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振動特性で「良い音」を作る。
ヤマハだから可能な、
楽器材料研究の面白さ。

楽器材料の研究開発

杉村 亜寿美 [すぎむら あすみ]
2010年入社 新領域創成科学研究科了(物質系専攻)
技術本部 研究開発統括部 第2研究開発部 解析グループ

学部では有機化学、量子力学、電磁気、半導体、金属等々の材料関係の知識を広く学びました。研究室では高分子物理を専門にしていました。人工軟骨等への応用を目指し、いろいろなアプローチでゲル(水分を多く含む高分子材料)の高強度化の研究がされている中、私の研究室では均質網目でそれを実現しようとしていました。私は網目の均質な度合いを変化させ力学特性をシミュレーションで予測していました。本来なら人間の目では見ることのできない網目が変形する様子や少しずつ破壊する様子を動画で見るのが楽しかったです。プライベートでは高校からの友人につられてギターを始め、大学の駐車場で夜な夜なギターを弾いていました。

修士2年の春まで博士課程に進学するか化学メーカーに就職するかの二択しか考えていませんでしたが、4月に大学で開催された会社説明会でヤマハも材料系の人間を募集していると知り、意外性と音楽をやっていたことから興味を持ちました。そして、ヤマハについて調べる中で、楽器の材料は面白い、こんなことはヤマハでしかできないと感じるようになりました。私の研究もそうであったように材料に求められるのは均一とか高強度というのが普通です。ところが楽器の材料はそうではなく、木材を見ればわかるように異方性があるとか適度な振動吸収性があるということが重要です。木材のような良い音特性を持つ人工材料を作りたいという考えをそのまま正直に伝えたところ内定をいただけたので、入社を決めました。

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現在は、製品の設計ツールとして、複合材料のミクロな構成からマクロな物性を予測し、さらにそれを用いた楽器がどのような振動特性になるかをシミュレーションで予測する技術を確立しようとしています。測定担当の先輩と一緒に測定結果とシミュレーション結果を見比べながら、それぞれの精度向上を目指しています。最近ではこの技術を用いてスピーカーのパーツ材料を変更した場合に音特性がどのように変化するかを調べる仕事をしています。材料に関する知識だけではなく製品の知識も必要になるので、スピーカー設計者の方からいろいろ教えてもらいながら試行錯誤と勉強の毎日です。

良い楽器作りというのはとても困難な課題です。この困難さがモチベーションになります。良い音といってもどの部分がどのように良いのかは人それぞれなので、ゴールが最初から決まっているわけではなく模索していかなければなりません。また、音を構成する複数の要素をそれぞれコントロールし、トータルのバランスが取れた音を作るのはとても難しいことです。このためには、自分の専門にだけ詳しければいいわけではなく、いろいろな分野の視点を持って複数の問題を同時に考えなければなりません。だからヤマハは、多少の専門違いがあっても新しいことにどんどん挑戦させてくれる会社だと思います。

楽器の振動特性をシミュレーションして、そのデータを初めて音にして聴いてみたとき、期待以上に材料の特徴が良く出た音になっていたので感動しました。学生時代は、少しの機能があるだけの自作のソフトしか使ったことがなかったので、他の人には当たり前かもしれませんが、私にとってはこんなに高度なことができるんだなあ!最新の技術はすごいなあ!と驚きでした。

7:00 起床
8:00 朝食・出社
9:00 メールチェック
10:00 社内で行われている聴覚能力トレーニングを受講(週1)
12:00 昼食
13:00
会議(関係者と進捗状況の確認、今後の計画)
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14:00
スピーカーの構造・音響シミュレーション(モデリング、計算、結果整理、報告資料作成)
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18:00 業務終了
19:00 音楽教室でボーカルレッスン(週1)
20:00 計算力学技術者試験の勉強
21:00 帰宅・夕食
22:00
寮の音楽室でギターの練習
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24:00 就寝
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休日はいつも同期と一緒でバンド活動かスポーツ(野球やバドミントン)をしています。写真は先日ヤマハの先輩が企画したフェスに出演したときのものです。