気候変動への対応
気候変動への対応について
人間社会および地球のあらゆる生物の脅威となる急速な気候変動を緩和し、脱炭素社会への移行に貢献することは、企業の責務であり重要な経営課題です。
ヤマハグループは、代表執行役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」の下部組織として「気候変動部会」(部会長:執行役員)を設置し、国際的な協調により推進される温室効果ガス排出削減に取り組むとともに、気候変動がもたらすあらゆる影響に備えるため、リスクの特定と軽減策の策定を行い、事業戦略への組み込みを進めています。2019年6月に、科学的根拠に基づく削減のシナリオと整合した温室効果ガス削減目標設定を推進するSBT※1イニシアチブに賛同、中長期での削減目標を設定し、認定を受けました。2021年9月にはカーボンニュートラル実現に向けた国際社会の動向を踏まえ、スコープ1※2+スコープ2※3の削減目標を前回の32%削減から55%削減へと大幅に引き上げる、より意欲的な「1.5℃目標」で申請し、認定を取得しました。また、2019年6月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)※4提言への賛同を表明し、気候変動の財務的影響についての分析や情報開示の取り組みを開始しました。今後、バリューチェーンも含めたNetZeroを目指すとともに、省エネ製品など気候変動を緩和し、脱炭素社会づくりを促進する製品・サービスやビジネスモデルの創出を目指していきます。
これらは所属団体である経団連のカーボンニュートラル行動計画に整合しています。また、 気候変動イニシアティブ(JCI)への加入、GXリーグへの参画表明もしています。
脱炭素社会づくりを促進する製品の例
ヤマハファインテック(株)では、EV化が進む自動車の安全に欠かせないHEV/PHEV/BEV用リチウムイオン電池の漏れ検査システムを開発・製造・販売しています。
温室効果ガス排出削減の取り組み
ヤマハ(株)および国内生産系拠点では長年にわたりCO2排出量原単位を毎年1%ずつ削減することを目標に、製造工程や事業所での省エネを中心とした取り組みを進めてきました。2022年よりインターナルカーボンプライシング(社内炭素税)制度を本格導入したほか、再生可能エネルギー導入も進め、2021年4月より本社事業所の購入電力を100%再生可能エネルギー電力に切り替え、さらに同年9月からは静岡県内の水力発電由来の電力である「静岡Greenでんき」に切り替えました。海外生産拠点では拠点ごとに削減の数値目標を設定し、それぞれ目標達成に向けて積極的に取り組んでいます。
削減の取り組みを進めるにあたり、温室効果ガスの排出量はGHGプロトコル※5に基づいて管理しています。なお、2016年度よりスコープ1、2およびスコープ3の一部の第三者検証を実施しています。
温室効果ガス削減目標および主な施策・実績
削減目標(SBT認定)
- 2030年度までに温室効果ガスの排出量(スコープ1およびスコープ2の合計)を2017年度比で55%削減(2050年度 実質カーボンニュートラル)
- 2030年度までに温室効果ガスの排出量(スコープ3※6)2017年度比で30%削減
主な施策
- 生産方法や設備配置の最適化、エネルギー効率の高い設備やLED照明の導入、設備稼働時間や空調温度などエネルギー管理の徹底などによる省エネ推進
- コージェネレーションシステムや太陽光発電設備の導入
- 温室効果ガス排出の少ない燃料への転換
- 購入電力の再生可能エネルギーへの切り替え
- インターナルカーボンプライシングによる高効率設備、再生可能エネルギー関連設備の投資促進
- 物流における輸送効率向上やCO2低排出輸送モード(船、鉄道)への切り替えなど
- 製品の省エネ化(スコープ3のうち排出量の大きなカテゴリー(製品使用)の削減)
インターナルカーボンプライシング(ICP)制度
ヤマハグループでは、気候変動リスクに対処するため再生可能エネルギー関連投資や高エネルギー効率機器の選択が必要と考えており、2022年4月よりインターナルカーボンプライシング(社内炭素税)制度を本格導入しました。今回導入した制度は、CO2排出量に仮想的な価格を設定して金額換算し、この金額も加味して投資判断を行うというもので、これにより、よりエネルギー効率のよい設備を選びやすくなるほか、太陽光発電など再エネ発電設備の投資が促進されることなどが期待されます。単価は、当面の間14,000円/t-CO2で設定しています。
実績
スコープ1、2(ヤマハ(株)および全生産拠点)※7 ※8 ※9
スコープ3(2023年3月期)
各拠点での取り組み事例
生産工場での取り組み
(株)ヤマハミュージックマニュファクチュアリング(飯田工場)
- コンプレッサーの圧力の適正化、ブースの間仕切り、電力モニターの設置、設備の集約や合理的配置による省スペース化
- 工場の屋根に遮熱塗料を塗布し空調効率を改善
(株)ヤマハミュージックマニュファクチュアリング(掛川工場)
- 不要照明の撤去、蛍光灯のLED化、コンプレッサーのインバーター化、配電用トランスや空調機の更新、空調制御改善
- コンプレッサーの統合制御による無負荷時の高効率運転、エア漏れ調査改修やエア圧力低減
2015年3月期から2023年3月期の9年間累計で、CO2排出約583t-CO2、電力使用約1,035MWhの削減効果 - コージェネレーションシステムの稼働により、 CO2排出が年間約2,900トン削減(原油換算で年間420kL削減)
ヤマハファインテック(株)
- 夏場のピーク電力カットのため、エアコンの稼働調整や工場屋根への散水
- 空調負荷の高い自動車用内装部品の塗装工程の一部で始業を2時間早めて朝6時からとする「サマータイム」制の導入(電力ピークの時間が14時頃から11時頃にシフトし、午後の暑い時間帯のピーク電力を約310kW削減し、7月~9月の3カ月間で約20万kWhの節電効果を実現)
- 作業改善で設備稼働時間の短縮、職場レイアウトの見直しによる空調削減、冬場の蒸気使用見直し
杭州ヤマハ楽器有限公司
- 集塵機の適正な運転管理
- 給水稼働時間の短縮、照明の適正配置・点灯時間の削減
- 集塵機の稼働を自動制御するシステム、配電盤にデジタル電気メーターを設置し電気使用量の管理強化、夜間の設備待機電力ロスを削減
- 電灯のLED化を順次実施
リゾート施設での取り組み
- 照明のLED化やトイレへの人感センサー設置により、年間約77MWh節電
- カートを給油式から電動式へ変更することにより年間8t以上のCO2排出削減
- グリーンファン(芝生維持)や施設空調の調整により年間約25MWhの節電
- 暖房に温水を利用した大型空調機の空冷式(省エネタイプ)に更新。これによりボイラー燃料(重油)が約30%削減され、ボイラー運転時間も1時間短縮
- 高効率ボイラー設備への更新、空調機の高効率型への更新、再生可能エネルギーによるEV車充電スタンド導入
オフィスでの取り組み
ヤマハ(株)では、各拠点事務所において、節電のための施策を計画的に進めています。
節電のための主な施策
照明間引き(照度確認の上で実施)、LED照明導入、広告灯の消灯、エレベーター運休、電気使用量実績の通知による従業員への意識付けなど
照明のLED化実施例
- 本社事業所:2014年3月期~2023年3月期の10年間累計で約2,700本交換、年間約118MWh節電
- 豊岡工場:2017年3月期~2023年3月期の7年間累計で約6,300本交換、年間約130MWh節電
- 掛川工場:2015年3月期~2023年3月期の9年間累計で約4,300本交換、年間約228MWh節電
「クールビズ/ウォームビズ運動」の実施
夏期(5~10月) … ノーネクタイなどの軽装を推奨し、冷房温度を28℃以上に設定
冬期(11~3月) … 着衣の工夫などによって、暖房器具に頼りすぎず暖房温度を20℃以下に設定
物流での取り組み
物流における省エネ・CO2排出量削減
輸送効率向上やリードタイム短縮などの施策と合わせて、省エネおよびCO2排出量削減を推進しています。トラックやコンテナの充填率向上や倉庫配置・輸送ルート見直しによる輸送距離の短縮、CO2低排出輸送モード(船、鉄道)への切り替え検討のほか、輸送梱包仕様の見直し、他社との共同輸送、廃製品の現地処分化など、さまざまな取り組みの中でCO2排出量の削減につながる施策を進めています。
2023年3月期におけるヤマハグループの輸送によるCO2排出量は、前年度比17,492t-CO2減の100, 138t-CO2となりました。
また、物流におけるCO2排出量削減には輸送事業者の協力が不可欠であり、運送委託先への環境配慮協力の要請やアンケート調査への環境項目の盛り込みなどを通じて、輸送事業者の皆さまと連携した体制づくりに努めています。
ピアノフレーム輸送での省資源・CO2排出量削減
日本から海外工場へピアノフレームを輸送する際、従来は使い捨ての鉄製梱包ラックを用いていましたが、複数回利用できるリターナブルのピアノフレーム用梱包ラックを導入することで、省資源化を図っています。また、加えて輸送距離の短縮や積載効率の向上なども進めたことにより、鉄製ラックの廃棄に伴うCO2排出量を年間100t削減、鉄資源消費も年間1,600t削減できました。今後も、ピアノフレーム以外の部品を含めて輸送距離の短縮や使い捨て梱包材料の削減を検討していきます。
部材・材料の輸送梱包材標準化による省資源・CO2排出量削減
ヤマハグループでは、輸送時のコンテナサイズに合わせ、梱包サイズを小型化することで、コンテナ1本に積み込める製品数を増やして輸送効率を向上させています。例えば電子ピアノPシリーズにおいて梱包サイズを17%小型化し、コンテナ積載率を12.5%向上させました。これにより、40フィートハイキューブコンテナ換算で、年間269本を削減し、CO2排出量を年間26t削減しました。
TCFDへの対応
人間社会および地球のあらゆる生物の脅威となる急速な気候変動を緩和し、脱炭素社会への移行に貢献することは、企業の責務であり重要な経営課題だと捉えています。
ヤマハグループは2019年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。TCFDの提言に基づき、気候変動が事業にもたらすリスクや機会を分析し、経営戦略に反映させるとともに、その財務的な影響についての情報開示に努めていきます。
ガバナンス
気候変動対応を含むサステナビリティに関する重要事項は、2021年1月に発足した代表執行役社長の諮問機関であるサステナビリティ委員会(委員長:代表執行役社長/2023年3月期は6回開催)にて議論した上で、取締役会にて定期的に議案として取り上げ、施策の進捗確認と監督をしています。
またサステナビリティ委員会では、2022年11月にサステナビリティに関する有識者対話を実施し、気候変動を含む社会課題への認識を一層深める取り組みを行いました。
気候変動に関わるリスクと機会への対応は同委員会の下部組織である気候変動部会が主導し、関連テーマは資源循環部会、調達部会でも審議され、サステナビリティ委員会に報告されます。
2022年3月期には、中長期的な企業価値に影響を及ぼす経営の重要課題(マテリアリティ)の見直しを行い、改めて「気候変動への対応」をマテリアリティとして特定しました。2022年4月にスタートした中期経営計画「Make Waves 2.0」では、基本方針に「サステナビリティを価値の源泉に」を掲げ、気候変動への対応を重点テーマとして位置づけています。CO2排出削減を含む非財務目標の達成度は役員報酬にも反映させる仕組みとしています。
戦略
当社は、ヤマハグループ全体に及ぶ影響を確認するため、全事業を対象に国際エネルギー機関(IEA)による移行面で影響が顕在化する「1.5~2℃シナリオ※1」と、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による物理面で影響が顕在化する「4℃シナリオ※2」をメインに、その他複数のシナリオ※3を参考に分析を行い、短期・中期・長期※4のリスクと機会を抽出しました。(表1)
当社は、気候関連課題が、事業、戦略、財務計画に大きな影響を与える可能性があるという認識のもと、リスクや機会を整理し、戦略の見直しを随時実施しています。(表2)
(表1)特に重要度の高いリスク・機会一覧
分類 | 考えられる影響の事例 | |
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移行リスク | 政策規制 | カーボンプライシングの導入・増大(中期) |
市場 | 木材伐採事業の撤退(短期) | |
物理的リスク | 急性 | 自然災害の頻発化・激甚化(長期) |
慢性 | 調達木材の生育適域変化(長期) | |
機会 | 市場 | 気温上昇により屋内の活動が増え、関連製品・サービスの需要増(中期・長期) |
製品・サービス | 木材代替素材の開発や新たな品質標準の確立による新たな価値提供(長期) |
(表2)特に重要度の高いリスク・機会と対応戦略
分類 | リスクと機会概要 | ヤマハの対応戦略 | シナリオ分析 | ||
---|---|---|---|---|---|
1.5-2.0℃ シナリオ |
4℃ シナリオ |
||||
移行リスク | カーボンプライシングの導入・増大 | ・炭素税などの導入による生産・調達コスト増加 ・2031年3月期におけるグループ内エネルギーコストは成り行きで10億円から20億円程度増加する予測 (図1) |
・徹底したエネルギー削減、再生可能エネルギーの利用推進による削減計画実施。(削減目標達成によりエネルギーコスト増加分を4.5億円から9億円程度に抑制できる見込み) ・ICP(インターナルカーボンプライシング)を設定し(14,000円/t-CO2)、低炭素設備投資を促進 ・サプライヤーと連携した排出削減の推進 |
影響は拡大 ↗ |
影響は現在の延長上 → |
木材伐採事業の撤退 | ・森林由来炭素クレジットのため木材事業からの撤退が増える | ・持続可能性に配慮した木材使用率増 ・楽器適材の調達を持続可能にする「おとの森」活動 |
影響は拡大 ↗ |
影響は拡大 ↗ |
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物理的リスク | 自然災害の頻発化・激甚化 | ・自然災害による生産拠点の被害やサプライチェーン寸断による生産停止の発生 | ・ヤマハグループ拠点(製造・営業・物流)を対象に洪水リスクと損害の再評価を行い、想定される自然災害に対して事前対策を実施 | 影響は現在の延長上 → |
影響は拡大 ↗ |
調達木材の生育適域変化 | ・温暖化により調達木材の生育適域が変化していき、入手が困難になることが予想される(表3) | ・持続可能性に配慮した木材使用率増 ・既存の希少材料を代替する新素材や木材加工技術の開発 (木材技術、木材調達スキルの社内保持・強化) |
影響は拡大 ↗ |
影響は拡大 ↗ |
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機会 | 木材代替素材の開発や新たな品質標準の確立 | ・環境に配慮した代替材を使用した製品が、顧客や投資家からの評価を高め、市場での競争力を向上させる | |||
気温上昇により屋内の活動が増え、関連製品・サービスの需要増 | ・リモートワーク、オンラインイベント・ゲームの拡大による通信機器の需要拡大 ・動画配信の拡大に伴う音響機器の需要拡大、ライブと配信のハイブリッドイベントがデファクトスタンダード化 |
・音響、信号処理、通信技術の融合によるリモート、オンラインイベント用ソリューションの提供 ・遠隔でのライブ、レッスン、合奏の実現による新たな顧客体験の創造 |
影響は拡大 ↗ |
影響は拡大 ↗ |
(図1)2031年3月期 シナリオ別カーボンプライシング影響予測(億円)
- NZE(Net Zero Emissions) :
2050年までに温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすることを目指したシナリオ - APS(Accelerated Paris Scenario) :
現行の政策や規制、技術革新などを考慮した、気候変動対策を適応的に実施することを想定したシナリオ - STEPS(Sustainable Transition Energy Pathways:Business as Usual) :
各国が現在発表している気候変動に関する政策や目標を実施することを想定したシナリオ
(表3)戦略_木材生育適域変化予測
リスク管理
気候関連のリスクを特定および評価するプロセス
ヤマハでは、リスクマネジメント委員会を設置し、気候変動をはじめとした企業活動・行動に関わるすべてのリスクを対象とした全社横断的なリスク評価の仕組みを採用し、リスクの抽出と評価を行っています。
リスク評価は、想定される「損害規模」と「発生頻度」の二つの観点で評価・識別。これにより事業に対する実質的な財務・戦略的影響を明確化し、対策検討のベースとしています。
サステナビリティ委員会の気候変動部会ではシナリオ分析結果をベースに想定される「損害規模」と「発生頻度」を特定・評価し、TCFDリスク分類に沿ってリスト化しています。「損害規模」は売上高に対する割合を指標として3段階で評価、「発生頻度」は4段階で評価し、重要リスクと機会を特定します。
気候関連のリスクを管理するプロセス
サステナビリティ委員会の気候変動部会は、年間4回程度開催され、生産・調達・物流・環境・財務・経営企画といった関連部署の役員・部長級が参加して、特定された重要なリスクと機会について対応状況のモニタリングや見直しを実施します。
対策については随時調達部会や資源循環部会等他の部会と協働し、対策テーマの特定と資源配分に関する提言、進捗管理指標の設定等を行っています。
部会の担当範囲を超える対応が必要となる重要なリスクおよび機会については、逐次取締役会へ報告され、対応方針を審議検討します。
気候関連リスク管理と総合的なリスク管理との関連
リスクマネジメント委員会は企業活動・行動に関わるすべてのリスクにおいて、重要なリスクシナリオを特定し、リスク低減対策の立案と進捗管理を行っています。
気候変動部会は、その指示の下に、リスクの特定、評価と、関連施策の調整や支援を行っています。
気候変動部会が属するサステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会はどちらも代表執行役社長が委員長であり、両プロセスは有機的に連動しています。
(表4)特定された気候関連のリスク・機会とその影響について
区分 | 考えられる影響 | |
---|---|---|
移行リスク | 政策規制 | •各国・各地域の温室効果ガスの排出規制を含む現在の規制リスクは、技術開発、生産・販売計画に大きく影響 •将来の規制は当社の技術開発や製品計画、生産計画などに幅広く影響 |
技術 | •低炭素技術の開発と低コスト化は重要な経営課題 | |
市場 | •温室効果ガスの排出削減のため、材料の調達やコストに影響が及ぶ懸念 | |
評判 | •社会的な企業イメージの向上・低下が売上高や株価などに影響 | |
物理的リスク | 急性 | •気候変動による台風や洪水によりグローバルでの主要な工場が被害を受ける懸念 |
慢性 | •気候変動による木材の生育適域変化が、材料の調達に影響を与える懸念 •気候変動による渇水拡大が、一部の工場での生産計画や水コストなどに影響を与える懸念 |
|
機会 | 市場 | •気候変動による生活スタイルの変更により製品・サービスの需要が高まる可能性 |
製品・サービス | •温室効果ガスを排出しない製品・サービスの需要が高まる可能性 |
指標と目標
サプライチェーンを含めたグループ全体のCO2削減を横断的に管理するため、温室効果ガスの総排出量(スコープ1、スコープ2、スコープ3)をGHGプロトコルのスタンダードに基づき算出し、指標としています。また、これらについて第三者検証を実施しています。
2031年3月期までに2018年3月期比でスコープ1+2を55%削減(SBT1.5℃水準)、スコープ3を30%削減する中期目標を策定し、スコープ1+2 については2051年3月期までにカーボンニュートラルを達成するという長期目標を設定しています。
また、バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、2023年6月にSBTのNetZero策定をコミットしました。(図2.「低炭素社会への移行計画」参照)
目標を達成するための短期目標として、2025年3月期までに生産におけるエネルギー使用効率の5%向上、消費電力の再生可能電力使用率10%達成を掲げています。
また、 木材伐採事業の撤退リスク、調達木材の生育適域変化リスクに対応しつつ、森林資源および生物多様性を保全するため、2025年3月期までに使用木材の75%を持続可能性に配慮した木材とする目標を掲げています。
(図2)低炭素社会への移行計画
当社はサプライチェーンを含めたグループ全体のCO2削減を横断的に管理し、温室効果ガスの総排出量(スコープ1、スコープ2、スコープ3)を着実に削減していくことで、人間社会および地球のあらゆる生物の脅威となる急速な気候変動を緩和し、脱炭素社会への移行に貢献します。