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Cristal Angelica Velloso

財団“Sopro Novo Yamaha Foundation”芸術・教育ディレクター

Cristal Angelica Vellosoさんに、これまでのキャリアと、音楽や教育についてのお考えを伺いました。

ご自身についてのご紹介と、音楽に関するこれまでの経歴をお聞かせください。

恥ずかしがり屋で甘えん坊な性格を克服させようという母の思惑により、私は6歳から音楽の勉強を始めました。私は運よくFundação das Artes de São Caetano do Sul(サン・カエターノ・ド・スル芸術財団)で学ぶことができたのですが、この最先端の学校はオルフやウィレムスなどの能動的な音楽教育理論に基づいた教育をする教師とつながりを持っていました。たくさん歌い、たくさん演奏し、小さな打楽器やオルフ楽器を自由に演奏していたことを覚えています。先生方はとても明るく気さくで、ピアノを弾き、いつでも私たちの創作を後押ししてくれました。

シロフォンを演奏しながら歌ったり、授業ごとに別の歌を習ったりした記憶があります。私は授業や先生が大好きでした。

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音楽や教育とご自身との関係を言い表すとしたら、どのようになりますか?

Fundação das Artesの音楽トレーニングコースを修了した時、父は私にプロとしての明るい将来があるとは思えなかったようで、音楽の勉強をやめてほしいようでした。私は先生に、父がもう授業料を払ってくれないだろうと伝えたところ、先生は私が授業料を払って勉強を続けられるように、小学生にフルートのレッスンをすることを提案してくれました。こうして、私は14歳の時に、6歳からの学び舎であるFundação das Artesで教師としてのキャリアをスタートさせました。父は私が仕事を始めることを認めてくれて、それからは仕事をやめたことはありません。

私は音楽を通じて自分自身をよく知り、自分の限界を試し、恥ずかしがり屋で両親に甘えていた性格を演奏の発表によって克服しました。音楽は私に、進むべき方向、人生の目的、そして想像できないような夢でもかなえられる可能性があることを教えてくれました。音楽は私の人生そのものです。楽器を演奏している時は幸せを感じると同時に、私の演奏を通じて人々に良いものをもたらす責任も感じます。

私と教育との関係を表現するなら、本能的なものと言えるでしょう。私は教壇に立つミュージシャンであり、コミュニケーションを取るアーティストであり、トレーニングする教育者です。これが私の全身を満たすものであり、これが人生の目的を達成する方法です。

私の音楽教育の目的は、社会に役立つ人材の育成に貢献することです。教え子たちがもっと共感力を持ち、感性が豊かで、愛情深い人になることを願っています。

私は18年ほどかけて、Sopro Novoの教育方法論を考案しました。私が提案するのは、遊び心あふれる実践的な活動で、最後には必ず、学んだことを振り返ります。重要なのは、仲間の限界を尊重し、すべての人が困難を克服できるよう助け合いながら、喜びをもって学び教えることです。これが音楽の授業で最も重要なことです。

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ジェンダー平等の問題に直面したことがありますか? その問題をどのように克服しましたか?

もちろんあります。ですが、私を止めるものは何もありませんでした。同意できないことがあって、話し合いがうまくいかなかった時に、私は職を辞しました。そして私は音楽学校を設立し、そこに8年間在籍して大成功を収め、Sopro Novoを実践するためにYamaha Musical do Brasil(ブラジル・サンパウロにあるヤマハのグループ会社)に入社することを決めました。私は自分が水のようなものだと思っています。困難に直面したときは、困難の形をうまく変えたりかき消したりしています。

リーダーに立候補した時、私と同じ立場にいる男性がいれば、その男性が選ばれました。技術的には私の方が上でも、女性という単純な理由でそのような決定がなされたり、私の方が報酬が安かったりするのです。男性優位の構造を壊すのは難しいですが、女性たちを取り巻く状況は改善に向かっています。今日も私たちはこのテーマについて当然のように、そして率直に話しているのですから。

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音楽の分野で女性や少女を後押しするためには、どのような変化が必要だとお考えですか?

変化のペースはゆっくりとしていますが、一般的に女性的な側面が弱点ではなく強みとして評価されつつあると思います。

感受性、穏やかさ、愛情深い優しさは女性的な特質であり、元来は弱さであると解釈されていましたが、今ではその解釈は違うと考えられ始めているようです。

人類は、性別、人種、信条、社会的地位、年齢の区別なく、万人にとっての利益を追求しなければなりません。そうして初めて、私たちはより良い世界を手に入れることができるのです。

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