技術と感性を磨く実践の場

音や音楽に関わる研究開発では、新しい技術やアイデアを生み出すだけでなく、人がどのように感じ、どのような体験に価値を見いだすのかを理解することも重要です。ヤマハでは、技術と感性の両面から研究開発を深めるため、演奏や録音、ライブ体験などの利用シーンに触れながら、新しい技術やアイデアを検証・発展させる多様な環境を整えています。

実践的な検証を支える場

製品やサービスの価値は、実際に使われる環境の中でこそ見えてきます。演奏者はどのように感じるのか。観客にはどのように伝わるのか。配信によって体験はどのように変化するのか。実際の利用環境には、実験室だけでは捉えきれない要素が数多くあります。

こうした複雑な体験を理解するためには、実際の利用シーンに近い環境での検証が欠かせません。ヤマハでは、演奏や録音、配信などを行うための施設に加え、人が集まり新たな体験を生み出す機会も大切にしています。

セッションスタジオ

セッションスタジオは、ライブ演奏や音響・照明の検証などを行うための社内スタジオです。演奏空間に加え、音響・照明設備を備え、研究開発活動をはじめ幅広い用途で活用されています。市場投入前の楽器や音響機器、サービスの評価に加え、新たな音響技術の実証実験にも利用されており、実際の利用シーンに近い環境での検証を支えています。

レコーディングスタジオ

レコーディングスタジオには、プロフェッショナルな録音・制作の現場で使用される本格的な設備が備えられています。録音環境ならではの細かな音の確認や比較検証が可能で、録音や音づくりに関する研究開発を支えています。ライブ演奏を中心とするセッションスタジオとは異なり、録音を前提とした環境で、楽器や音響機器、ソフトウェアなどを評価・検証できることが特徴です。

実環境で見えてくること

実環境での検証は、技術や製品を評価するためだけのものではありません。実際の体験の中で新たな課題や可能性を発見し、利用者への理解を深める場にもなっています。こうした活動を通じて得られた気づきや知見は、製品やサービスの改善だけでなく、新たな研究テーマやアイデアの創出にもつながり、研究開発のスピード向上にも貢献しています。ヤマハはこれからも、実践的な環境づくりに取り組み、より良い音・音楽体験の実現を目指していきます。

社内ライブイベント『MIX JUICE NIGHT (MJN)』

MIX JUICE NIGHT (MJN)は、ヤマハグループの社員が主体となって運営する社内ライブイベントです。イベントでは、各種スタジオを活用しながら、出演者だけでなく、音響、照明、映像配信、運営の各役割も有志の社員が担っています。

演奏者、観客、スタッフそれぞれの立場からイベントに関わることで、ライブを多角的に捉える機会となるとともに、部門を超えた社員同士の交流が生まれています。さまざまな立場や専門性を持つ社員が協力してイベントを作り上げる中で、互いのノウハウを共有し、未経験者も現場で学びながら活動しています。こうした経験を通じて、音や音楽に関する知見が広がるだけでなく、部門を超えたつながりが生まれ、その後の協働や業務上の連携にも発展しています。

さらに、MJNは実際の音楽体験が生まれる場として、研究開発活動にとっても貴重な機会を提供しています。製品やサービスの評価、技術検証、データ取得などにも活用されており、研究者や開発者は演奏者、観客、運営スタッフそれぞれの視点から得た気づきを、新たな研究テーマや製品・サービスの改善に生かしています。こうした実践的な活動を通じて、技術と感性の両面から研究開発を推進しています。

MJNでのライブ演奏の様子
出演者・スタッフらの集合写真