日本感性工学会 優秀発表賞を受賞
日本感性工学会 優秀発表賞を受賞
研究開発統括部の下薗大樹が、第21回日本感性工学会春季大会で発表した「周波数特性の嗜好に関する多層心理モデル構築」において、優秀発表賞を受賞いたしました。この優秀発表賞は、予稿の書き方や研究の目的設定、発表の方法や質疑応答等が優れており、また今後の研究の進展に期待できる若手研究者に顕彰されます。本研究は、2021年度から開始している関西学院大学 長田研究室との共同研究の成果になります。
発表内容
・タイトル:周波数特性の嗜好に関する多層心理モデル構築
・著者:下薗大樹、塩澤安生(ヤマハ株式会社)、矢野悠真(関西学院大学)、中貴一(長崎県立大学)、山﨑陽一(愛知県立大学)、長田典子(関西学院大学)
・概要:導音楽再生におけるEQ(周波数特性)は聴取の満足度を左右する一方、同じEQでも「なぜ好まれるか」は聴取者の評価観点によって変わり得る。そこで本研究は、EQ嗜好の評価過程を「音響特徴量―印象―価値・感情」からなる多層心理モデルとして記述し、定性・定量の両面から構築した。評価グリッド法により好ましさ判断の評価構造を抽出し、得られた評価語をスクリーニングして評定語(価値・感情16語、印象27語)を確定した。評定実験データの因子分析から、印象は4因子(迫力/ゆったり/明瞭性/調和)、価値・感情は3因子(心地よい/圧倒される/明るくなる)で整理された。さらに音響特徴量を主成分化し、構造モデルにより「音響特徴量→印象→価値・感情」の経路を推定した結果、良好な適合と高い説明率が得られた。加えて、評価観点に基づきユーザーを感情/音/環境の3タイプに分類し、タイプにより価値形成の経路が異なる可能性を示した。
受賞コメント
この度は優秀発表賞という栄誉ある賞を賜り、誠にありがとうございます。 本研究では、弊社にとって重要な設計指標の一つであるEQ(周波数特性)を、感性の観点から捉え直しました。EQに対する心理構造は学術的に十分には明らかにされておらず、現場では多様な嗜好の存在は認識されているものの、具体的な設計指針へと落とし込むことに課題がありました。本研究の成果をさらに発展させることで、世界中のより多くの人々の感性に寄り添った製品設計へとつなげていきたいと考えております。
下薗 大樹(研究開発統括部 先進技術開発部 技術展開グループ)