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読売新聞│配信日:2018年1月8日│配信テーマ:Jポップ  

ギタリストのSUGIZOがソロ作 無機質+人間味 融合サウンド


LUNA SEAとX JAPANのギタリストとして活躍するSUGIZOがソロ作「ONENESS M」(ユニバーサル)を出した。GLAYのTERUや辻仁成ら、親交のある歌手をゲストに迎え、無機質なエレクトロミュージックと、人間味あるギターサウンドという両極端の音を融合させた迫力ある曲を聴かせる。(鶴田裕介)
 11月、取材のためSUGIZOの個人スタジオを訪ねた。「昨日はLUNA SEAの録音を朝までやっていて、一昨日はX JAPANで朝まで。ソロ作含め3作品を同じ年に制作することになるなんて。人として限界に来ているかもしれません」と苦笑いした。
 ソロ作に迎えたゲスト歌手は10人。「単純にかっこいいと僕が思う人。同時に友人で、電話一本で歌ってと頼める仲間」を基準に人選。「人間関係の結晶」を作品にしたかったという。
 多くの曲で、歌い手に作詞も依頼した。「PHOENIX 〜HINOTORI〜」はX JAPANのToshlが作詞し、英語で「どん底から這(は)い上がれ、フェニックスよ」と歌う。自己啓発セミナー団体に「洗脳」され、復帰した過去を想起させる。「壮絶な体験をし、よみがえった。彼だからこそ伝えられるメッセージをお願いした」
 エレクトロミュージック主体だが、バンドでもソロでも作曲方法は変わらず、パソコンで制作する。「永遠」はLUNA SEA用に作ったものの、採用されなかったという。「思い入れがあり、ソロ用に再構築した。バンドでドンと合わせるか、電子音楽的に一音一音組み上げていくのか。その違い」。そもそも、曲を意図的に作る、という感覚がない。「自動書記とまでは言わないが、自然にあふれ出てくる。僕は助産師のような気持ちです」
 ソロ作、LUNA SEAの新作が立て続けに発売され、1996年以来となるX JAPANの新作も「来年には出る、はずです」と期待を持たせる。
 X JAPANでは、98年に死去したギタリスト、HIDEの役割を引き継ぐ。「古い曲と新しい曲を演奏する時で意識が違う。HIDEさんが弾いていた曲は、HIDEさんの息づかいを再現したいと思っている。クラシックの演奏に近い」と話す。「新しい曲は完全に僕のスタイルですね」
 2018年も、バンドにソロに、多忙な時期が続きそう。「大成功した時も、自己破産寸前になった時も、常に僕を救ってくれたのが音楽でした。そういう人生も捨てたもんじゃないという感覚が、聴き手に伝われば」

読売新聞2017年12月28日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:鶴田裕介

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