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「音・音楽ビジネス」の新しい
価値観は、「チャレンジを楽し
める人」が創り出す 代表取締役社長 中田 卓也

トップメッセージ

ヤマハは、さらなる拡大が見込まれる中国・新興国市場や、エレクトロニクス事業を中心とした成長戦略を掲げています。ヤマハという会社に関心を抱いてくださった皆さんに向けて、強みである人材や技術の多様性、より魅力的な「音・音楽ビジネス」創出への期待など、代表取締役社長よりメッセージを送ります。

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「楽器メーカー」というのがヤマハの典型的イメージかと思いますが、それにとどまらない豊かな多様性を持つ企業です。「音・音楽」という事業領域のなかに、面白い技術やアイデアが、ひしめきあっています。たとえばエレクトロニクスの分野では、業務用音響(PA)機器を、音楽用ホールだけでなく商業施設や公共インフラで活用して生活空間を変えたり、歌声合成ソフト『VOCALOID』といった、新しい価値観の技術や商品を提示したりしています。また、木材・金属・繊維・樹脂・塗料などの技術が集積しているアコースティック楽器の分野でも、木材を短時間で変性させて、数十年を経たのと同様な音響を生み出すといったユニークな研究をしています。「ヤマハには、分野を問わず、多種多様な技術や工程が揃っている」と、私は思います。

こうしたものの中には、まだ「可能性」にとどまっているものが多くあります。これらをビジネスに育てていくのに必要なのは、足し算ではなく掛け算の発想、異質な要素同士が結びつくことによる相乗効果(シナジー)です。代表例のひとつが、アコースティックとエレクトロニクスを融合させた「ハイブリッドピアノ」。総合楽器メーカーとして培った技術を活かしつつ、従来の発想を超えたチャレンジで成果を出した例です。今後の成長戦略の実現には、このような商品・サービスが不可欠です。

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こうした「多様性」の重要さについて、かつて高名な宮大工の方が、含蓄のあるエピソードを語っておられました。山の同じ側の斜面で伐採した木で組んだ建物は、もろくなってしまうのです。ところが異なる場所に生えている木は、それぞれ別の方向にねじれている。それらを組み合わせることで、頑丈な建築になるのだそうです。

会社組織も同じです。さまざまなタイプの人たちで構成された企業は、環境変化に対応して、常に動き続けることができる。その強さの源泉は、多様な「個」の力、個性を持った社員一人ひとりの存在です。そのような、既成の枠に収まらないそれぞれの資質や価値を見きわめようとするのが、私たちの採用活動です。皆さんは、自分を何かの型にはめる必要などありません。ヤマハの求める人材像のキーワード「枠を超える」の通りです。

私は中学・高校時代にバンドを組んでギターを弾いていました。ビートルズやレッド・ツェッペリンに心酔していましたが、「他人とは違う何かをやる」のが、彼らの偉大さのひとつでしょう。私も、「枠に収まりたくない」「皆と同じことをしてもつまらない」と考えている、変わり者でした。

ヤマハに入社した背景にも、自分が大切にするものへのこだわりがありました。私は、ギターやシンセサイザーに親しむ一方、模型や木工も大好きで、ヤマハが「音楽」と「ものづくり」という私の嗜好に一番マッチする会社に思えたのです。「好き」というのはとても強い力で、傍から見ると大変そうでも、好きな仕事であれば、当人は充実感に包まれて熱中していたりする。「楽しさ」は「ラク」と同一視されがちですが、むしろ「苦しさ」と隣接していることが多いのだと思います。苦労すればするほど、成し遂げたときの喜びは大きいはずです。

もし私に能力のようなものがあるとすれば、辛いことでも楽しみに変える術だと思います。根気のいる作業や難しい決断を、常に私は「チャレンジ」として受けとめてきました。どんなチャレンジも、本質を見きわめ、最適な手順や方法を考え抜いて目的を達成することで、自分の力へと変えることができるのです。私が会いたいと望むのは、チャレンジする人、そしてそれを面白いと感じられる人です。前向きにチャレンジできてこそ、成果を手にする人になり得るのだと思います。

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私は入社して30年間、ずっと浜松にいたのですが、2010年に突然、ヤマハ・コーポレーション・オブ・アメリカの社長を命じられました。これもチャレンジですね。そして世界を飛び回るようになって改めて知ったのが、先人たちが築いた「ヤマハブランド」の価値でした。たとえばアメリカの入国管理官に仕事を尋ねられて、「ヤマハ」と答えると、それで通用してしまうのです。そして、本人や親しい人がヤマハの楽器を愛用している、という話を聞かせていただいたりする。世界中のお客様がヤマハに親しんでくださっていることを実感できる、嬉しい経験でした。

ブランドは、広告宣伝だけで作れるものではありません。商品やサービスの品質でお客様の信頼をけっして裏切らず、その期待の「半歩先」を行くものを末永く提供し続けて、初めて成り立ちます。
さらに大事なのは、ブランドを維持するだけでなく、より輝かせる工夫です。たとえば、『TENORI-ON』や『VOCALOID』のような、若い世代への発信を意識した斬新な商品が、ブランドの価値をさらに高めていくのです。「ヤマハがまた面白いことをやった」と思っていただき、「ときめき」や「ワクワク感」をもたらすブランドであり続けるためには、皆さんの若い力と感性がとても重要です。魅力的な「音・音楽ビジネス」を生み出し、ヤマハブランドを輝かせていくのは、技術系の人材も企画営業系の人材も含めた、一人ひとりの多様性の掛け算に他なりません。皆さんのチャレンジに期待しています。