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Marisa Lacorte

ピアニスト、ピアノ指導者

Marisa Lacorteさんに、これまでのキャリアと、音楽や教育についてのお考えを伺いました。

ご自身についてのご紹介と、音楽に関するこれまでの経歴をお聞かせください。

私は、全く直感的な方法で音楽の世界に足を踏み入れました。両親は私を9歳で学校に入れましたが、その時私はこの世界の偉大さについて全く知りませんでした。

私の最初の記憶は、非常にシンプルな曲の音の解釈に関するもので、先生は「遠くから来たバンドが私の窓の前を通り過ぎて去っていく物語」と表現していました。私は、その描写にふさわしいと思えるものを理解できるまで、この物語を徹底的に探究しました。

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音楽や教育とご自身との関係を言い表すとしたら、どのようになりますか?

私は、楽器のスキル、聴覚能力、コミュニケーション能力といった断片的な評価で人の音楽性を測ってはいけないと考えています。「音楽を作る」ということは、音楽のスキルをはるかに超越した意味を持つことができるのです。本当に音楽を作るということは、あらゆるスキルを存在の全体性へと統合し、超越することです。音楽を作ることは、世界の中で、世界と調和する可能性に関係しているといえるかもしれません。質の高い音楽を演奏し、聴くことは、いつも立っている場所から私を連れ出してくれる体験です。

音楽と教育は間違いなく結びついています。たとえばピアノのレッスンでもそうです。これは私の場合ですが、ピアノのレッスンをすることは同時にポルトガル語の文章や言葉の間違いを正し、評価することでもあります。私たちは現代社会が抱える問題に関するクリティカル・マスの発展に貢献しているのです。それは、カトラリーの上手な使い方を示すことであり、生徒の問題に耳を傾けることであり、そして最終的には、その人をありのまま包み込む職人技なのです。

私は、限界は促進することができ、能力は抑制できるということを学びました。そして常々、このことを生徒たちに考えてもらっています。私たちの能力には危険が潜んでいます。私たちが普段、誰かにとっての「優しさ」だと思っているものが、他の人にとってはその逆であることもあるのです。この経験により、才能とは「やりたい!」という意思なのだと考えるようになりました。 そのため、私は数多くのコンテストに参加しましたし、この特別な経験に向けて生徒たちに準備させることが好きなのです。

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音楽の分野で女性や少女を後押しするためには、どのような変化が必要だとお考えですか?

女性は生来、パワフルな存在です。対比はそれ自体と同じである、ということを誰もが認識するには、存在や所有の概念がなくなるほど、人格を大いに発展させなければなりません。

ここに、哲学者であり、歴史家であり、1990年にノーベル賞を受賞したOctavio Pazの言葉を引用します。
「進歩は、技術の驚異と怪物を歴史に刻み込んだが、人々の生活を犠牲にした。彼は、より多くのものを与えたが、存在は与えなかった」

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次世代の若者たちへメッセージ

「感性と創造性を刺激することだけが、未来の人間を機械への従属から守るのです」
Marisa Lacorte(1985年)

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