ヤマハのDX戦略

[画像] 取締役 代表執行役社長 山浦 敦

はじめに

ヤマハ株式会社は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて、企業の成長と世界中の人々のこころ豊かな暮らしの実現を目指しています。そのため、最新のデジタル技術を活用し、業務プロセスの効率化、顧客体験の向上、そして新たなビジネスモデルの創出を推進しています。本ページでは、ヤマハのDX戦略とその成果、これからの取組みについてご紹介します。

取締役 代表執行役社長 山浦 敦

DX戦略の基本的な考え方

ヤマハのDX戦略の目的は、ビジネスと業務を顧客起点に変革すること “Transformation by Digital”です。DXの推進のため、全社の業務を5つの業務領域(顧客接点、企画・開発・研究、製造、供給、会計・人事・その他間接業務)に分け、各領域に対し3つの視点(データ、システム、業務プロセス)で整理を行い、方針・ルールを明確化し、グループ全体での業務変革を推進しています。2019年4月より、社長の諮問機関である全社委員会の一つとして「DX戦略委員会」を設置し、全社のDX方針やIT戦略などを審議しています。

[画像] DX戦略の基本的な考え方

これまでの取り組み

上記の基本的な考え方に基づいたこれまでの取り組みによって、社内でシステムの整備やデータの蓄積が進んできました。これまで各地域で個別に導入・運用されていたERPシステムを刷新することで全社共通のシステムへ統一を進めており、また生産領域においては生産プロセスと工場システムの「最適化、標準化、効率化、高付加価値化」に取り組んでいます。
データ活用の分野では、マスターデータマネジメント(MDM)基盤の構築が進み、情報の可視化と分析業務の効率化が進んでいます。さらに、BIツールの稼働により、さまざまな領域でのデータ分析支援に取り組んでいます。また、グローバルに統一された会員IDである「Yamaha Music ID」の会員数は累計700万人を突破し、データ活用によりお客さまをより深く理解できるようになってきたことで、お客さまの好みに合わせたメールマガジン配信やご登録製品にあわせた会員サービスをご提供できるようになりました。このようにあらゆる商品やサービスカテゴリーにおいて改善を続けています。

[画像] IDひとつで楽しさつながる YAMAHA MUSIC ID

これからの取り組み

ヤマハはこれからも、お客さまとヤマハをEnd-to-Endでつなげるプロセス変革を先進デジタルテクノロジーで実現してまいります。この方針に基づき、以下の3つを柱として施策を展開します。

1. 顧客接点の深化

モノから体験へと続くパーソナライズされた顧客価値を提供します。そのためお客さまの声に基づく製品・サービス開発、SCM(サプライチェーンマネジメント)の強靭化を図ります。

  • パーソナライズされた顧客体験の提供:お客さまの楽器演奏のスキルや嗜好に応じて、モノから続く体験を、リアルとデジタルが融合された顧客価値として提供します。その実現のため、タイムリーなデータ解析を行う基盤を構築します。
    音楽生活を豊かにするアプリケーションやサービスを提供する「ヤマハミュージックコネクト」では、練習・上達をサポートするラーニング、より楽しく自由に表現してもらうクリエイティブ、そして、人と人とのつながりを音楽を介して作るコミュニティの3つの価値を提供していきます。
  • お客さまの声に基づく製品・サービス開発:当社ではグローバルでの顧客満足度調査を実施し、顧客ロイヤルティ向上施策の実効性を計測しています。今後はAI技術も導入してお客さまの声や行動データを積極的に活用し、高付加価値な製品とパーソナライズされたサービスのタイムリーなリリースを実現します。

2. 事業スピードの向上

社内各部門の業務プロセスを横断する基幹システムを刷新し、データ基盤を強化することにより、業務をデータドリブン、リアルタイムなものに高度化、あるいは自動化します。

  • 基幹システムの刷新:生産、販売、コーポレート領域の基幹システムを刷新し、MDM基盤や経営ダッシュボードを構築することにより、社内データの連携を推進します。
  • データドリブン経営:経営ダッシュボードによる情報の可視化により、リアルタイム経営を実現します。また、バックオフィス業務のプロセスをITにより変革し、付加価値を生む業務にあたる余力の創出を狙います。
  • SCMの強靭化:工場・販売子会社のシステムを刷新し、生産と販売の連携を強化することで在庫の管理を効率化し、お客さまが必要とする商品をタイムリーに提供してまいります。

3. 高付加価値人材へのシフト

バリューチェーンを横断するプロセス変革の風土の醸成と、それを担うDX変革人材の増強を推進します。

  • DX変革人材の育成:データによる意思決定と顧客視点での業務プロセスの変革を担う人材の増員と育成を強化しています。育成においては職種別にDX人材像を明確化し、それぞれに必要な専門性を体系的に強化する仕組みを構築しています。近年話題となっている生成AI活用などの教育も取り入れており、即戦力となるデータアナリストの育成を目指します。
  • プロセス変革の風土醸成:製品開発からお客さまの手に届くまでのすべての業務プロセスを、従業員一人ひとりが変革のマインドで取り組み、全社に変革の風土を醸成するための人事施策を実行します。
[画像] DX戦略、これからの取り組み:事業成長の追求、強固な事業基盤の再構築、ともに働く仲間の活力最大化

おわりに

ヤマハ株式会社は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて、先進デジタルテクノロジーを活用し、End-to-End、製品開発からお客さまの手に届くまでのすべての業務とビジネスを顧客視点に変革し、お客様の音・音楽体験をより豊かなものにしてまいります。ヤマハのDX戦略にご期待ください。

[Image] Digital Transformation Certification

2023年(4月)、経済産業省の定めるDX認定制度において、当社は「DX認定取得事業者」としての更新認定を受けました。この制度は、DXを推進する準備が整っている事業者を認定するもので、当社の徹底したセキュリティ対策や顧客情報基盤の構築が評価され、2021年4月より認定されています。