[メインビジュアル] Mónica Del Valleさん
ブランドストーリー

Mónica Del Valle

ドラマー、打楽器奏者

ドラマー、打楽器奏者であるMónica Del Valleさんに、これまでのキャリアと、ドラムや音楽、教育についてのお考えを伺いました。

ご自身についてのご紹介と、音楽に関するこれまでの経歴をお聞かせください。

自分自身のことを説明するとしたら、ドラムを通して自分の声を見つけた内向的な人間、と言えます。もともとシャイな性格だったのですが、ドラムのおかげで自分自身を自由に表現できるようになりました。だから、私はこの楽器をとても愛しています。

私の周りにはいつも音楽がありました。母がクラシック音楽や80年代のポップスを聴かせてくれました。父は膨大な数のレコード盤をコレクションしていて、私にQueen、Led Zeppelin、The Beatles、The Rolling Stonesなどのバンドをいろいろと教えてくれました。
それから、私はオルタナティヴ・ロックにのめり込みました。

音楽にまつわる幼いころの思い出に、父のレコードをかけながらエアドラムをたたいていたことがあります。ドラムのレッスンを受けたいと両親にお願いして、地元の音楽学校に連れて行ってもらったことを覚えています。ドラム演奏がしたいと頼んだ女の子は私しかいませんでした。練習用パッドがたくさん置いてある部屋に連れて行かれたのを覚えています。一方で男の子たちは実際のドラムがある部屋に連れて行かれ、そこで本物の楽器を演奏していました。ショックを受けましたが、たとえ私独りでもドラマーとして成功してやろうと心に誓いました。こうして私は独学でドラムを学び、ドラマー人生をスタートさせました。また、このこともきっかけとなり、私は教育にも携わることになりました。私がドラムのレッスンを受けたかった少女時代に経験したことを、他の女の子に経験してほしくないと思ったのです。

音楽とご自身との関係を言い表すとしたら、どのようになりますか?

言葉のないところに音楽があるという事実に、私はいつも魅了されてきました。演奏中の感覚は言葉では言い表せません。自分がいるべき場所にいるような感覚になります。

幸運にもドラマーとしてさまざまな仕事を経験できていますが、女性がもっと増えたらいいのにと思います。今はSNSがあるので、同じことをしたいと思っている他の女の子と連絡を取るのは簡単だと思います。私は基本的に、そのような関わり合いを持てる可能性のあった人の存在を知らずに育ちました。だからこそ、他の女性と関わることは非常に重要だと思います。女性対男性ということではなく、楽器を習うプロセスや、アマチュアからプロになるプロセスを経験する中でお互いを支え合うことが大切です。だから私は、教育がとても好きなのだと思います。教育は中立的な立場にあります。男子女子を問わず、小さい子どもたちが仲間意識を感じて実感できるなら、性別は重要ではないことを子どもたちが学べたのならば、私の仕事は成功だったのだと思います。

これは私が目にしてきたことなのですが、特にポップ・ミュージックの世界では、演奏方法よりもルックスが重視されることがあります。女の子の場合、これがいかに2つの意味で問題かを目の当たりにしてきました。彼女たちは自分が「十分きれい」でないために落ち込んでしまうか、見た目がすべてと考えて実際に演奏を練習するプロセスにまったく注意を払わないかのどちらかです。私の活動が、ルックスにかかわらず、頑張ればどんなことでもできるという手本となって、女の子たちを励ますことができればうれしいです。

音楽教育についてどのようにお考えですか?

私にとって教育は非常に重要です。私は50/50を維持するようにしています。50%は演奏経験を積むこと、50%は自分が学んだことを指導して他の人へと伝えていくことです。私の教育者としてのモチベーションになっているのは、「女の子はドラムをたたかないものだ」という理由で、誰も私に演奏方法を教えたがらなかった、12歳のころの自分について考えることです。そんなことが他の女の子に起こらないようにすることを、私は自分の使命としています。
私は自分のことを自分の作品に代弁させようとしています。そうすれば他の女の子たちに、自分が決心したことは何でも達成できることを知ってもらえます。

音楽の分野で女性や少女が力を後押しするためには、どのような変化が必要だとお考えですか?

私が同じく重要だと思うことのひとつは、女性として、自分たちは被害者であると考えるのをやめる必要があるという事実です。確かに、ほとんど男性中心の分野に身を置くのは困難を伴うかもしれませんが、それは可能なことです。私たちがコントロールできるものは何かを考えなければなりません。私たちは、どれだけ練習するかをコントロールできます。自分の態度をコントロールできます。状況に対応する方法をコントロールできます。こうしたことだけに心を砕けば、被害者意識はなくなります。私たちの将来は、男性でも女性でも、私たち次第です。私ができるなら、誰でもできます。これは「音楽業界」で一番変えなければならないことであり、それを実現できるのは私たちだけです。

次世代の若者たちにメッセージをお願いします。

あなたの進むべき道を、あなたのために進むこと。次世代の女性ドラマーがこのことを理解してくれることを願っています。誠実さを忘れずに、懸命に、賢く、そして長いスパンで取り組むこと。たとえ趣味でやっているのだとしても、自分の思い通りにできます。他の誰も、あなたと同じことはできません。健康を維持して、幸せに生きていきましょう。

人物紹介

Mónica Del Valle は9歳でピアノを習い始め、後にUniversidad de las Américas Puebla(ラス・アメリカス大学プエブラ校)で音楽の学士号を取得。2004年の卒業時にはマグナ・クム・ラウデを授与され、以降はPuebla State Symphony Orchestraや、国内最高の室内管弦楽団と言われるLa Camerata de Coahuilaのパーカッションパートへの参加だけでなく、La Voz México(Inner Music)のセッション・ドラマーやJuan Carlos Lozanoのバンド(Moenia、Morbo)のドラマー、さらにはCristian Castroのライブにバンド・メンバーとして同行するなど、他にはない軌跡をたどっている。また彼女はその豊富な知識を買われ、Palacio de Bellas Artes、Metropolitan Theater、National Auditorium、La Arena Ciudad de Méxicoなど、メキシコ国内や世界中でさまざまなステージに立つ。彼女は現在ヤマハアーティストとして活動しながら、上記に留まらず幅広く活躍している。

彼女は現在、ミュージカル劇場で傑出したキャリアを積んでおり、『Jesucristo Super Estrella(ジーザス・クライスト・スーパースター)』や『José El Soñador』(コアウイラ州トレオン)、『Amor Pop』、『Sessions México』(ハリスコ州グアダラハラ)、『Peter Pan(ピーター・パン)』、『Mary Poppins(メリー・ポピンズ)』、『Wicked(ウィキッド)』(OCESA Teatro)などの作品のほか、現在ラテンアメリカで最も多くの上演回数を誇る『El Rey León(ライオン・キング)』、『RENT(レント)』、『Billy Elliot(リトル・ダンサー)』などでドラマーやパーカッショニストとして活躍している。彼女は現在、ポップロックバンド「Los Rijabs」のメンバーであり、シングル曲『Condesprecio』がラジオやテレビでヘビーローテーションされ、トップ40入りを果たす。Mónica Del Valleの強さとスタイルは、ステージだけでなくSNSを通じて、彼女の克己心や質の高い音楽を求めるオーディエンスに広がりを見せています。

View Dr. Nadia's Journey