「trajectory」

AXIS177号 掲載

指揮者は指先に魂を込め、その「軌跡」でオーケストラのすべてと対話し、また観衆の視線を一点に集める。一方、ライダーはモーターサイクルと一体となり、その躍動するライディングはヘッドライトのエモーショナルな「軌跡」を空に残す。パフォーマンスの「軌跡」には、発信する側の想いやパッションが込められ、またそれは観る者には残像として心に浸み込むものとなる。

2014年、ヤマハとヤマハ発動機は、「感動」をテーマに国際グラフィックコンペを行い、その最優秀作品として、4拍子の軌跡を多重になぞったシルエットが選ばれた。この作品は、音楽にもライディングにも通じるエモーショナルでダイナミックなリズム感を象徴し、感動を呼び起こす予感に満ちている。両社の理念には共通して「感動」が謳われており、つくり手・使い手、そしてその場に居合わせる人たち、関わる人すべてを感動でつなぐことを目指している。このマークはその意思を込め、現在もヤマハとヤマハ発動機の協業の場で使われている。