Yamaha Design “Synapses”
APX/CPX series
2011 / ACOUSTIC ELECTRIC GUITAR
進化し続けるエレクトリック・アコースティックギターの代名詞
※右:「APX」の前身モデル「CW4E」(90年発売 カスタムオーダー品)
アジガデル味が出る / Appreciate
使い込んだことで刻まれた弾き癖、ライブで付いてしまった傷。弾き込むことで音が深まるように、使い込むことで愛着が増していきます。
モツヨロコビ持つ喜び / Pride
ライブを意識した本シリーズならではの、鮮やかで多彩、ステージで映えるフィニッシュ。透明なピックガードを使用し、色の美しさと、個性的な形状を引き立たせています。(CPXシリーズ)
ヒキゴコチ弾き心地 / Inspiring
エレキギターから持ちかえても違和感のない薄めの胴厚(APXシリーズ)と演奏性を高めるカッタウェイ。プリアンプの配置などにも細心の注意を払い、操作感を大事にしています。
ヒクスガタ弾く姿 / Dual-View
遠目にでもわかりやすいシェイプや鮮やかなカラーリングが、オーディエンスに向けて個性を強くアピール。ギターと一体となったプレイヤーの姿を際立たせます。
- Kazuhito Nakajima
- Designer
- Yamaha Design Laboratory
- Toshihide Suzuki
- Designer
- Yamaha Design Laboratory
- Yoshihiko Tanbara
- Designer
- Yamaha Guitar Design
四半世紀にわたってギタリストに愛される理由。
APXシリーズは1987年に発売され、いまやヤマハのエレクトリック・アコースティックギターの代名詞といえる存在です。楕円型のサウンドホール、カッタウェイを持つ独特のシルエットなど、特徴的なデザインは登場以来変わることなく貫かれていますが、その根本にあるのは「ギターのデザインとはどうあるべきか」という考え方です。
ギターには様々な種類がありますが、実はギターの音量と聴衆の規模が、ギターのデザインにも大きくかかわっています。たとえば音量が小さいクラシックギターは生音で演奏されるため、会場の広さはサロン程度。聴衆は比較的奏者の近くに座り、ヘッドの工芸的な装飾やサウンドホールの周りの緻密な象眼を、音と共に楽しむことができます。一方エレキギターは大音量で演奏され、大勢の観客は遠くからステージ上のプレイヤーを見ます。したがってエレキギターでは細部のディティールよりも、遠目でも分かるシェイプや色で個性を出すことが必要になってきます。
アコースティックギターとエレクトリック・アコースティックギターの関係もそれによく似ています。楽器の構造には大きな違いはありませんが、演奏される場、観客の数は対照的です。バンドの中で演奏したり、エレキギターの持ち替えで使われるエレクトリック・アコースティックギターのデザインは、むしろエレキに近いものであり、遠目でも分かる個性が必要なのです。
このギター音量とデザインの関係を見抜いたコンセプトが正鵠を射ていたからこそ、APXシリーズは四半世紀にわたって大きなモデルチェンジをすることなく、エレクトリック・アコースティックギターの代名詞的な存在として多くのギタリストに愛されて続けているのではないかと考えています。