ハーモニカのしくみ
[実験]音の出るしくみ

リードが振動する時、空気はどう動くでしょうか。
リードの下のプレートには長方形の窓が開いています。この窓はリードより一回り大きく、左右は約0.03ミリ、先端は約0.1ミリの隙間があります。
この状態でマウスピースから息を吸うと、空気は上から一方向に流れます。この時、窓の中を流れる空気速度と、リードの上側を流れる空気速度では、窓の中を流れる空気速度の方が速いため、圧力差が生じます。狭い所を通ると気圧が下がるのです。そのためリードは窓側に吸い寄せられ、下に曲げられます。
これによって一時、空気の流れは分断されますが、リードの弾性によって元の状態に戻り、この2つの動作の繰り返しでリードは上下に振幅します。リードが上下するのに伴って窓は開閉し、窓から出入りする空気の流れは周期的に継続します。また、リードの振動によってリードの周りの空気も周期的に振動します。これらの振動が集まって疎密波が発生し、空気中を伝播して耳に達し、音として聞こえるわけです。

発音原理の図

発音原理の図

リードの振幅が大きくなるほど、音量は大きくなります。
また、プレートが厚ければ厚いほど、窓を空気が抜ける量は増え、振幅が大きくなるため、音量も大きくなります。ただし、リードが小さい場合はプレートがあまり厚いと振動しにくくなるので、リードの大きさによって厚さも決まってきます。

音の高さは、まず、リードの長さで決まります。低音から高音にいくほど長さはだんだん短くなります。
次に重要なのはリードの幅で、一般に高音の方が微妙に狭くしてあります。
さらに、厚みも関係します。リードが単純な板だと発音状態が良くないため、中央部分を削ってなだらかな曲面に仕上げてあります。また、根元と先端の部分はあまり削らず厚く残し、調律時にここを削って音の高さを微調整します。

左側の低音の方がリードが長い

左側の低音の方がリードが長い

低音部の先端は、重りの役割も果たします。リードを長くする代わりに、削り残すことで先端を重くして音を下げます。低音部のリードの何本かは同じ長さで、この重りで音程を変えています。
リードを長くしない理由は、演奏性や持ち運びやすさを考慮し、できるだけコンパクトにしたいからです。いつでもどこでも手軽に吹けるという、ハーモニカの魅力を損なわないための配慮なのです。

音の質は、まずリードの上がり具合で決まります。キュッと直線的に上がるのでもなく、途中でプレートに潜るのでもなく、適度な高さで上がっていることが大切です。
リードの先とプレートの距離は、リードの先端の厚みと同じに揃えるのが目安で、それより低いとリードが窓に吸い込まれて、音が鳴らなくなります。逆にそれより高いと反応が鈍くなり、すぐに音が出てきません。

リードの上面図・断面図

リードの上面図・断面図

リードはとても大切なパーツです。普段使っている時にはカバーもあり、リードを傷めることはありませんが、もし分解する時には細心の注意を払いましょう。

リードとプレートの断面図

リードとプレートの断面図