ISMIR 2026に3論文採択

2026年11月に開催される国際会議 The 27th International Society for Music Information Retrieval Conference(ISMIR 2026)に、ヤマハ社員が関わる研究論文3件が採択されました。

ISMIRは、音楽情報検索・音楽情報処理分野における国際的な研究コミュニティであり、音楽の解析、生成、自動採譜、データセット構築など、音楽とテクノロジーに関する幅広い研究成果が発表される場です。当社は、音楽情報処理やAI、演奏動作計測などの研究を通じて、音・音楽をより深く理解し、一人ひとりの表現や楽しみ方に寄り添う新たな体験価値の創出を目指しています。ISMIR 2026での発表を通じ、世界の研究者・実務者との知見交流を進めるとともに、学術界との連携による研究の発展と新たな価値創造につなげてまいります。

太字の著者名はヤマハ社員です。

Learning Jazz Pianist Style with Cross-Attention Conditioning
(クロスアテンション・コンディショニングを用いたジャズピアニストの演奏スタイルの学習)

Andrew Edwards¹, 前澤陽, Simon Dixon¹ (¹ Queen Mary University of London)

ジャズピアニストそれぞれの固有の特徴を計算機に獲得させる研究です。事前学習済みモデルが演奏の特徴を高精度に識別できることを確認し、ピアニスト別の条件付け学習を通じ、ピアニストの個性の獲得について演奏生成にて評価しました。また、各ピアニストの特徴的な演奏部分を抽出し、個性を際立たせる音楽表現を特定する手法も提案しています。音楽表現の理解を深めるとともに、新たな創作支援への展開が期待されます。

Low-Latency Real-Time Automatic Music Transcription with Band-Split RNN and Temporal Lookahead
(バンド分割RNNと時間的先読みを用いた低遅延リアルタイム自動採譜)

日下湧太, 前澤陽

楽器演奏音をリアルタイムに採譜する技術において、精度と応答速度のトレードオフを改善する新たな手法を提案しました。独自のニューラルネットワーク設計により、ピアノやギター演奏の高精度な解析と低遅延処理を両立し、従来手法を上回る性能を実現しました。演奏支援システムや音楽制作ツールなど、インタラクティブな音楽体験を支える技術として期待されます。

SKY Piano: A Multimodal Piano Playing Dataset
(スカイピアノ:マルチモーダルなピアノ演奏データセット)

Joonhyung Bae², Daewon Park³, Taegyun Kwon², Yoon-Seok Choi³, Hyeon Hur³, 甲斐繁, 和田洋平, 小幡哲史, 高橋祐, 前澤陽, Jaebum Park³, Jonghwa Park³
(² Korea Advanced Institute of Science and Technology, ³ Seoul National University)

楽音声やMIDIに加え、演奏時の身体動作や多視点映像を統合した大規模なマルチモーダル・ピアノ演奏データセットを紹介します。演奏技術や熟練度の違いを含むデータと、指使い推定ツールなどを併せて提供することで、演奏解析や動作生成、人と音楽の関わりの研究を促進します。音楽情報処理や演奏支援技術の研究基盤として、学術界での活用や新たな共同研究に繋げることを目指しています。