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音楽の力で、青少年の育成を支援

中南米の多くの国で、犯罪・貧困・格差問題が深刻化し社会問題となっています。
こうした環境に育つ子どもたちは、犯罪や非行・暴力などに巻き込まれることも少なくありません。そこで、国の政策として無償の音楽教育活動が進められ、各地で政府や民間主導の青少年育成を目的としたオーケストラ・バンド活動が行われています。ヤマハはこの活動に賛同し、ヤマハならではの支援活動を展開しています。

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[ 画像 ] 子どもたちを犯罪や非行・暴力から守るための“音楽”
AMIGO Projectの展開国

子どもたちを犯罪や非行・暴力から守るための“音楽”

青少年育成オーケストラ・バンド活動の推定生徒数は約90万人※1ともいわれ、その数は年々拡大しています。活動の発展に伴って各団体で多くの楽器が必要となり、各国メーカーの楽器が多く流入し、同地域の楽器市場も急速に拡大してきました。しかしその一方で、楽器を日常的に手入れする習慣やメンテナンス知識がないために、大量に出回った楽器はメンテナンスが行き届かず、壊れても修理できる技術者がいないことから状態が悪化。使える楽器が減ってしまい、活動が停滞してしまうという事態も生じています。
こうした問題に対して、中南米に拠点を置く現地法人各社が、長年にわたり地域貢献の一環として団体を支援し、子どもたちがより良い環境で演奏を続けられる環境をサポートしてきました。2014年度からは「AMIGO Project※2」を展開し、ヤマハグループとして青少年育成オーケストラ・バンド活動への支援を強化しています。

  • ※1 ヤマハ推計。各種資料、現地法人や各団体へのヒアリングをもとに算出
  • ※2 AMIGO Project=Apoyo(support)-Music-Institute/Government-Orchestraの意
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[ 図 ] Amigo Projectの施策

メンテナンス知識の普及と技術者育成を目指す

楽器をよい状態で長く使うためには、日々のメンテナンスが重要です。万が一壊れてしまった場合でも、すぐに修理できる技術者が身近にいれば、適切な修理をして楽器を使い続けることができます。AMIGO Projectでは、中南米5カ国において、青少年育成オーケストラ・バンド団体の指導者向けメンテナンスワークショップの開催や楽器を修理できる技術者の育成を推進することで、現地の体制整備に貢献しています。

メンテナンスワークショップでは、現地の指導者に対して、現地法人や販売代理店のスタッフが、ヤマハ独自の「メンテナンスガイドブック」を使用してメンテナンス方法を解説します。受講した指導者は、学んだ方法を子どもたちに伝えます。こうして指導者を介して伝授することで、一度に多くの子どもたちに効率よく楽器のメンテナンス知識を伝えることができます。また、子どもたちにとっても楽器の正しい扱い方を学ぶことは、楽器の寿命を延ばすだけでなく、楽器を大切に使うという意識啓発にもなっています。

[ 画像 ] オリジナルのメンテナンスガイドブック
オリジナルのメンテナンスガイドブック
[ 図 ] メンテナンスワークショップ

修理技術者の育成においては、各国の“核”となる技術者を養成することを目的に、各現地法人および販売代理店で選抜された修理技術者を一堂に集め、修理ノウハウや技術について解説するセミナーを開催しています。受講した技術者は、習得した知識や技術、修理方法を解説したマニュアルなどをもとに自国で技術者を育成する役割を担います。

ヤマハは、楽器のメンテナンスや修理に関する知識・技術を広く普及・浸透させることが、音楽教育の充実や音楽文化のさらなる発展には欠かせないことだと考えます。
またその一方で、より根本的な解決策として、壊れにくくメンテナンスが簡単な楽器の開発など、新たなアプローチにも積極的に取り組んでいます。

[ 画像 ] 修理技術者育成セミナーの様子
修理技術者育成セミナーの様子
[ 図 ] 技術者支援の仕組み

Música para la Vidaへの支援 ―ヤマハ・デ・メヒコ―

Música para la Vidaは、音楽を通じて社会改革を促進することを目的に、メキシコ中部の中規模都市・サン・ルイス・ポトシに2013年に設立された団体です。現在4つのオーケストラのほか、吹奏楽団と合唱団をそれぞれ2つ所有し、合計76人の指導者が約1,500人の子どもたちの指導にあたっています。(2018年8月現在)
同団体は、政府からの援助金だけに依存せず、独自に基金を創設し民間資金を確保することで、活動の「持続性」を担保しています。
サン・ルイス・ポトシは州内で最も人口の多い都市ですが、貧困層約45.5%(2016年現在)とあまり裕福な都市ではありません。教育環境としては脆弱な状況下にある子どもたちではありますが、同団体は音楽コミュニティーを創造することで社会的な結束力を強め、子どもたちの健全な成長を促すだけでなく、文化・教育の発展、雇用の創出・地域の治安改善などコミュニティーへの還元にも努めています。
ヤマハ・デ・メヒコ(以下YDM)では2014年から このMúsica para la Vidaへのサポートを開始しました。メンテナンスワークショップや技術者育成セミナー開催などの技術支援をはじめ、楽器に関する各種情報提供などを行うことで、子どもたちが快適に演奏を楽しめる環境を後押ししています。
また過去に団体の備品が盗難にあってしまった際は、メンテナンス用品の無償提供というかたちで支援を行いました。
今後もYDMは、長年培ってきたノウハウとサービスで、同団体のスムーズな運営と青少年の育成に向けた音楽教育活動をサポートしていきます。

[ 画像 ] Música para la Vidaへの支援―ヤマハ・デ・メヒコ―

子どもたちは、このオーケストラ・バンド活動を通じて、大きく成長しました。まず、楽器の演奏スキルが上達するにつれて、自分に自信を持つことができるようになりました。さらには、団体での自らの居場所を見つけることで、自身の存在意義を実感したり、コミュニケーション能力が培われたことで対人関係が良好になるとともに、学校の勉強への意欲も高まりました。
こうした子どもたちの変化を身近で見て、私自身も音楽教育が社会変革の原動力となっていることを再認識することができました。
子どもたちがより安心・安全に暮らし、音楽を楽しめる環境を整備するために、音楽教育を通じたこの活動をさらに強化・発展させ、社会に貢献していきたいと願っています。

[ 顔写真 ] ROCÍO RODRÍGUEZ ROMO (General Director) 様

Musica para la vida General Director
ROCÍO RODRÍGUEZ ROMO 様


私はこれまで、必要以上に複雑な方法で修理を行い時間を費やしていましたが、ヤマハの修理技術セミナーを受講して、適切なツールと最適な方法で修理を行えば、難度の高い修理も高品質かつスムーズに行えるということを学びました。個人で簡単にできる楽器のトラブル解決法など、自分がヤマハから学んだことを多くの人に伝えていきたいと思います。そしてこれらの知識や情報を生かして、将来的には、Musica para la vidaの中に修理工房を構えることができたらと願っています。

[ 顔写真 ] Jesús Zaragoza Trejo(管楽器修理技術者) 様

Musica para la vida 管楽器修理技術者
Jesús Zaragoza Trejo 様