技術・サービス

専用機不要で設置でき、専用アプリ不要で係員につながる

SoundUDの新クラウドサービス「スマホでインターホン」を開発

ヤマハ株式会社は、言語や聴力への不安がない音のユニバーサルデザイン化社会の実現を目指す「SoundUD」の取り組みの一環として、スマートフォンで利用できる業務用インターホンサービス「スマホでインターホン」を開発しました。また、7月6日(水)に京都鉄道博物館で開催された「SoundUD展示会in京都」で先行体験会を実施しました。

従来のインターホン専用機は、日本語がわからない外国人や、音を聴き取りづらい高齢者や障がい者の方の利用は困難で、機器への接触を伴う点もウィズコロナ時代には課題でした。また、専用機は設置時の工事や電源確保、機器の保守も必要なため、利用者の少ない施設にまで完備することは難しいという側面もあります。さらに、少子高齢化や過疎化などによる働き手の減少や、テレワーク推進による働き方の多様化などで、施設の無人化や省人化が進んでおり、インターホン設置のニーズは高まっています。

そこで当社は、専用機がなくてもスマートフォンで利用でき、どこに行っても同じUI/UXで係員と対話できるインターホンサービスを開発しました。本サービスは、音声での対話だけでなく、キーボード入力による文字でのやり取りや自動翻訳機能で多言語化にも対応するなど、ユニバーサルデザインに配慮しており、外国人や聴覚障がい者の方も利用できます。また、電源不要のSoundUDトリガーボードを貼るだけで導入できるため、大掛かりな工事も必要なく、導入や運用コストを大幅に削減することができます。

さらに、手軽に設置できることで、さまざまな用途に活用できます。例えば、ホームセンターや家電量販店では、売り場ごとにトリガーボードを設置すれば、遠隔の専門スタッフにより複数店舗の一括応対も可能になります。他にも、無人店舗や無人カウンターからの問い合わせ対応、自治体の支所や出張所の遠隔応対など、業界を問わず活用できます。

当社はこれからも、多様なユーザーに対応するユニバーサルデザインに配慮したサービスの提供を通して、「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献してまいります。

「スマホでインターホン」サービス概要

サービスへのアクセス方法

「SoundUDトリガーボード」にスマートフォンをかざすと、専用アプリがなくても係員に接続され、対話ができます。利用者自身のスマホを使用するため、非接触でウィズコロナの時代にも安心です。

なお、トリガーボードの位置がわからない視覚障がい者の方は、案内音声付近で「おもてなしガイド」アプリを立ち上げると、サービスに自動で接続することもできます。

[ 画像 ] SoundUDトリガーボード
SoundUDトリガーボード
[ 画像 ] 係員への接続イメージ
係員への接続イメージ

キーボード入力機能/自動翻訳機能

音声による対話だけでなく、キーボード入力による文字でのやり取りも可能で、騒音の大きい環境下や、音の聞こえづらい高齢者や聴覚障がい者の方も利用できます。自動翻訳機能による多言語化にも対応し、外国人も利用できます。さらに、係員からはメッセージだけでなく任意のURLの送信も可能で、利用者はウェブ上の構内マップや施設の情報などに簡単にアクセスできます。

[ 画像 ] キーボード入力機能/自動翻訳機能の利用イメージ
キーボード入力機能/自動翻訳機能の利用イメージ

ボット機能/映像共有機能

独自開発のボット機能を使えば、利用者は係員の応対を待たずとも、問い合わせ内容を選んで回答を得ることができます。ボットによる一次対応が可能なため、係員への問い合わせ件数の削減など、応対業務の省力化にもつながります。また、周囲の状況を利用者のスマホのカメラで映して係員に共有できる機能も搭載し、より円滑な応対が可能になります。係員の受信機は一般的なタブレットで利用できるため、各施設や、本部集約、在宅ワークなどあらゆる場所で柔軟に応対できます。

[ 画像 ] ボット機能/映像共有機能のイメージ
ボット機能/映像共有機能のイメージ
[ 画像 ] 係員アプリのイメージ
係員アプリのイメージ

「SoundUD展示会in京都」でのコメント(抜粋)

京都府知事 西脇 隆俊 様によるコメント(来賓参加)

「音と文字で案内できる多言語アナウンス」や「スマホで利用できるインターホン」などは、観光分野での活用だけでなく、誰もが暮らしやすいユニバーサル社会を支えるインフラになり得るのではと感じました。この技術が広く普及することを期待しています。

SoundUD推進コンソーシアム事務局長 瀬戸 優樹によるコメント

音の聞き取りづらい高齢者や障がい者、日本語のわからない外国人の方々向けのソリューションとして、これまで「多言語アナウンスシステム」を展開してきましたが、今回の「スマホでインターホン」は同じコンセプトを踏襲し、同じ技術を応用している事から施設利用者はもちろん、施設の方々の利便性も高まるものと確信しております。

[ 画像 ] (右)西脇知事/(左)瀬戸事務局長
(右)西脇知事/(左)瀬戸事務局長

「SoundUD展示会in京都」について

開催日 2022年7月6日(水)
場所 京都鉄道博物館(京都市下京区観喜寺町)
主催 SoundUD 推進コンソーシアム(事務局:ヤマハ株式会社)
展示内容 音と文字で案内できる多言語アナウンスサービス、スマートフォンで利用できるインターホンサービス、空きスペースを活用できる無人コンビニソリューション 他

「SoundUD」について

ヤマハが開発し提唱する「SoundUD」(Sound Universal Design)は、SoundUD推進コンソーシアムにて350社団体と共通企画化をしている「音のユニバーサルデザイン化」を実現するテクノロジーの総称です。音響通信、Bluetooth®、GPSなどの複数のテクノロジーを併用した「SoundUDトリガー」や、今回新たに開発した「SoundUDトリガーボード」を中核技術に、音声や空間と連動した情報提供を可能にします。

利用者は専用アプリがなくても「SoundUDトリガーボード」にスマホをかざせば、SoundUD関連サービスの情報を享受できます。さらに、「おもてなしガイド」アプリを使えば、「SoundUDトリガー」と連携し、案内音声と連動したインターホンの自動接続機能や、ネット接続不要でのアナウンス文字表示機能など、より多様なシーンに対応できるようになります。

  • (注)アプリ「おもてなしガイド」
    音のユニバーサルデザインを支えるためにヤマハが開発した無料アプリです。
  • 文中の商品名、社名等は当社や各社の商標または登録商標です。
  • 画面イメージ等は開発中のものです。
  • このニュースリリースに掲載されている製品情報や問い合わせ先などは、発表日現在の情報です。
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