電子楽器は、意匠、機構、電気、ソフト、音響、コンテンツ等々、多くのエンジニアの共同作業で開発されます。本テーマは電気エンジニアを目指す皆さん向けのプログラムです。
電子楽器の音を出す部分は本体にスピーカーが搭載されていれば楽器内蔵のスピーカーから音が出ます。その他ヘッドホンを使って音が聴けるヘッドホン出力、外部機器等に接続して音を出すLINE出力などがあります。本テーマにおいてはそのヘッドホン出力やLINE出力の音質性能を決めている電子回路において、回路構成及びその回路に使用している電子部品がどのように音質性能に影響し、設計者はどのような視点で回路を決定し部品を選定しているか、を実際の楽器を使って出音のキャラクターを決定づけている電気回路・部品について調査し、電子部品や回路構成について最終的に製品の要求仕様を満たす音質が得られるまでのプロセスを体験していただきます。
- 体験内容:ヘッドホン出力回路を組んでみて特性を評価します。
- 何かを変えると音が変わる体験。(定数が同じでも音が変わる)
- 変わった音が製品として望ましいか考える体験。
- 音が変わった理屈を考えてみる体験。(部品であれば材質?どの特性値?構造?)
- 具体的な音質評価検討内容
- 部品交換 DAC、オペアンプ、C, R
- 回路構成の検討 フィルター定数変更、駆動回路電源仕様
音質評価には測定することによって定量的に評価することのできる、周波数特性やノイズレベルなどを評価するS/N、歪率など様々な測定項目があります。どのような回路パラメータがどのように音質に影響するのかを確認し、さらには測定器には現れない部品の音質差を自身の耳で評価していただきます。