2025年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答

Q1:減損の背景と、それによる償却費の減少について教えてください。また今後もさらに構造改革費用が発生する可能性はあるのでしょうか?

中国市場の景気停滞と構造的変化により、ピアノの需要低迷が想定以上に継続しており、足元の販売のみならず先行きも一層厳しいと判断しました。そのため中国ピアノ工場の4ヶ月間の稼働休止を決定し、前工程のピアノパーツを製造するインドネシア工場についても稼働休止を予定しており、今回の決算手続きの中でピアノ生産設備等のうち、今後の使用が見込めないもの、および投資回収が困難と考えられるものについて減損実施に至りました。減損に伴う償却費の減少は、今期約 6億円、来期はその倍です。今後のさらなる構造改革の要否については慎重に判断してまいりますが、現時点で具体的な予定はありません。

Q2:中国のアコースティックピアノ関連資産は何か残っているのでしょうか?在庫の評価減リスクはありますか?

中国ピアノ工場の機械・装置、設備の全てを今回の減損対象としました。土地、建物は売却価値があることから減損の対象とはしていません。アコースティックピアノは非常に息の長い商品で陳腐化しにくく、エレクトロニクス系の商品に比べて在庫評価減のリスクは小さいです。

Q3:中国のアコースティックピアノ市場の現状と今後の対応について教えてください。

需要がコロナ前から 4 分の 1程度にまで縮小し、競合他社含めたディーラーの店舗閉鎖が散見され、市場が混乱していることから、当面回復は望めないとみて今後の見通しを一段厳しく見直しました。高止まりしている市中在庫を2 年半ほどかけて適正な水準に戻していく想定で、生産を一時休止するなど、実需に対して供給を抑えるよう調整します。来期も生産は低水準になると予想されますが、将来の需要予測に基づいた新しい事業プランを立て、生産を平準化させていくことが肝要と考えています。

Q4:中国政府の景気刺激策について、楽器市場に対する影響をどうみていますか?

ピアノ市場には双減政策等の影響の方が大きく、プラス効果はあまりないとみています。一方、ある程度の経済的余裕が出てくれば楽器にも消費が回ってくるので、ピアノ以外では少し遅れて効果が出てくると思います。また、音響機器では政府系の入札等で一定のビジネスがあり、車載オーディオでもEV分野の刺激策がどう影響してくるのか、高い関心を持って見ているところです。

Q5:電子楽器の販売状況について教えてください。

デジタルピアノの市場在庫は欧米を中心に想定通り改善してきており、第 1 四半期にやや出遅れた欧州でも大手ディーラーによる商戦期向けの仕入れが回復しています。競争の激しいエントリーモデルでは価格対策を講じ、順調に成果が出ています。また今期導入した中高級シリーズのクラビノーバも評価が高く、商戦期に向け準備が進んでおり、シェアも回復してきています。

Q6:管弦打楽器の売上に関して、米国における財政支援終了の影響をどうみていますか?

米政府の財政支援(ESSER)は9 月末で終了し、需要は軟化傾向ですが、想定通りの動きです。ESSERによって吹奏楽活動全体の活性化が図られていて、中高級品の受注残もあり、販売減はなだらかで当初予想通りの売上に落ち着くとみています。

Q7:ギターはどの国が伸びていて、今後はどこに売っていくのかなど、販売戦略を教えてください。

アニメ「ぼっちざろっく」の影響もあり、日本や中国でエレキギターのニーズが伸び、当社売り上げも成長しています。市場規模ではアメリカが本丸になりますが、中高級品の開発に力を入れており、ブランド力を上げることでグローバルに販売を伸ばしていきます。

Q8:個人向けの音響機器は厳しい状況ですが、今後、この事業をどうしていくのか、考え方を教えてください。

ステイホーム解消後、ホームオーディオ(HA)の市場が低調で苦戦が続いていますが、個人向けの事業は構造改革を続けており、赤字幅は着実に減っています。HAは、音質にこだわって能動的に音楽を聴く顧客層にターゲットを絞り、収益性の高い中高級品に厳選していくことで事業の黒字化を図ります。

Q9:このところ伸びている車載向けオーディオについて、最近の状況を教えてください。

車載オーディオは中国メーカーのEV車で採用が増え、電子デバイス事業の成長を牽引しています。中国から展開を始め、最近では日本でも搭載車が広がっています。B to B 事業のため、顧客企業の戦略に沿うことが重要で、今後も受注増を図っていきたいと考えています。

Q10:来期以降の利益回復、また今後の成長イメージとしてどの分野に期待されているのか、山浦社長のお考えを教えてください。

今期、需要と製造キャパシティのミスマッチが利益に大きな影響を及ぼしていますが、構造改革によりミスマッチを正すことで利益を回復させます。成長分野は、楽器においては市場規模が大きく伸びしろのあるギターでコロナ前の2桁成長軌道に再び乗せていくこと、またデジタルピアノ中心にシェア奪還と再成長により、アコースティックピアノ低迷を挽回していくことが重要だと考えています。音響機器ではITインストーラーなど新たな販路を確立することで法人向け事業をもう一段伸ばし、部品・装置では車載オーディオをさらに伸ばしていくというのが今後の成長イメージです。さらに、少し時間はかかりますが、ソフトやサービス事業にも注力しており、ヤマハミュージックコネクトが新しい成長の芽になることを期待しています。

Q11:棚卸資産の期末予想が、前回の 1,450億円 から1,400億円に減っていますが、適正在庫の水準をどうみていて、今後どのようにコントロールしていくのか教えてください。

今回の予想値は為替の要素もありますが、楽器の在庫をさらに絞っています。コロナ前の棚卸資産が約 1,000億円程度で、そこから為替で約300億円持ち上がっており、同水準に戻すには、あと100億円ほど引き下げていくことになります。これを一つのベンチマークとして、商品ごとの需要変化と生産キャパとのバランスを取りながら余剰感のない水準を目指していきます。