Yamaha Design “Synapses”
Trova™
2026 / CASUAL WIND INSTRUMENTS
モツヨロコビ持つ喜び / Pride
質感・形・色・音・持ち方、そのすべてを、子どもが楽器に触れた喜びにつながるデザインに。Trova™によって、楽器への新しい入り口が生まれます。
アタラシイ新しい / Revolutionary
思わず手に取りたくなる、小さな手になじむフォルム。トランペットと同じ音を出せるように分岐管をパイプと平行に配置し、輪っか状の指かけを設けることで、ケガを防ぎつつ分岐管をふさがない持ち方を促しています。
カンケツ簡潔 / Minimal
ベル形状とパイプの巻き方を長さや幅、分岐管位置の調整でトランペットと同じ印象になるようにデザイン。トランペットらしい美しさと佇まいを細部にも宿す、堂々とした姿を表しました。
シアゲ仕上げ / Well-Made
アルマイト加工を施したアルミパイプの艶と、樹脂部品の艶とをバランス良く組み合わせています。パイプからベルへと流れる光と影のラインは、音が勢いよく放たれる光景を連想させます。
- Toshihide Suzuki
- Designer
- Yamaha Design Laboratory
はじめてトランペットを吹く喜び、をデザインする。
子どもが演奏できる、軽くて小さいトランペットとはどのようなものか。それを追い求めてTrova™は生まれました。単に小型化するのではなく、最適なベルの広がり方やパイプの巻き具合を導き出し、トランペットと同じ形状のマウスピースを採用するなど様々な工夫を施しました。本来の楽器が持つ要素や美しさを子どもに合わせて再構成することで、トランペットらしいプロポーションと小さな手でも持ちやすいかたちを両立させました。
金管楽器はだんだん管が広がる構造をしています。Trova™では子どもが始めやすい大きさと頑丈さを実現するため、円筒管と2本の分岐管でこれを再現しました。開発当初から、パイプの全長は決まっていましたが、その曲げ方には無数の可能性がありました。そのため、この製品ではパラメトリックデザイン手法を用いて、数々の検証を重ねました。分岐管は、ケガの心配がないよう、そして先端の穴を指で塞いでしまうことがないようにパイプと平行に配置しています。シンプルなデザインの中に緻密な設計と工夫が詰まっているのです。
Trova™は、1本のパイプを曲げているように見えますが、実際には複数のパイプを樹脂パーツで精度よく連結させています。アルミ素材のパイプにはアルマイト加工を施し、金属の光沢や質感が漂う、塗装とは異なるニュアンスのあるブルーに。接合部となっているピュアホワイトの樹脂は、パイプや分岐管を機能的につなぐ役割を果たすと同時に、青と白のコントラストを際立たせています。樹脂は成形時にアラが出やすい素材ですが、ヤマハが培ってきた楽器の樹脂成形技術を生かし、個々の部品としても全体としても美しく仕上がるようにデザインしました。
幼い頃の関心や体験は、その後の感性に多大な影響を与えます。身近なところに、本物の楽器への入り口があってほしい。手に取り、まずは音を出す喜びを味わってほしい。その想いが、Trova™のあるべきかたちを導いてくれました。