ヤマハでは、「ヤマハ音楽教室」をはじめとする音楽教育プログラムをグローバルに展開し、老若男女に楽器を演奏する楽しさや、音楽を学ぶ喜びに触れる機会を提供してきました。2015年より新興国を中心に展開している「スクールプロジェクト」は、楽器に触れる機会に恵まれなかった子どもたちにも演奏する楽しさを知ってもらえるよう、支援する取り組みです。ヤマハと現地法人が一体となり、社会のさまざまな場所において子どもたちに楽器に触れる機会を提供しています。
スクールプロジェクトの特徴は、これまで音楽の授業はあっても楽器を演奏することはなく座学が中心だった地域に向けて、楽器・教材・指導ノウハウをパッケージにした独自プログラム「Music Time」を提供するところにあります。学校の音楽教師でも、ほとんど楽器に触れたことがないという状況が珍しくない中で、リコーダーやPKなどの楽器を楽しく学べる学習コンテンツを提案。2020年3月末現在、計5カ国にて展開しており、現地の民族音楽を採り入れたり、学習成果を発表するイベントを設けたりとその地域に合わせた取り組みを通じて、各国の文化に調和した器楽演奏体験の活性化に寄与しています。
スクールプロジェクトでは、世界の子どもたちが質の高い器楽演奏体験の機会に等しく恵まれることを最終目標に掲げています。2020年9月には、ベトナム教育訓練省と連携して進めてきた小中学校への器楽演奏の導入・定着化への取り組みの成果として、同国の学習指導要領にリコーダーによる器楽演奏が加えられ、子どもたちに等しく器楽演奏体験の機会が届けられる予定です。