気候変動の緩和および気候変動への適応

  1. 基本施策と目標・実績
  2. 温室効果ガス排出削減

ヤマハグループでは気候変動対策として、生産方法や設備配置の最適化、空調設備の運転方法の改善、エネルギー効率の高い設備の導入、設備稼働時間や空調温度などエネルギー管理の徹底、さらにはコージェネレーションシステムの導入や燃料転換などにより、温室効果ガス排出量の削減に努めています。
排出量については、GHGプロトコル※1に基づいて管理しています。2016年度には、サプライチェーンも含んだスコープ(スコープ3)での算定・管理も開始しました。算定精度を高めながら、削減施策につなげていきます。

  • ※1 温室効果ガス(Greenhouse Gas)排出量の算定と報告の基準

これまでの取り組みと実績

ヤマハ(株)および国内生産系拠点では、CO2排出量原単位を毎年1%ずつ削減することを目標とし、海外生産拠点では拠点ごとに数値目標を設定し、それぞれ目標達成に向けて積極的に取り組みました。

スコープ1、2実績(ヤマハ(株)および全生産拠点)

GHG総排出量(スコープ1+2) 
(拠点 / 年度別排出係数適用)
[ グラフ ] GHG総排出量(スコープ1+2)(拠点 / 年度別排出係数適用)

*GHG ... 温室効果ガス/GreenHouseGas

  • ※ 購入電力・蒸気による間接的な排出、自家発電及び熱利用のための直接的な二酸化炭素排出量と製造工程で使用され排出されるGHG量を合算しています。(スコープ1+スコープ2)
  • ※ データの集計範囲は全世界のヤマハグループ本社、主要生産工場およびリゾート施設です。(ヤマハグループ全拠点の90%以上と推測されます)

スコープ3の試算(2016年度)

[ グラフ ] スコープ3 GHG排出量内訳割合(2016年度推計値)

製造工程での取り組み 

弦打楽器工場での省エネ活動

弦打楽器を製造する(株)ヤマハミュージカルプロダクツ飯田工場(現、(株)ヤマハミュージックマニュファクチュアリング)は、2010年度に省エネ推進委員会を設置してCO2排出削減に取り組んでいます。2011年度に、コンプレッサーの圧力の適正化、ブースの間仕切り、電力モニターの設置、事務所への網戸の設置などを実施。2013年度に工場内設備の集約や合理的配置で省スペース化を進め、エネルギー効率を改善しています。2015年度には工場の屋根に遮熱塗料を塗布し、空調効率を改善させました。今後も空調管理の適正化、工程統合による省エネを推進します。

  • ※ 2017年4月1日付で合併に伴い名称変更
[ 画像 ] 圧力の適正化を行ったコンプレッサー
圧力の適正化を行ったコンプレッサー

ピアノ工場での省エネ活動

(株)ヤマハピアノ製造(現、(株)ヤマハミュージックマニュファクチュアリング※3)では、継続的に各種省エネ施策を実施しています。
具体的活動としては、不要照明の撤去、蛍光灯のラピッド式よりHf式への交換、コンプレッサーのインバーター化、配電用トランスや空調機の更新、空調制御改善などです。
これらの活動により、2014年度から3年間の累計でCO2排出約183トン-CO2、電力使用約354 MWhの削減効果を上げています。

  • ※3 2017年4月1日付で合併に伴い名称変更

工場でのピーク電力カット

ヤマハファインテック(株) では、夏場のピーク電力カットのため、エアコンの稼働調整や工場屋根への散水を実施しています。加えて2014年度から、7月~9月の3カ月間、空調負荷の高い自動車用内装部品の塗装工程の一部で、始業を2時間早めて朝6時からとする「サマータイム」制を運用しています。これらの活動により、電力ピークの時間が14時頃から11時頃にシフトし、午後の暑い時間帯のピーク電力を約310kW削減するとともに、7月~9月の3カ月間で2013年度比約20万kWhの節電効果を得ることができました。さらに、作業改善で設備稼働時間を短くすることによる節電も実施しています。
今後も、職場レイアウト見直しによる空調削減や冬場の蒸気使用見直しなどの節電取り組みを進めていきます。

中国工場での省エネ活動

中国の杭州ヤマハ楽器有限公司では、生産の増加に伴うエネルギー使用の増加を抑制するために、技術的な改善や日常管理レベルの向上など、さまざまな省エネ策を講じています。2011年度に、それらの省エネ策によってエネルギー使用量を売上高原単位で前年度比15%削減するなど、環境への取り組みが評価され、2011年末に中国の清潔生産促進法に基づく「クリーン生産認証」を杭州市から取得しました。
その後も継続して、次のようなエネルギー使用量削減策を実施しています。

  • 2012年度:集塵機の適正な運転管理
  • 2013年度:給水稼働時間の短縮、照明の適正配置・点灯時間の削減
  • 2014年度:集塵機の稼働を自動制御するシステム、配電盤にデジタル電気メーターを設置し電気使用量の管理強化、夜間の設備待機電力ロスを削減
  • 2015年度~:電灯のLED化を順次実施
[ 画像 ] 省エネなど環境活動の掲示板
省エネなど環境活動の掲示板
[ 画像 ] 従業員への環境教育
従業員への環境教育

リゾート施設での取り組み

(株)ヤマハリゾートは、運営するリゾート施設において、次のようなCO2排出削減活動に取り組んでいます。

集約営業の導入(葛城北の丸):
2014年度に定休日を設定。約10%を節電
ゴルフ場運営における節電(葛城ゴルフ倶楽部):
グリーンファン(芝生維持)や施設空調の調整により2014年度に前年度比2.5万kwhの節電
電動式カートの導入(葛城ゴルフ倶楽部):
2008年度より、給油式から電動式に移行。2013年に切替完了。年間8トン以上のCO2排出量削減
照明のLED化:
常時点灯など使用量の大きいエリアから優先的に実施。年間で2万kWh節電、CO2約10トン削減

オフィスでの取り組み

節電のための主な施策

照明間引き(照度確認の上で実施)、LED照明導入、広告灯の消灯、エレベーター運休、電気使用量実績の通知による従業員への意識づけなど

照明のLED化

ヤマハ(株)本社事業所では、事務所照明のLED化を進め、2013~2016年度で合わせて蛍光灯や水銀灯約400台の交換により、年間約24,600kWhの節電効果が出ました。また、豊岡工場では2014年度に外灯のLED化で年間約44,000kWhの削減効果、さらに2016年度には屋内の蛍光灯のうち約1,100台をLED化し、年間約15MWhの削減効果を出しています。今後も各工場・事業所内で計画的にLED化を進めていく予定です。

「クールビズ/ウォームビズ運動」の実施(2005年~)

夏期(5~10月) … ノーネクタイなどの軽装を推奨し、冷房温度を28℃以上に設定
冬期(11~3月) … 着衣の工夫などによって、暖房器具に頼りすぎず暖房温度を20℃以下に設定

[ 画像 ] クールビズ/ウォームビズ 社内啓発用ポスター
クールビズ/ウォームビズ 社内啓発用ポスター

「ライトダウンキャンペーン活動(環境省)」への参加(2006年~)

屋外広告看板などの照明を消灯することで、日常の照明使用を実感し節電意識を高める同活動に、事業所・施設単位で参加
2015年度実績:20施設で実施。約2,000kWh/約0.8t-CO2の排出削減 2016年度実績:20施設で実施。約2,600kWh/約1.0t-CO2の排出削減

「緑のエコカーテン活動」(2009年~)

建物の窓辺や壁にアサガオやゴーヤなどのつる性植物を植えて省エネ効果および従業員の意識付けを図る活動

[ 画像 ] ヤマハ(株)本社
ヤマハ(株)本社事業所
[ 画像 ] ヤマハ労働組合
ヤマハ労働組合

物流での取り組み

物流における省エネ・CO2排出量削減

輸送効率向上やリードタイム短縮などの施策と合わせて、省エネおよびCO2排出量削減を推進しています。トラックやコンテナの充填率向上や倉庫配置・輸送ルート見直しによる輸送距離の短縮、CO2低排出輸送モード(船、鉄道)への切り替え検討のほか、輸送梱包仕様の見直し、他社との共同輸送、廃製品の現地処分化など、さまざまな取り組みの中でCO2排出量の削減につながる施策を進めています。
2016年度におけるヤマハグループの国内総輸送量(国内販社などの輸送も含む)は、前年度比ほぼ横ばいの1,891万トンキロ(t×km)、CO2排出量についても前年度比ほぼ横ばいの2,862トン-CO2となりました。
また、物流におけるCO2排出量削減には輸送事業者の協力が不可欠であり、運送委託先への環境配慮協力の要請やアンケート調査への環境項目の盛り込みなどを通じて、輸送事業者の皆さまと連携した体制づくりに努めています。

ピアノフレーム輸送での省資源・CO2排出量削減

日本から杭州ヤマハ楽器へピアノフレームを輸送する際、従来は使い捨ての鉄製梱包ラックを用いていました。この廃棄をなくすため、複数回利用できるリターナブルのピアノフレーム用梱包ラックを順次、導入しています。 2011年度に中国向け、2013年度にベトナム向けのリターナブル化を完了。その他に、輸送距離の短縮や積載効率の向上なども進めました。これらの取り組みにより、鉄製ラックの廃棄に伴うCO2排出量を年間100トン削減、鉄資源消費も年間1,600トン削減できました。今後も、ピアノフレーム以外の部品を含めて輸送距離の短縮や使い捨て梱包材料の削減を検討していきます。

[ 画像 ] 新たに導入したGPフレーム用リターナブルラック
グランドピアノフレーム用リターナブルラック
[ 画像 ] 折りたたみ状態のラック(返送時)
折りたたみ状態のラック(返送時)
[ 画像 ] リターナブル物流のフロー図
リターナブル物流のフロー図

部材・材料の輸送梱包材標準化による省資源・CO2排出量削減

ヤマハグループでは、輸送時のコンテナサイズに合わせた梱包箱を設計・標準化することで、コンテナ積載率を向上させています。コンテナ本数の削減に伴うCO2排出量を年間3トン削減しました。また、緩衝材などの包装資材をできるだけ少なくする梱包仕様とすることで、紙資源の使用量を削減することができました。
今後、海外から日本への材料・部材供給が増えると想定されます。そこでまず、中国-日本間の双方向で利用できるピアノ部品の標準梱包を設計し、実用化に向けた検証を進めています。

[ 画像 ] 梱包箱を平置きから縦積みにした
標準化前の梱包箱のコンテナ(左)と積載状況標準梱包箱のコンテナ積載状況(右)