2019年08月06日

独自のSD-WANソリューションを強化する新製品が登場

ヤマハ 仮想ルーター『vRX』

2019年9月、Amazon Web Services版ライセンスを発売

ヤマハ株式会社は、企業向けハードウェアルーターで培った技術や設定ノウハウを継承した、仮想ルーター『vRX』のソフトウェアライセンスを、Amazon Machine Image(AMI)上で動作するAmazon Web Services(AWS)版として、2019年9月より販売します。

これまで当社は、各クラウド事業者と協力することで、VPN相互接続の有用性を提案してきました。本製品の導入によって、さらに安定的にかつ確実にクラウドへ接続したいというニーズにお応えします。

  • ※AWSは、amazon.com, inc.(以下、Amazon)が提供するクラウドコンピューティングです。
  • ※AMI(Amazon Machine Image)は、AWS上のテンプレートです。

『vRX』は、これまでハードウェアとして提供してきたヤマハルーターの標準的な機能を搭載したソフトウェアルーターです。速度の上限を定める基本ライセンスと、VPNの対地数を定めるオプションライセンスの2種類をラインアップし、VPN接続を利用する場合には、基本ライセンスとVPNオプションライセンスの両方が必要です。今回は、評価用の無償トライアルライセンスも用意しました。

また、本製品は、従来のハードウェア型ヤマハルーターとソフトウェアの大半を共通化しており、高い評価を得ていた機能をそのまま使うことで、さらに柔軟なネットワークに対応します。今回提供するライセンスは、全てAWS版です。今後、他のクラウドサービスや仮想プラットフォームにも順次対応を検討してまいります。

『vRX』基本ライセンス

品名 品番 上限速度 ライセンス価格 有効期間
vRX基本ライセンス10Mbps 1年 vRX-1Y10M 10M bit/s 16,500円(税抜) 1年
vRX基本ライセンス20Mbps 1年 vRX-1Y20M 20M bit/s 20,000円(税抜) 1年
vRX基本ライセンス100Mbps 1年 vRX-1Y100M 100M bit/s 62,000円(税抜) 1年
vRX基本ライセンス500Mbps 1年 vRX-1Y500M 500M bit/s 186,000円(税抜) 1年
vRX基本ライセンス1Gbps 1年 vRX-1Y1G 1G bit/s 300,000円(税抜) 1年
vRX基本ライセンス10Gbps 1年 vRX-1Y10G 10G bit/s 2,000,000円(税抜) 1年
  • ◎基本ライセンスは、指定いただいた利用開始日からご利用が可能です。
  • ◎上記以外のライセンスは今後検討してまいります。
  • ◎販売計画:ライセンス数(合計)10,000台分のライセンス/年

『vRX』VPNオプションライセンス

品名 品番 VPN対地数 ライセンス価格
vRXオプションライセンスVPN10対地 vRX-VPN10 10対地 20,000円(税抜)
vRXオプションライセンスVPN100対地 vRX-VPN100 100対地 188,000円(税抜)
vRXオプションライセンスVPN500対地 vRX-VPN500 500対地 860,000円(税抜)
vRXオプションライセンスVPN1000対地 vRX-VPN1K 1000対地 1,560,000円(税抜)
  • ◎オプションライセンスの購入時には、別途基本ライセンスが必要です。
  • ◎VPNオプションライセンスには利用期間の制限がなく、基本ライセンスをご継続いただいた場合も、引き続きご利用いただけます。

『vRX』トライアルライセンス

品名 品番 ライセンス価格 有効期間
vRX基本ライセンストライアル版 vRX-TR-B1 無料 最大20日間
vRXオプションライセンスVPNトライアル版 vRX-TR-V1 無料 vRX-TR-B1が有効な間
  • ◎トライアルライセンスは、1回のユーザー登録につき1度のみ配布する予定です。
  • ◎トライアルライセンスの速度は10G bit/s、VPN対地数は100の予定です。

クラウド上でも柔軟なネットワーク設計が可能

1.複雑なネットワークをかんたんに構築可能

複数の物理拠点、あるいは複数のAmazon Virtual Private Cloud(以下、VPC)を相互に接続するなど、複雑なネットワーク構成もかんたんに構築できます。

2.スマホやタブレットとも直接VPN接続可能

L2TP/IPsecをサポートしており、スマートフォンやタブレットからのVPN接続が可能です。また、IPsecのアグレッシブモードをサポートしており、固定IPアドレス環境を用意しなくても、動的IPアドレスを持つ端末やルーターからのVPN接続が可能です。

3.ヤマハルーターの設定ノウハウを継承

既存ハードウェアルーターの大多数のコマンドをそのまま利用できます。

  • ※『vRX』では、一部サポートしない機能があります。
[ 画像 ] ヤマハ仮想ルーター上のshow config結果
ヤマハ仮想ルーター上のshow config結果

クラウド上でのネットワーク構築メリット

1.スケーラブルなスペック選定

ハードウェアルーターのようにスペックが固定されていませんので、導入するライセンスやインスタンスタイプによって速度やVPN対地数といったスペックを、目的のネットワーク規模に応じてスケールすることができます。

[ 画像 ] “スケーラブルなスペック選定例”
“スケーラブルなスペック選定例”

2.AWSコンソールからの一元管理

ヤマハ仮想ルーターも、AWS上のひとつのインスタンスとして動作するので、AWSのコンソール上から各種サーバーと同じく一元管理することができます。

3.YNOとの連携

既にヤマハのハードウェアルーターをYNO(Yamaha Network Organizer)で管理しているお客様が、クラウドへ移行後も一元管理できるように対応する予定です。

AWS版『vRX』の動作保証対象となるEC2インスタンスタイプと各インスタンスの仕様は以下の通りです。

EC2名 速度 CPU数 メモリ
t3.medium 5G bit/s 2 4G
C5.large 10G bit/s 2 4G
C5.xlarge 10G bit/s 4 8G

発売開始時の仕様(C5.largeを選択した場合)は以下の通りです。

C5.largeを選択した場合のvRXの仕様 最大値
LANインタフェース数 4
IPv4スループット 20 Gbit/s
IPsecスループット 2 Gbit/s
VPN対地数(IPsec) 6,000
VPN対地数(マルチポイントトンネル) 1,000
VPN対地数(L2TP/IPsec) 1,000
VPN対地数(最大設定可能数) 6,000
  • ※インスタンスタイプにより、発揮できる性能が異なります。
  • ※必要なVPN対地数や速度に応じたライセンスの購入が必要です。
  • ※スループット値は、RFC2544に準じた測定値(NATなし、フィルターなし、双方向)です。
  • ※本スペックは発売時には変更される可能性があります。

『vRX』とのVPN接続の設定例は下記ウェブサイトにて随時公開します。
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/

「AWS上で動作するヤマハ仮想ルーター『vRX』」の発表に当たり、以下のコメントをいただいています。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 執行役員
パートナーアライアンス統括本部 統括本部長
渡邉 宗行 氏

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社は、ヤマハ株式会社さまがAWS上で動作する仮想ルーター『vRX』の提供を開始されることを歓迎いたします。ネットワーク業界のパイオニアであるヤマハ様の『vRX』が高い柔軟性と拡張性を持つAWS上で提供されることで、リアルなネットワークがクラウドにつながり、管理できるようになります。AWS上で稼働する『vRX』が、様々なヤマハ様のお客様のビジネス成長に貢献できることを期待しています。

  • ※このニュースリリースに掲載されている製品情報や問い合わせ先などは、発表日現在の情報です。
    発表日以降に変更される場合もありますので、あらかじめご了承ください。

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