「Shall we meet under the blue sky?」

AXIS178号 掲載

その乗り物に乗る人たちは、青空の下で思うままに集い、また離れ、流れゆく景色と頬を撫でる風を愉しむ。そのさまは海原を自由に駆け巡るヨットのよう。ときには音楽が流れ、また自らリズムを刻むこともできる。滑るような動きの爽快感に加え、演者としての高揚感は、この「乗る楽器」によって供与され、従来の車いすの概念を覆していく。

電動アシスト車椅子は、まるで背中をふわっと押されるような新たな体験を呼び起こす機器。この「&Y01」(アンディーゼロワン)は、電動アシスト車椅子をベースに、背に搭載した帆のような薄膜のスピーカーで動きながら音楽を鳴らすことができる。またホイール部の左右両面には薄型パーカッションが取り付けられた打楽器ともなっている。2015年、バリアフリーで誰もが愉しむことができるパフォーマンスに使用された。