スクールプロジェクト - 各国事例 -

スクールプロジェクトでは2023年12月現在、累計7カ国、296万人の子ども達に音楽教育の機会を提供してきました。

ベトナム

2016年にスクールプロジェクトを開始したベトナムでは、これまで楽器を使った活動の導入・定着化を目指して、国立大学法人横浜国立大学や株式会社教育芸術社の協力のもと、教員養成や教科書改訂などを推進してきました。その結果、2017年10月には、ベトナム教育訓練省初等教育局と「器楽教育の普及」に関する覚書を締結し、2019年までの約2年間、10都市累計275校の小学校でリコーダークラブ活動を政府公認のもと展開しました。2020年には今まで音楽科目で教えられていなかった器楽がカリキュラムに導入されることになり、順次打楽器・リコーダー・ピアニカなどがすべての公立小学校・中学校で展開されています。ヤマハは、2023年には小学校4学年の授業開始にあたって、ベトナム教育訓練省と共催で教員研修を実施しました。
この取り組みは2016年に文部科学省「日本型教育の海外展開推進事業」(EDU-Portニッポン)の公認プロジェクトに、2018年同応援プロジェクトに採択されました。

ベトナムにおける取り組み事例 、リコーダーを使った音楽の授業
リコーダーを使った音楽の授業
ベトナムにおける取り組み事例 、教員向けリコーダー研修
教員向けリコーダー研修
ベトナムにおける取り組み事例 、ベトナム教育訓練省初等教育局との覚書締結
ベトナム教育訓練省初等教育局との覚書締結

マレーシア

マレーシアでは、国の教育方針として、知識の習得だけでなくそれらを組み合わせて新たな知識を作り出す力、異なる背景を持つ他者と協働する力、平和的に問題を解決する能力を育むことを目指しています。小学校の音楽カリキュラムは1985年に導入され、2017年に芸術科目として統合されましたが、2020年に再び単独科目となりました。
スクールプロジェクトは2015年に活動を開始し、2017年には教育省課外活動課の下、課外活動の選択プログラムの1つに採択され、全国16州404校の学校でキーボードを使った活動を展開しています。2023年にはマレーシア教育省の推進するキーボードを活用した音楽教育の試験導入に協力し、11校でパイロット授業を開始しました。授業ではキーボードを通して創造性を育む活動が行われており、2027年に予定されている国定カリキュラム改訂での正式導入を目指します。

マレーシアにおける取り組み事例 、キーボード・ミュージック・タイム・フェスティバル
キーボード・ミュージック・タイム・フェスティバル
マレーシアにおける取り組み事例 、教員向けキーボード研修
教員向けキーボード研修
マレーシアにおける取り組み事例 、キーボードを使った音楽の授業
キーボードを使った音楽の授業

インドネシア

インドネシアでは、2013年国定カリキュラムでよい心や礼儀を身につけ、創造的、革新的、迅速的に考えられる子どもを育てることを掲げ、2022年に、インドネシア教育文化研究技術省Kemdikbudristek(以下同省)は新型コロナウイルス感染症の影響を補う学習強化を目的として新カリキュラムを策定しました。
スクールプロジェクトは2015年に活動を開始し、2017年には同省が展開する「個性強化教育」(PPK)協力に関する覚書を締結し、全国514校でリコーダーやピアニカのプログラムを導入しました。さらに、2022年に開発されたムルデカカリキュラムに沿って、同省内の教職員総局と協力して小学校教員向けのウェビナーを開催し、全国の7,584の小学校から合計11,008人が参加しました。 2023年には同省と連携して全国ピアニカコンクールを開催するとともに、さらなる教員支援のためEラーニングコンテンツや教材の提供にも取り組んでまいります。

インドネシアにおける取り組み事例 、教員向けオンラインピアニカ研修
教員向けオンラインピアニカ研修
インドネシアにおける取り組み事例 、2022年インドネシア教育文化研究技術省との覚書締結
2022年インドネシア教育文化研究技術省との覚書締結
インドネシアにおける取り組み事例 、ピアニカバンド
ピアニカバンド

インド

ヤマハはインドに販売拠点と生産拠点を構え、地産地消を目指した生産・販売一体会社として事業を展開しています。
2017年にスクールプロジェクトの活動を開始し、リコーダーやキーボードを使ったプログラムをインド全土で展開しています。国土の広いインドをカバーするため、地域別に担当する核講師を擁し、プログラム展開地域の教員をサポートしています。またプログラムの中では、インド・チェンナイの工場で生産されたインドモデルのキーボードも使用されています。
2022年にはデリーの公立初等学校を対象にした、「初等教育への日本型器楽教育導入事業」が文部科学省による「令和4年度EDU-Portニッポン応援プロジェクト」に採択されました。

インドにおける取り組み事例 、リコーダーを使った音楽の授業
リコーダーを使った音楽の授業
インドにおける取り組み事例 、キーボードを使った音楽の授業
キーボードを使った音楽の授業

UAE

2018年より前身となるリコーダー普及活動を開始したUAEでは、2022年にEmirates School Establishmentとの協業で90校以上の教員にリコーダー研修を実施しました。
課外活動を中心に、最終的にはUAE全校での導入を目指し、教員のフォローアップを進めています。

エジプト

エジプトでは、国の教育方針として社会性・協調性および規律といった非認知能力の育成を目指し、現在新カリキュラムでの教育を推進しています。
ヤマハでは、この新カリキュラムをサポートすべく、2020年よりエジプト教育・技術教育省との協働を開始しました。まずはエジプト・日本学校において、リコーダーを使った日本型音楽教育の導入による、教員‐児童間、児童間での、インタラクティブな授業を展開します。2021年、パイロット10校で授業をスタートし、その後全校に展開を拡大しながら、音楽スキルと非認知能力両方の育成を目指します。
この事業は、2020年度に国際協力機構(JICA)との「中小企業・SDGsビジネス支援事業」、文部科学省「日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)」の2020年度・2022年度の応援プロジェクトに採択されました。

エジプトにおける取り組み事例 、リコーダーを使った音楽の授業
リコーダーを使った音楽の授業
エジプトにおける取り組み事例 、初めてリコーダーを手にしたこどもたち
初めてリコーダーを手にしたこどもたち
エジプトにおける取り組み事例 、協働性を育むグループワーク
協働性を育むグループワーク

ブラジル

ブラジルでは2015年より学校での音楽授業が義務化、また2017年には幼児・初等教育の教育内容全体が刷新され、認知的及び社会情動的スキルの両方を重視する「全国共通カリキュラム基盤」として、10のコンピテンシーが掲げられました。
ヤマハ・ムジカル・ド・ブラジルは2005年より"Sopro Novo Project"を立ち上げ、ブラジルにおける音楽普及活動の規模拡大とその持続性実現を目指して活動してきましたが、変革を迎えつつあるブラジルの教育環境整備をサポートできるようさらなる活動の強化を行っています。
直近では、リオデジャネイロでの公立小学校におけるリコーダーを使った授業の導入・指導法の教授や、それによって子どもたちのどのような社会情動的スキルを育むことができるかを分析・調査しています。この活動は2022年に「初等教育への日本型器楽教育導入事業」として、文部科学省による「令和4年度EDU-Portニッポン応援プロジェクト」に採択されました。

ブラジルにおける取り組み事例 、現地児童へのリコーダーイベント
現地児童へのリコーダーイベント
ブラジルにおける取り組み事例 、教員向けリコーダー研修
教員向けリコーダー研修
ブラジルにおける取り組み事例 、教員向けオンラインリコーダー研修
教員向けオンラインリコーダー研修