Yamaha Design “Synapses” YDP-S51

2012 / DIGITAL PIANO

GOOD DESIGN AWARD


本格的な音色・タッチを実現したスリムな電子ピアノ。

ショウジキ正直 / Honest

まるでアップライトピアノからフレームが入った胴体を切り落として、「ピアノらしさ」だけを抽出したようなシルエット。コンパクトな筐体でありながら、アップライトピアノを踏襲した鍵盤蓋や譜面立て、そして繊細な鍵盤タッチによって、演奏感はアップライトピアノそのものです。

シアゲ仕上げ / Well-Made

水平垂直を基調とした直線的な構成による筐体。面と面を繋ぐアール面の使用を最小限に留めたことで、抑制のきいた品の良さを醸し出します。また、鍵盤蓋の奥にあるシルバーのパーツは、ピアノの長蝶番を連想させつつも視覚的なアクセントになっています。

チョウワ調和 / Harmony

鍵盤蓋を開けている時はピアノらしいシルエット。しかし鍵盤蓋を閉じると、モダンなインテリアに馴染むニュートラルな存在感に変わります。直線を基調としたシンプルな佇まいは、決して自らを主張しすぎず、リビングなどの寛ぎ空間に溶け込んでゆきます。

ヒキゴコチ弾き心地 / Inspiring

演奏者の前に拡がるその空間は、鍵盤蓋や譜面受けの大きさや角度、その位置関係まで、まさにアップライトピアノそのもの。両側を水平な腕木で囲み、操作スイッチ類は演奏する際に視界に入らないように鍵盤の両側に配置するなど、ピアノの演奏だけに集中できる環境を作り出しています。


Sunao Okamura
Sunao Okamura
Designer
Yamaha Design Laboratory

素直に「ピアノらしさ」を感じられるために。

YDP-S51は本格的な演奏性と音色をコンパクトなサイズで実現した電子ピアノです。これまでのコンパクトな電子ピアノはコストやサイズの都合からどうしても合理性が優先されることが多く、ピアノらしさが犠牲になっていました。YDP-S51が目指したのは「鍵盤蓋を閉じた時のシンプルでモダンな家具の佇まい」と「鍵盤蓋を開けた時のピアノらしさ」という二つの面を表現することでした。
デザインを進める上で最も大事にしたことは、演奏者のための「上質な演奏空間」を実現することです。演奏空間とはピアノに向かった時にピアニストを取り巻く空間ですが、演奏をはじめた瞬間から音楽に集中できるように、様々な点に気を配り、自然なピアノらしさを目指しました。ピアノとして不必要な要素は可能な限り排除しながら、鍵盤蓋を開ける時の作法、開いた時に生まれる空間の形や寸法関係などをそのまま踏襲することで、たった30cmの奥行の中にアップライトピアノと同等な演奏空間を実現しています。
また、使われていない時の室内での佇まいにも気を配り、これまでにない割り切ったシンプルで直線的なデザインとしました。鍵盤蓋を閉じた時の他の家具との調和や控えめな存在感は、演奏以外の時間、日常性を優先した結果ですが、かえってそれが演奏する時の華やかさ、特別な感じを盛り上げてくれるコントラストを生み出します。
電子ピアノとしての合理性や利便性よりも、本来のピアノとしてのあり方を考える。それはアコースティックピアノと電子ピアノを区別することなく、トータルにピアノであると捉えるヤマハのピアノ作りの姿勢のあらわれでもあります。

  • 補足の画像1

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