Yamaha Design “Synapses” ACP-2

2012 / ACOUSTIC CONDITIONING PANEL

GOOD DESIGN AWARD
Design for Asia Award


良い音のために「響き」を整えた空間をつくる調音パネル。

カンケツ簡潔 / Minimal

「音響共鳴管」と「堅い反射面」それに散乱効果を生む「開口部」という調音パネルの機能を凝縮させたシンプルな形状。インテリアとの調和を考え、明快なホワイト、ナチュラル、ブラウン3色を選択しました。

ショウジキ正直 / Honest

パネルに開けられた開口部の位置は独自の音響構造から導き出されています。調音のための「計算されたランダムさ」をそのまま視覚的なアクセントとし、デザインの特徴を出しています。

チョウワ調和 / Harmony

機能的な形でありながら、使用されるインテリアや空間にマッチし、個性的な楽器やオーディオの存在を引立たせます。

ヒキゴコチ弾き心地 / Inspiring

特に中低音の響きを整える効果によって、楽器やオーディオ本体の心地良い音場をつくり出し、プレイヤーの感覚を研ぎ澄ませます。


Eizo Amiya
Eizo Amiya
Designer
Yamaha Design Laboratory

デザインの視点からストーリーを紡ぎ出す。

「ACP-2」は独自の音響構造により、設置するだけで楽器やオーディオの「響き」を整え、良い音を楽しむ環境を作ることができる調音パネルです。この調音技術は通常の高音域を中心とした吸音だけでなく、低音域まで吸音しつつ適度な音の散乱効果もあるため、従来よりも心地よい音響特性が得られます。調音パネルとして先行開発された「TCH」は高さ90cm。主に楽器ユーザーをターゲットにしたものでしたが、「ACP-2」はオーディオ愛好家やアップライトピアノのユーザーにも使っていただくことをコンセプトとし120cmの高さの自立型のパネルとしました。
この製品にはアドバンストデザインとして技術が開発されたばかりのシーズ(種)の段階から参加しました。デザイナーとして技術を実際の製品に具現化しながら、同時に技術者とは180度違う視点から、この技術が必要とされるユースケースを探しました。それは生まれたばかりの技術から「誰が」「どこで」「何のために」という主語、述語となるコトバを見つけ、そこからストーリーを紡いでいくような作業でした。通常の製品とは違い、技術者とデザイナーがお互いの領域を超え、時には役割を逆転させたりしながら開発していったので、広い意味でデザインの醍醐味が味わえたと思っています。

  • 補足の写真1
  • 補足の写真2

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