推進
  • 2019年一斉調査対象のサプライヤー3,748社について、評価、是正、取引見直しを完了
  • 新規取引先149社のアセスメントを実施
  • 調達担当者への持続可能な木材調達の説明会を開催(日本、中国、インドネシア)
  • サプライヤーCSRアセスメント一斉調査(3年ごと)実施
  • 取引開始におけるアセスメント実施
  • 調達担当者および取引先へのセミナー実施
ダイバーシティ、人材育成 グローバル人材マネジメント 社会
  • グループ人材教育に関するガイドラインの整備と、これらに基づくモニタリングの実施
  • シニアマネジメント候補者グローバル選抜研修の実施
  • グループ標準のグレーディングおよび人材教育ガイドラインに基づく人材マネジメントの推進
[ アイコン ] ジェンダー平等を実現しよう
[ アイコン ] 働きがいも経済成長も
[ アイコン ] 人や国の不平等をなくそう
多様な働き方への対応
  • テレワーク制度の拡充(取得事由・利用回数制限の撤廃、手当新設など)
  • 仕事と治療の両立を支援する制度の新設
  • 両立支援制度の拡充
  • 単身赴任の解消と介護のためのテレワーク制度適用範囲拡大
ダイバーシティ&インクルージョン
  • 管理職女性比率 グループ(国内・海外合計)16.0%
  • 全社諮問機関「女性活躍推進部会」の設置
  • 国際女性デーの啓発活動実施(UN WomenのUnstereotype Allianceへの賛同、他社との対談など)
  • 育休復職者研修の実施
  • 国内外全従業員を対象としたD&Iウェビナーの開催
  • アンコンシャスバイアス研修の実施
  • 性的マイノリティの相談窓口運営、社内外での啓発活動を実施。「PRIDE指標」で2年連続最高位「ゴールド」を受賞
  • 管理職女性比率の向上 中計(22年3月期)目標 グループ17%
  • 社内体制・制度の整備・運用
  • 理解促進のための社内外への啓発活動の実施

2019年4月にスタートした中期経営計画「Make Waves 1.0」では、事業を通じた社会への貢献を重点戦略の一つに据え、サステナビリティ重点課題である新興国の器楽教育普及と持続可能な木材調達に関するKPI目標を、経営目標における非財務目標として掲げ、推進しています。

ヤマハグループでは、経営層から新入社員に至るまで、それぞれの役割や業務を通じてサステナビリティを推進していくことを目指しています。そのために、各種研修やセミナー、イントラネットなどを利用したサステナビリティの教育・啓発に取り組んでいます。2017年度からは当社グループの一人一人がSDGsを自らの業務につなげていくために、ポスターや社内報、社内イベントなどを通じてSDGsへの理解を深めています。

[ 画像 ] イントラネットのサステナビリティ情報サイト
イントラネットのサステナビリティ情報サイト
[ 画像 ] ポスターや社内報によるSDGs紹介
ポスターや社内報によるSDGs紹介
[ 写真 ] 新入社員研修でのサステナビリティ教育
新入社員研修でのサステナビリティ教育
[ 写真 ] 経営層、管理職に向けたSDGs解説
経営層、管理職に向けたSDGs解説
[ 写真 ] 社内イベントでのSDGs展示
社内イベントでのSDGs展示

持続可能な社会の構築に向けて、国際社会との協調・連携を図るべく、ヤマハは2011年6月に国連グローバル・コンパクトに署名し、10の行動原則の順守に取り組んでいます。また、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの会員として、各分科会活動にも積極的に参加しています。

※ 2020年度参加分科会:環境経営、関西、ヒューマンライツデューデリジェンス、人権教育、防災・減災、ESG、レポーティング

ヤマハグループが署名または参画する団体

  • 国連グローバル・コンパクト
  • TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
  • SBT(Science Based Targets)
  • SoundUD 推進コンソーシアム