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Ho, Yun-Yen

ヤマハ音楽教室講師。東海大学音楽学部(Music department of Tunghai University)エレクトーン・作曲科修士課程修了。2002年インターナショナル・エレクトーン・コンクール(IEC)3位入賞。現在は東海大学創意設計芸術学部音楽学科(Tunghai University, in the College of Fine Arts and Creative Design, Department of Music)、台南応用科技大学芸術学部音楽学科およびポピュラー音楽学科(Tainan University of Technology, in the College of Arts, Department of Music and Department of Popular Music)にて教鞭を取る。シンセサイザー担当として、National Symphony Orchestra(NSO)、Evergreen Symphony Orchestra(ESO)、Taipei Philharmonic Orchestra(TPO)などと共演。

Ho, Yun-Yenさんに、これまでのキャリアと、音楽や教育についてのお考えを伺いました。

音楽を学ぶようになったきっかけは何でしたか?

私はヤマハ音楽教室で育ったようなもので、まさに「ヤマハっ子」だと言えます。わずか3歳半でヤマハのグループレッスンに参加し、ヤマハの全カリキュラム修了まで受講しました。4年生の時にエレクトーンに出会い、そこからエレクトーンとは切っても切れない関係となりました。

音楽教育の仕事を始めたきっかけは何でしたか?

大学時代に生徒の指導を始めました。ヤマハの音楽教育システムでもクラスを受け持っていました。フルタイムで講師の仕事を始めたのは大学院を卒業した後です。しかし私は、自分のことを講師だけではない存在だと考えています。演奏家と講師という2つのキャリアを並行して追い求め、生徒たちに幅広い将来像を見せたいと考えているからです。生徒たちには、エレクトーンでのキャリアについて、ステージ上にもそれ以外にも、さまざまな可能性があるということを知ってほしいのです。ですから、どんなに忙しくても、この二刀流のキャリア目標をこれからも追求し続けるつもりです。

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音楽との関係について教えてください。

音楽はとても重要なもので、生命維持に必要な3大要素である、日光、空気、水によく似ていると思います。日光のように、音楽はいつも私たちの心を温め、力づけてくれます。空気は、(音楽のように)見ることも触れることもできませんが、私たちはそれなしでは生きられません。水については、人間の身体の70%は水でできており、私たちの身体機能と健康に欠かせないものです。音楽は、人間の存在にとって同じくらい重要なものだと、私は感じています。

音楽を演奏する上で、ご自身の強みだと思うものはありますか?

音楽を演奏したり解釈したりする際、私は常に作曲家が何を表現したいのかをよく考えます。そして音楽で感情を伝えるときは、一つ一つの音を表現することに細心の注意を払います。さらに、演奏中は自分を奏者の立場から切り離し、一聴衆の立場で客観的に聴こうとします。これが演奏中の私の作法なのです。これは強みとまでは言えないかもしれませんが、演奏する際に大切にしていることです。音楽作りや作曲に関して、生徒によく言っているのは、作曲する一つ一つの音をすべてかけがえのないものと考えねばならないということです。そうして初めて、曲に本当の意味を見いだすことができるのです。音楽には誠実で厳格な態度で向き合わねばなりませんが、同時に温かい気持ちや情熱も持ちながら音楽を楽しむべきなのです。

音楽イベントでジェンダー平等の問題に直面したことはありますか? もしあれば、どのように克服しましたか?

幸い、ジェンダー格差の問題に直面したことはありません。職場で出会う人たちは、お互いを尊重しています。男女問わず多くのミュージシャンと仕事をしてきましたが、みんなとても仲が良いです。音楽についてのアイデアや、考え方が違うこともありますが、いつも話し合いで解決することができます。

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(音楽)教育とご自身との関係を言い表すとしたら、どのようになりますか。

教育には深い情熱が必要ですから、大変な仕事だと思っています。とはいえ、指導するときには常に「音楽を楽しく学ぶ」ように促しています。これは、ヤマハ音楽教室の教育理念でもあります。生徒が刺激を受けて音楽を学び、心から愛するようになり、その中で喜びや達成感を感じてくれたら、それは私にとって教育の成功を意味します。このように、教育とは生徒に無理やり目標を達成させることではなく、彼らが音楽への興味と情熱を見いだせるよう、導き指導することなのです。

あなたの教え方はどのようなものですか? 音楽クラスで、特に重視していることはありますか?

私の教え方は、かなり柔軟だと思います。指導に関する「標準的な実施手順」(SOP)はありません。年齢層によってニーズも違います。たとえば、趣味として、あるいは感情表現の受け皿として(エレクトーン)キーボードを習いに来る年配の生徒さんがいます。演奏会があるときは、難しすぎず、ステージでのカリスマ性を最大限発揮できるような曲へとアレンジできるようお手伝いします。こうして、生徒さんが音楽からより大きな喜びを感じられるようにするのです。小さな子どもには、創造性を刺激し、音楽の楽しさを感じてもらうことで、音楽への情熱を呼び起こし、最大限に高めるよう心掛けます。すでに音楽を専攻している生徒には、音楽への情熱が大切だと強調するとともに、音楽に対しては常に厳しく責任感を持ってほしいと伝えます。なぜなら、いつか彼らも素晴らしい演奏家や講師になるのですから、音楽に対する謙虚さと情熱を併せ持っていてほしいと思うのです。

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次世代の方たちへ、アドバイスをお願いします。

最近の子どもたちは、電子機器の速いペースに慣れているせいか、私たちの子ども時代ほど楽器の練習に対する熱意や忍耐力がありません。ですが私は、音楽を習い、1曲すべてを楽器で弾けるようになることは、言葉では言い表せないほど刺激的で達成感のある経験だと思うのです。楽器を習い、練習することは、脳の発達を促すだけでなく、内面の緊張もほぐしてくれるので、子どもたちには是非やってほしいと思います。体にも頭にも心にも、本当に良いものなのです。もちろんそのためには、私たち大人が進歩的で忍耐強い努力をして、より多くの子どもたちに音楽を大好きになってもらい、音楽で世界をより良い場所にしていかなければなりません。ですから皆さん、まずは電子機器は置いておいて、作曲や演奏を楽しみましょう!!

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