Yamaha Design “Synapses”
DD-45
2010 / PORTABLE DIGITAL DRUMS
リアルなサウンドと演奏性を実現した、ラウンドシェイプのコンパクトなデジタルパーカッション。
ヒキゴコチ弾き心地 / Inspiring
スネアスタンドに設置可能な構造とすることで、レベルの高い演奏を目指すプレイヤーの「本気」に応えます。
カンケツ簡潔 / Minimal
音の波紋が美しく広がるような優美なパターンを描くパネル面の音孔と、卓越した演奏性を約束する異なる高さの打面。ほとんどの要素が円で構成されています。
ショウジキ正直 / Honest
ハイエンドなデジタルドラムのイメージと質感を、コンパクトな円形のフォルムへ凝縮。パネルレイアウトもドラムを継承し、リアルな演奏性を実現しています。
ツカイゴコチ使い心地 / Intuitive
打楽器をシンボライズする円の組み合わせによる構成は、抱えて素手で叩きたくなるような親しみやさ。操作パネルの位置も、自然に演奏できるよう配慮しました。
- Thomas Coulbeaut
- Designer
- Yamaha Design Laboratory
ヤマハのプロダクトはエレガントであるべき。
DDはデジタルパーカッションとして多くの方に愛されてきた定番のモデルです。今回新しいDDのデザインにあたり私が最初に考えたのは「トイではなく、楽器として見えるようにデザインする」ということでした。ゲームユーザーや若者のユーザー、そしてドラムへの憧れを持つユーザー層に対してDDを本物のドラムへ向かうための「架け橋」にしたいと思ったのです。デザイン構成としては、打楽器のアイコニックな形状である円をモチーフにし、スネアドラムのスタンドにセットできる形状にしました。打面のパッドのレイアウトもドラムを継承し、叩きやすいようにパッドの高さを変えるなどの工夫をすることで、通常のドラムと同じようなスタイルで演奏が行えます。
フロントパネルにはスピーカーが内蔵されていて音を出すための非常に細かい多数の音孔(サウンドホール)開けられています。音孔は本来、音が出るスピーカーの部分だけに必要なのですが、フロントパネルそのものを打面のメタファーにしているため、面の統一感をはかって全面に音孔を入れました。穴のパターンも単なる格子ではなく美しい波紋のように広がるパターンをオリジナルで起こしています。開発の当初はもっとシンプルなパターンで音孔も大きかったのですが、試作を重ねていくうちに、より洗練されたエレガントなものになっていきました。製造上は単純な格子のほうが簡単に作れるのですが、あえて緻密で美しいものにチャレンジしていきました。というのも、このDDはトイでもオーディオでもなく楽器であり、しかもヤマハのプロダクトである以上、その存在感はエレガントであるべきだと考えたからです。