Design Insights YAS-105

2015 / FRONT VIRTUAL SURROUND SYSTEMS


スリムでシンプルなサウンドバー。

前面の角Rだけでなく、角を感じさせないサイズのRを稜線にそってボディ後方へ回しこむことで、ダイナミックかつ量感を感じる造形に仕上げました。
視聴の妨げになる要素は排し、良質な音を感じさせる豊かさを持たせています。

シルエットを一つの塊に見せながら機能別に素材で分割しています。
特に機能表示と操作子を集約した上面のパーツは最少面積にすることで、
逆にサランネットに覆われた音を放射する部位をたっぷりとした造形で明快なコントラストをあたえています。

両側面にあるバスレフポートは、音を出すアッパーボディと下から支えるロアボディ の間に位置し機能の分割を象徴的に表すだけでなく、
ソリッドなボディで凝縮された内圧を放出する中心のキーアクセントとして特徴的なシルエットを構成しています。

小さく薄く見せながら技術の優位性をグローバルに展開していくデザインとは異なり、マーケットでの価値観を理解した上で、
求められる将来のサウンドバーの姿を“室内空間でどう存在すれば良いか”を起点として、技術をバランス良く調和させるよう考え、
その結果、立体的かつ量感を感じるデザインを新たなスタンダードとしてつくり上げました。

Yoshihisa Sugiura
Yoshihisa Sugiura
Designer
Yamaha Design Laboratory

アメリカの市場を研究して生まれた、ユーザーのためのデザイン。

ワンバー型フロントサラウンドシステムYAS-105は、世界で最も重要なマーケットである北米市場に向けて、アメリカでデザインを行った初めての製品です。日本のデザインチームの枠を超え、まず現地に赴き市場の傾向や要請をユーザーの立場からリサーチし、将来へ向けた次世代のワンバー型サラウンドシステム像はどうあるべきか、科学的検証も行い考察していきました。

その結果導き出したのは、薄く見せたり技術を前面に出したり,繊細で線的なヨーロッパ的なデザインはアメリカ市場では存在感が薄く、逆に立体的で量感を感じる面的なアメリカンなデザインは事実、欧州市場でも存在感があり、受け入れられていることでした。そうした背景から、今回のYAS-105は質量を感じさせながら且つダイナミックで存在感のある造形とし、テレビ視聴の邪魔をしない洗練されたデザインであるべきだと考えました。

薄いボディにサブウーファーをはじめとするスピーカー群を整理して収め、サイド断面では角を丸く取った穏やかでたっぷりとしたグリル形状でバスレフポートを挟み込む、そこを起点とし、机の上に置いても壁掛けでもエッジが立たない立体感のあるデザインが生まれました。グリルはファブリックを大胆に巻き込み、部屋を暗くした時には心地よい陰影を生み出し存在感をさりげなくアピールしています。ファブリックの風合いには出来る限りこだわりました。

アメリカにおいてオーディオ製品は長く使う耐久材という見方をする事が多いのですが、YAS-105はゆったりとした質量感のあるキャラクターにユーザーが本物を感じ、長く愛される製品であってほしいと思います。

  • 補足の写真1
  • 補足の写真2