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ブランドストーリー

Tara Davidson

サクソフォン奏者、作曲家、編曲家、バンドリーダー、教育者

「音楽は私にとって幸せな場所」

Tara Davidsonさんは受賞歴のあるアルトサクソフォンとソプラノサクソフォンの奏者です。世界の名だたる会場で演奏した経験を持ち、現在はトロント大学(University of Toronto)とヨーク大学(York University)の教員として積極的に活動されています。Taraさんにインタビューさせていただき、これまでのキャリアや音楽や教育に対するお考えを伺いました。

まずは、ご自身について、そして音楽の世界でこれまで歩んでこられた道のりについてお聞かせください。

バンドの授業が始まる7年生の時、高校の音楽教師だった父と一緒にサクソフォンを選びました。その後、もっと音楽に集中できるように、地域アートプログラムのある地元の高校に通いました。音楽は、(昔も今も)私にとって幸せな場所です。

家族、高校の時の素晴らしい音楽の先生方、(学校以外の)メンターであるMike Murleyさんのサポートもあり、私は高等教育に進み、トロント大学でジャズを専攻しました。そのころにはすでに(奏者として)音楽のキャリアに進みたいと考えていたので、その夢を実現するために一生懸命取り組みました。

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音楽や教育とご自身の関係は、どのようなものですか?

父はジャズが大好きで、ニューヨークシティーに家族を連れて行って音楽や演劇を体感させてくれました。7歳の時には、カーネギーホールでDizzy Gillespieの演奏や、ヴィレッジヴァンガードでIllinois Jacquetの演奏を見たりしました。

父も母も継母も教師だったので、必然的に自分のキャリアには教育が関係するだろうと思っていました。音楽を教えることは本当に楽しくて充足感を感じますし、音楽を教える中で、素晴らしい仲間に出会うことができました(中には音楽のキャリアをそれぞれで追求している人もいます)。

仲間と一緒に音楽を作る楽しさ、そして音楽家や人として成長し、進化できる可能性は、無限大です。

音楽を演奏するときには、その瞬間に完全に集中し、仲間の奏者と心を通わせ、お互いをサポートし、最終的には、底力を発揮して演奏上の難題を乗り越えられる場所に到達しようと努力します。到達することができれば、そこは幸せに満ちた場所です。時には「成長痛」を味わうこともあります。そんなときは練習室に戻らなければならないと感じますが、「成長痛」は成長につながるので、悪いことではありません。

ジェンダー平等の問題に直面したことはありますか? こうした問題をどのようにして克服しましたか?

20代前半のころは女性だけのアンサンブルで演奏していたのですが、幸いなことに、充実した素晴らしい経験になりました。この時の経験が、他の女性奏者たち(であり親しい友人)と演奏する機会にもつながりました。他の女性奏者と一緒に演奏すると、素晴らしい仲間意識を感じることができます。

若いころを振り返ってみると、父や高校の音楽の先生、サクソフォンのメンター、大学の教授など、人生の中で出会った男性から無条件のサポートを得ることができて、とても恵まれていたと感じます。この点に関しては、問題に直面しなかったことに感謝しています。

これまでのキャリアを通して、言及に値する唯一の経験は、若かったころは特にそうでしたが、仲間や観客から過小評価されることがあったと感じます。学校を卒業して20年以上たちますが、残念ながら、ジャズ界の女性に対する無知な意見を聞いたことがあります。しかし、こうした意見は、私を前に進みたいという気持ちにさせるだけでしたし、今でももっと努力しようという気持ちになります。また、以前よりも人を見下す声にそれほど耳を貸さないようになりました。

音楽分野にいる女性や少女たちに力を与えるには、どのような変化が必要ですか?

(プライベートレッスンだけでなく上級コースの)授業や運営陣に占める女性の割合を増やすことです。

次世代へのメッセージ

お互いをサポートし合い、努力し、大きな夢を持ち、自分に投資してください。

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