楽器を演奏する器楽教育は、その教育的効果から世界中の学校で広く採用されていますが、設備や指導者不足、指導カリキュラムなどの問題から音楽の授業に導入されていない、または質が十分ではない国もあります。
そうした中、現地政府や教育機関と緊密に連携し、公教育の中で楽器を演奏する楽しさを伝える「スクールプロジェクト」は、これまでマレーシア、インドネシア、ベトナム、インド、ブラジル、アラブ首長国連邦、エジプトの7カ国累計129万人(2022年3月末)の子どもたちに器楽学習の機会を提供し、楽器演奏を楽しむ環境づくりを支援してきました。
中でも、2016年に文部科学省が推進する「日本型教育の海外展開事業(EDU-Portニッポン)」のパイロット事業として採択されたベトナムの活動では、同国の教育訓練省と連携した教員向けリコーダーセミナーや教科書改訂などを支援。2020年度より、学習指導要領に器楽教育が導入されています。
また、かねてよりリコーダー普及活動を独自展開してきたブラジルでコロナ禍に対応したオンラインリコーダーセミナーを開設したり、リコーダーの普及が進んでいるインドでキーボードを使った器楽教育を新たに開始したりと、地域や環境に合わせた柔軟な取り組みを推進。2023年には、中南米地域で2カ国目となるメキシコでの展開を予定しています。
今後も、当社の中期経営計画に掲げた目標、累計230万人(2025年3月期)の達成を目指して、さらに多くの子どもたちに音楽や楽器の楽しさ、喜びを伝えていきます。