感動とは何か?
e-plegona
2023
Overview
ヤマハ発動機、カリフォルニア工科大学、Mark Changizi博士と共に進めている「感動」を科学とアートで再現する研究活動
人はなぜ、ある瞬間に心を動かされるのでしょうか。
音楽を奏でるとき。誰かと呼吸が合ったとき。言葉を交わさなくても気持ちが通じ合ったと感じるとき。私たちはそんな瞬間に特別な価値を感じます。しかし、その体験がどのように生まれるのかは、まだ十分には解明されていません。
この問いに向き合うために生まれたのが、体験型インスタレーション「e-plegona」です。
参加者は二人一組となり、互いの身体の動きやリズムを感じ取りながら、一つの体験を共につくり上げます。そこに言葉による説明や指示はありません。身体感覚や直感的なやり取りから生まれるつながりそのものが、このプロジェクトのテーマです。
ヤマハは130年以上にわたり、楽器やモビリティを通じて、人々の心を動かす体験を届けてきました。同時に、その体験の本質を理解し、未来の製品やサービスへ活かすための研究も続けています。
本研究は、下條信輔、Daw-An Wu、Amir Vala Tavakoli、Mark Changiziとの共同研究として進められています。人と人との相互作用の中で生まれる価値やつながりを、科学とデザインの両面から探究する取り組みです。
本作は完成された製品ではありません。人の心が動く瞬間を探るための実験的なプロトタイプであり、科学とアートが交差する研究の場です。体験する方々が、その場で生まれる関係性や身体感覚を通して、新たな発見に出会うことを目指しています。
心を動かす体験は、優れた機能や性能から生まれるのでしょうか。それとも、人と人との関係性の中から自然に立ち現れるものなのでしょうか。
私たちは、この試みを通じて答えを提示するのではなく、体験そのものを通して「心が動く瞬間とは何か」を見つめ直すきっかけを提供したいと考えています。
その先には、人と人、人とテクノロジーの新しい関係性が広がっているかもしれません。そしてそこから、未来の体験価値を生み出すヒントが見えてくるはずです。
Works
e-plegona
2名のプレーヤーがペアとなって非言語的かつ直感的な意思伝達を繰り返しながら体験するインスタレーションです。各プレーヤーは円卓状のタッチスクリーンにNoteと呼ばれる目印を作り出して相手にリズムパターンを送りつつ、相手から送られてきたNoteに触れることでTone(音)を生み出し、相手が作ったリズムパターンを奏でます。科学とアートを融合させた独自の研究成果に基づき、非言語的で直観的なコミュニケーションによって感情の揺れを人工的に発生させることで、ジャズの即興演奏のような人と人の「一体感」、あるいは、人が楽器やオートバイに対して感じる「一体感」と、そこから生まれる感動を疑似体験できる研究プロトタイプです。
Designer: Kazuya Washio/Yamaha Design Laboratory, Teruhiro Hayashi/Yamaha Motor Human Research
Researcher: Takashi Suegami/Yamaha Motor Human Research, Shinsuke Shimojo/Caltech, Daw-An Wu/Caltech, Amir Vala Tavakoli/Caltech
Scientific Advisor: Mark Changizi
Design Partner: WOW inc.
Composer: Masato Hatanaka
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