ピアノや弦打楽器、木管楽器をはじめ、電子楽器やスピーカー、防音室などにも木材が多く使われています。木材にはそれぞれ異なる音響特性があり、それによって生み出される独特な音色や響きは、ヤマハ製品の魅力の源泉ともいえます。木材特有の割れや節などの欠点が少なく外観や加工性に優れた木材、音響特性に優れた木材は楽器に好んで使われます。こういった木材は楽器づくりに適した「楽器適材」であり、用途に適したさまざまな樹種を選択します。その中には希少木材と呼ばれる、資源量の少ない品種が選ばれることも少なくありません。
近年、資源量の減少や品質の低下からこれらの木材資源の持続性が懸念されており、「森をつくる」「森を守る」といった発想から一歩踏み込んだ、経済的発展性のある取り組みが不可欠となっています。
そこで、ヤマハは楽器適材を生み出すサステナブルな森を「おとの森」と定義し、森林保全や木材資源量への配慮に加えて、地域の雇用創出や社会的発展を包括的に盛り込んだ地域社会と一体となった循環型の森林づくりを「おとの森活動」と名付けました。おとの森活動では、「森林」「木材」「社会」の3つの視点で、行政や学術機関と連携した活動を展開しています。