Assist機能搭載、新デジタルミキサーDM7シリーズ発表

ミキシングを自律的に支援、新製品DM7シリーズのAssist機能

AI技術は日々益々の進展を得て、我々の日常になりつつあります。ヤマハはこれまでにも音楽に対し、人とAIがどのように共存できるかの研究を進めてきました。音楽では演奏とともに、コンテンツの魅力を高めるには「聴かせる」ためのミキシングも大切です。

ミキシングも音楽制作のひとつです。音量を整えバランスを取り、合奏として魅力を高めるのに必須の制作活動です。ミキシングには音楽的センスも必要ですが、一方で地道な「作業」も忘れてはいけません。DM7シリーズでは「作業」をAssistし、ミキシング制作の音楽性のための時間を産み出します。

デジタルミキシングコンソール DM7 Series

DM7シリーズ搭載のAssist機能

Assistはあなたの創造性へフォーカスします。サウンドエンジニアリングの基本作業の一部を機械が提案し、音楽制作をもっとクリエイティブなものにします。

HA Assist:

入力される音の大きさを観察し、適したヘッドアンプゲインを提案します。信号の統計的振る舞いを示すヒストグラムを計算し、そこから数理的に妥当なゲイン設定を導き出し、お手伝いします。

Naming Assist:

機械学習技術の利用により、各チャンネルに入力される音がどんな楽器であるかを聞き分けて、アイコンやチャンネル名を提案します。楽器の種類はFader Assistによるバランス調整の際にも利用します。

Fader Assist:

音楽的に破綻のないバランスの下地を提案します。各チャンネルに入力される音の大きさを観察し、音楽性を備え学習された目標バランスに向けて各チャンネルのフェーダー値を数学的に提案します。提案フェーダー値を起点として、個性豊かでクリエイティブなバランス調整を手掛けることができます。

Assist機能画面

研究方向性:ミキシングパートナーへ向けて

DM7シリーズでは「機械による人の支援」にフォーカスし、統計と数理が人を手伝う機能を実現しました。

統計と数理と言えばAIもその仲間です。ところでAIというと、人を置き換えることへの懸念が付きまといます。しかし「音楽は人間必需品」のコンセプトに照らせば、人とAIはより良き関係へと発展してくのが自然です。

DM7シリーズのAssist機能群はミキシング制作手助けのひとつの手段になり得ますが、「より良き関係」とはもっと個人に寄り添ったものであるべきと考えます。ヤマハは「ミキシングパートナー」としてのAIミキシング技術の研究を進め、更に深めていくことで未来のAssist機能を更に使いやすく、価値の高いものにしていきます。