Design Insights
HEXRACK
2008 / DRUM RACK
六角断面のステンレスパイプと新開発クランプ群により、
あらゆるセッティングに対応するドラムラックシステム。
「ヘキサ=六角形」断面を採用したパイプは、プロの信頼に耐えうる強靱さを持ちながら、
曲線パイプとの組み合わせにより、フレキシブルなセットアップを可能にしました。
ドラムのハードウェアに要求される「頑強さ」を素材と形状で表現。
クランプが回転せずにしっかりと固定される、六角断面の機能性とオリジナリティを両立したパイプの構造。
パイプ、クランプ、ロッドなど膨大な種類のパーツを1つの造形言語で統一。
可動部の滑らかさ、ネジのトルク感など、触感から伝わる上質さも追求。
快適なドラミングを支える、緻密で自由度の高い組立性はラックシステムならでは。
堅牢で自在なセッティングがドラミングの可能性を拡げます。
- Kazuhito Nakajima
- Designer
- Yamaha Design Laboratory
楽器の外骨格を作るということ。
ドラムは、ピアノのように発音構造がケースに収められているのではなく、皮とシェルが金属のフレームで支えられている、スケルトンそのものと言える楽器。全く嘘がつけない楽器だと思います。そのハードウェアを作るということは、いわば楽器の外骨格をつくること。ヒトの骨1つ1つが機能に合わせた最適な形状でありながら、組み合わさったときにヒトという美しいフォルムを構成しているように、ヘックスラックも1つ1つのパーツの形状を機能に合わせて最適化すると同時に、ドラムセットとして組み上げられたときに、ヤマハらしいね、と言われるような、上質さと美しさを醸し出すようにデザインしました。
ハードウェアは手で触れてセットアップするパーツですから、設計は3Dソフトでシュミレーションするだけでなく、自分自身が工房に行き、発泡フォームを削って実物大のモデルを削り出して実際に手の中で形状を1つ1つ確認しながら、答えを紡ぎ出していきました。
ヤマハデザイン研究所にはデザイナーが自ら手を動かしてモデリングするという良き伝統があります。実際に手に触れるものは、手で作る。楽器とは、デザイナーの手の感触とプレイヤーの手の感触とのシンクロから生まれるものかもしれません。