0.1秒の低遅延転送で双方向ライブビューイングを実現
―NTT Comとヤマハが共同開発、「GPAP over MoQ」記者発表会を開催

ヤマハ株式会社(以下、ヤマハ)は、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)と共同開発した「GPAP over MoQ」(ジーパップオーバーエムオーキュー)の記者発表を5月28日にヤマハ銀座店で行いました。この技術は、高臨場・低遅延でライブ会場とサテライト会場の双方向コミュニケーションを可能にするもので、発表では、集まった報道関係者がライブビューイングの実証実験も体験しました。

[メインビジュアル] 0.1秒の低遅延転送で双方向ライブビューイングを実現―NTT Comとヤマハが共同開発、「GPAP over MoQ」記者発表会を開催

最短0.1秒の低遅延でデータを転送

「GPAP(General Purpose Audio Protocol)」は、ヤマハが2024年2月に世界初の技術として発表した、音響・映像・照明など、それぞれフォーマットの異なるデータをオーディオフォーマット(WAV)に統一化して記録・再生ができる技術です。

[画像] 異なるフォーマットのデータをWAV形式に一括変換するGPAPの特長イメージ図

そしてこの度、最新低遅延メディア転送技術「MoQ(Media over QUIC)」を掛け合わせた「GPAP over MoQ」をNTT Comと開発、発表しました。「GPAP over MoQ」の最大の特長は、「低遅延性と高い臨場感」。従来の配信技術では約3秒の遅延が発生していましたが、「MoQ」上で配信することで、最短0.1秒程度の遅延に抑えることが可能になりました。

これにより、ライブのメイン会場から音声、映像、照明データを低遅延で転送し、臨場感あふれるライブビューイングが可能になりました。さらに、通常のインターネット回線を利用できるため、小規模・低コストでのライブビューイングや、被災地でのライブなど多様な環境での活用も可能です。

[写真] 「GPAP over MoQ」技術的特長のイメージ図
「GPAP over MoQ」技術的特長のイメージ図

遠隔会場とのコール&レスポンスも実現

[写真] ライブ演奏の様子。奥はサテライト会場の様子がリアルタイムで映し出されたパネル型スクリーン
ライブ演奏の様子。奥はサテライト会場の様子がリアルタイムで映し出されたパネル型スクリーン
[写真] 低遅延で転送された音声・映像・照明でライブを楽しむサテライト会場の様子
低遅延で転送された音声・映像・照明でライブを楽しむサテライト会場の様子

実証実験では、メイン会場であるヤマハ銀座スタジオ(B2F)と、サテライト会場のヤマハ銀座コンサートサロン(6F)を結び、アーティスト小林佳さんによるライブ演奏が行われました。メイン会場から、音声・映像・照明の「GPAP」データを、「MoQ」上でサテライト会場へ送信。また、サテライト会場の音声と映像も、同じ経路でメイン会場へ送られました。小林さんと観客によるコール&レスポンスも行われ、会場間での双方向のコミュニケーションが実証されました。

デモンストレーションを体験した記者からは、「サテライト会場にいても、音響・映像・照明が遅延なく同期されていて臨場感がありました。メイン会場では、サテライト会場にいる観客の拍手や歓声が聞こえてライブとしての一体感を強く感じました」との声が寄せられました。

開発者が語る「GPAP over MoQ」の可能性

「私は元々音響系のエンジニアを目指していたので、ヤマハへの親近感を持っていました。今回の協業を通して、ヤマハの皆さんの音楽への情熱を実感しました。私は東北地方の出身で、子どもの頃はライブに触れる機会があまりありませんでした。都会と地方では、音楽に接する機会に大きな差があると感じています。「GPAP over MoQ」を活用すれば、ライブ会場と地方のサテライト会場をつなぎ、こうした格差を解消することができるのではないかと期待しています」(NTT Com 小松健作氏)

「Real Sound ViewingやDistance Viewingを発表した際、アーティストやプロダクションの方々から、リアルタイムかつ双方向のライブコミュニケーションに対する強い要望が寄せられました。今回、それを実現できたことを大変うれしく思います。「GPAP over MoQ」には大きな可能性があると考えています。例えば、小さなジャズのライブハウスで演奏されている音楽が、世界中のライブハウスやジャズバーにリアルタイムで配信され、観客の拍手がその場に届く―そんな未来が実現できるのではないかと思います」(ヤマハ 柘植秀幸)

[写真] (左から)NTT Com 小松健作氏、ヤマハ 柘植秀幸
(左から)NTT Com 小松健作氏、ヤマハ 柘植秀幸

ヤマハは、今後も拡大が見込めるライブ、コンサート市場に付加価値を創出するとともに、今後の事業展開を見据え、さまざまな領域でのニーズの開拓と新たな価値創造に取り組んでまいります。

記者発表の様子

本記者発表の様子はヤマハ株式会社の公式YouTubeチャンネルでご視聴いただけます。

  • 本内容における所属および肩書き、ならびに社名は、すべて2025年5月28日の記者発表会時点の情報です。