「音」の力で、まだ見ぬ未来を。——世界中のイノベーターと描く、ヤマハの新しい挑戦 – 新価値創造

「音」の力で、まだ見ぬ未来を。——世界中のイノベーターと描く、ヤマハの新しい挑戦

はじめに:

2026年2月25日、横浜の街で一つの熱いイベントが開催されました。その名は「TRANSPOSE Innovation Challenge(トランスポーズ・イノベーション・チャレンジ)」。ヤマハ株式会社(以下、ヤマハ)が世界中のスタートアップ企業と共に、新しい「音の価値」を創り出すために企画したビジネスコンテストのファイナルピッチ(最終審査会)です。

「音・音楽」の会社であるヤマハが、なぜ今、異業種のパートナーと共に新しい事業に挑むのか。そこには、私たちの生活をより豊かに、より健やかに変えていきたいという、ヤマハの「進化(Evolve)」への強い決意がありました。


  1. 私たちの暮らしを「音」でもっと心地よく。ヤマハが描く未来の地図
  2. 世界中のアイデアと「共鳴」する。オープンイノベーション「TRANSPOSE」の始動
  3. 未来を変える4つのアイデア。ファイナルピッチの結果
  4. 「音」への期待は、世界から。――プロジェクト責任者が語る、挑戦の軌跡と未来
  5. おわりに:変化を恐れず、新しい音を奏で続ける

私たちの暮らしを「音」でもっと心地よく。ヤマハが描く未来の地図

ヤマハは2025年5月、新たな中期経営計画「Rebuild & Evolve」を発表しました。この計画の柱となっているのが、「未来を創る挑戦」というキーワードです。

これまでヤマハは、楽器や音響機器を通じて、皆さまに「感動」を届けてきました。しかし、私たちが目指す未来は、それだけではありません。私たちが長年培ってきた「音・音楽」の知見を、医療や健康、環境といった新しい分野に掛け合わせることで、社会が抱える課題を解決していく。そんな、ビジネスそのものを“進化”させる取り組みをスタートさせています。

「人」「社会」「地球」。この3つの視点を大切にしながら、皆さまの日常に寄り添い、共に未来を創っていく。それが、今のヤマハが目指している姿です。

[図] ヤマハ(株)中期経営計画資料の「未来を創る挑戦」のページ。「人」「社会」「地球」の3つをキーワードに、ビジネスそのものを“進化”させていく内容。
中期経営計画「Rebuild & Evolve」より。「人」「社会」「地球」の3つをキーワードに、ビジネスそのものを“進化”させていく

世界中のアイデアと「共鳴」する。オープンイノベーション「TRANSPOSE」の始動

2025年4月、ヤマハは新しい事業を創り出すための専門組織を社長直下に立ち上げました。この組織を中心に、オープンイノベーション活動の取り組みである「TRANSPOSE(トランスポーズ)」を掲げ、これまでにない仕組みづくりへの挑戦が始まっています。

その取り組みの一つである「TRANSPOSE Innovation Challenge」は、スタートアップの皆さんが持つ革新的な技術やサービスと、ヤマハの強みを掛け合わせ、これまでにない価値を共に生み出すことを目指しています。この呼びかけに対し、私たちの想像を大きく上回る世界63カ国から、300件を超える熱意あふれる応募が寄せられました。

未来を変える4つのアイデア。ファイナルピッチの結果

最終審査のステージに並んだのは、「音」の持つ可能性を最大限に引き出し、日々の暮らしに新しい価値を提案する素晴らしいアイデアばかりでした。厳正な審査を経て選ばれた、4組の受賞者をご紹介します。

賞名 企業名 プレゼンテーションの概要
グランプリ Moodsonic
(イギリス)
テーマ「Sound×Place」
  • 室内環境に適した自然音をリアルタイムに生成する音響技術により、健康・快適性・生産性を高める空間設計
ヤマハ賞 Rap Tech Studios Ltd
(イギリス)
テーマ「Sound×Creative」
  • ラップミュージックの制作、投稿を簡便化し、ユーザーからのフィードバックを通して、上達を支援する投稿型モバイルアプリ
YMI賞 Ear screen
(ヤマハ社内公募)
テーマ「Sound×Well-being」
  • 楽器演奏時の大音量を自然なトーンを保ちつつ抑制し、ミュージシャンの耳の健康を守るアクティブ型イヤープラグ
YMI Fund賞 Eupnoos
(イギリス)
テーマ「Sound×Well-being」
  • スマートフォンやマイクで呼吸音を測定し、呼吸器系疾患の診断を支援することで医療効率とケア品質を高めるスクリーナー
[写真] 横浜赤レンガ倉庫のファイナルピッチ会場の様子

横浜赤レンガ倉庫の会場の様子

[写真] ヤマハのオープンイノベーション活動を示す「TRANSPOSE」のロゴイメージ

「TRANSPOSE」の名のもとにオープンイノベーション活動を推し進めている

[写真] TRANSPOSE Innovation Challengeのファイナルピッチにて、 ステージ上で身振り手振りを交えてプレゼンテーションを行うMoodsonic社の代表者
[写真] ファイナルピッチ会場の遠景。参加者は近い距離で質疑応答を重ねた
[写真] 質疑応答を行う審査員たち。中央はヤマハ株式会社山浦社長
[写真] TRANSPOSE Innovation Challengeのファイナルピッチにて、 ステージ上で身振り手振りを交えてプレゼンテーションを行うプレゼンターの女性

ファイナルピッチの様子

[写真] グランプリを受賞したMoodsonic社の代表者男性

グランプリに輝いたMoodsonic社。今後はヤマハのサポートを受けながら実証実験を重ね、アイデアを実際のサービスへと育てるための共同開発が本格始動する

[写真] YMI賞を受賞したヤマハ社内公募「Ear screen」の代表者男性

社内公募から勝ち上がった「Ear screen」は、厳しい審査を突破しYMI賞を受賞した


「音」への期待は、世界から。——プロジェクト責任者が語る、挑戦の軌跡と未来

「構想から短期間での実施でしたが、世界63カ国から300社を超える応募をいただきました。これは、私たちが想像していた以上に、世界中が『音×音楽』の持つ可能性に大きな期待を寄せていることの証しでもあります」

そう振り返るのは、本プロジェクトの責任者・北瀬聖光(まさみつ)です。今回のコンテストは、単なるアイデアの募集にとどまらず、11社のパートナーの獲得や海外スタートアップの誘致など、多くの新たなつながりを生む場となりました。

「審査の場は、まさに『真剣勝負』でした。第一線で活躍するベンチャーキャピタリストと、ヤマハの経営陣が、圧倒的なスピード感で投資評価を下していく。その緊張感の中にあったのは、世の中を本気で変えようとする熱意です。
その中で、社内公募から勝ち上がった『Ear screen』チームが、一切の忖度(そんたく)なしの厳しい審査を突破し、その情熱が認められて『YMI賞』を受賞したことは、私たちにとっても大きな喜びでした」

しかし、このコンテストはあくまで「きっかけ」にすぎないと北瀬は言葉を続けます。

「真の成果は、これから生まれる具体的な事業の中にあります。2026年度も、この挑戦を続けていきます。ヤマハの未来を切り拓(ひら)き、皆さまの暮らしに新しい彩りを添えるような、熱意あふれるアイデアに出会えることを心より楽しみにしています」

[写真] ヤマハのオープンイノベーション活動「TRANSPOSE」の責任者・北瀬聖光執行役

プロジェクトの責任者・北瀬聖光執行役


おわりに:変化を恐れず、新しい音を奏で続ける

今回選ばれたプロジェクトは、どれも「音」が持つ新しい可能性を形にしたものです。新しい価値空間を創出し、クリエイティビティ溢れる創作を支え、そしてwell-being溢れる社会を築いていく。ヤマハはこれからも、こうしたパートナーと共に、新しい事業を形にしていきます。

「音・音楽」の力で、世界中の人々のこころ豊かなくらしに貢献したい。その想いは、創業以来変わりません。TRANSPOSEという活動を通じて、ヤマハはこれからも変化を恐れず、社会に新しい驚きと価値を届ける挑戦を続けてまいります。