ワイヤレス化やIoTを支える、PoE給電対応の新ラインアップ

ヤマハ スマートL2 PoEスイッチ
『SWX2210P-10G』『SWX2210P-18G』『SWX2210P-28G』

ヤマハ株式会社は、スマートL2スイッチ「SWX2210シリーズ」の機能をベースに開発したPoE給電対応の新ラインアップとして『SWX2210P-10G』『SWX2210P-18G』『SWX2210P-28G』を2019年12月に発売します。

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スマートL2 PoEスイッチ『SWX2210P-10G/18G/28G』

今回発売するスマートL2 PoEスイッチ『SWX2210P-10G』『SWX2210P-18G』『SWX2210P-28G』(以下、『SWX2210Pシリーズ』)は、2013年4月発売の「SWX2200-8PoE」の後継として、ポート数のバリエーションを追加することで3モデルへと拡充した新たなラインアップです。IEEE802.3atに準拠したPoE給電機能を搭載しており、1ポートあたり最大30Wを給電可能で、全ポート同時には各15.4Wを給電できるので、オフィスのワイヤレス化のための無線LANアクセスポイントやIoTデバイスとして使われるIPカメラなど、多台数の機器を接続する需要に対応します。また、Web GUIを新たに搭載し、ネットワークの上位にヤマハルーターがない状況でも、機器単体での快適な設定や管理運用を実現しました。ソフトウェアの機能は、2018年10月発売のスマートL2スイッチ「SWX2210シリーズ」を踏襲しており、「VLAN」「QoS」「リンクアグリゲーション」などフロアスイッチとして充実した機能を有しています。『SWX2210Pシリーズ』は、小規模オフィスやマンション、ホテル、学校など幅広いシーンで使用可能です。

品名 品番 本体価格(税抜) 発売時期
スマートL2 PoEスイッチ SWX2210P-10G 79,800円 12月
SWX2210P-18G 119,800円
SWX2210P-28G 159,800円
  • ◎販売計画:SWX2210Pシリーズ合計:5,000台/年

1.多数のPoE受電機器を収容可能な給電容量

オフィスのワイヤレス化やIPカメラの普及に伴い、1台で多数のPoE受電機器を収容し、さらにそれらへ安定した給電が可能なPoEスイッチの需要が高まっています。従来のスマートL2 PoEスイッチは8ポート品の「SWX2200-8PoE」のみでしたが、『SWX2210Pシリーズ』では、10/18/28ポート品の3モデルにラインアップを拡充するとともに、アップリンクポートを別に配置することで、無線LANアクセスポイントなどの多台数接続における利便性が向上しました。また、装置全体では、すべての給電可能ポートで同時に各ポート15.4Wの給電が可能なため、多数のPoE受電機器を無理なく収容することができます。さらに、給電仕様としてIEEE802.3atに準拠し、1ポートあたり最大30Wを給電できるので、IEEE802.11ac準拠の無線LANアクセスポイントやPTZのIPカメラなど、多くの電力が必要となるPoE受電機器にも対応します。

2.さまざまなシーンで使えるPoE給電制御機能

『SWX2210Pシリーズ』は、さまざまな方法でPoE給電状態の確認や、ポート単位でのPoE給電のオフ/オンによるPoE受電機器の再起動が可能です。また、Web GUIによる機器単体でのPoE制御をはじめ、ヤマハルーターなどのL2MSマスターと組み合わせることで、遠隔地から『SWX2210Pシリーズ』を監視・制御することもできます。さらに、ヤマハルーターのLuaスクリプト機能や「Yamaha LAN Monitor*」を使用することで、無線LANアクセスポイントやIPカメラ等の死活監視にも対応し、自動でPoE受電機器を再起動させることも可能です。

  • *パソコン上でヤマハスイッチやヤマハ無線LANアクセスポイントの情報や接続機器を監視、制御するソフトウェア

3.スマートL2スイッチとしての設置・設定機能を進化

『SWX2210Pシリーズ』は、スマートL2スイッチ「SWX2210シリーズ」の機能を踏襲し、従来モデル「SWX2200-8PoE」では非対応のスイッチ単体でのWeb GUIからの設定機能を搭載しました。これにより、スイッチのリソースの状態やログ情報などをダッシュボード画面で確認できるほか、VLAN等も簡単に設定可能です。また、TELNETによるCLI設定も可能なので、事前に作成しておいたコンフィグをCLI経由で複数のスイッチに反映させるなど、設定作業の効率化も実現します。さらに、独自のコンフィグ変換ツール*を使用することで「SWX2200-8PoE」で使用していた設定を『SWX2210Pシリーズ』に移行できるため、機器の入れ替えをしても同じ設定を保つことが可能です。一方、動作環境に関しては、最大50℃の環境温度に対応しており、無線LANアクセスポイントやネットワークカメラなどが使用される高温になりやすい環境下でも安心して利用できます。

  • *ヤマハルーターなどのL2MSマスターが保持している「SWX2200シリーズ」の設定ファイルを『SWX2210Pシリーズ』のコンフィグに変換するアプリケーション
[ 画像 ] ダッシュボード画面
ダッシュボード画面
[ 画像 ] Web GUIによるVLAN設定画面
Web GUIによるVLAN設定画面

『SWX2210P-18G』『SWX2210P-28G』は、19インチラックマウント用の取り付け金具を同梱しています、『SWX2210P-10G』は、マグネットシートを同梱し、スチール製のデスクサイドやキャビネットの側面などへ簡単に設置可能です。また『SWX2210P-10G』は、別売りオプションキットとしてウォールマウントやラックマウントも用意しています。

マグネットシートによる『SWX2210P-10G』の設置例

4.ネットワークの見える化に対応

『SWX2210Pシリーズ』は、従来のヤマハスイッチ製品と同様にL2MSマスターの見える化機能「LANマップ」からの状態確認や端末管理が可能です。例えば、スイッチでループなどの障害が発生しても「LANマップ」機能で発生個所を簡単に特定可能で、一覧マップ機能でネットワークトポロジー全体も確認できるため、日頃の保守・運用業務の負荷低減も実現します。また、L2MSマスター側で『SWX2210Pシリーズ』の設定を保存・管理できるため、故障時などスイッチ本体を入れ替える場合に、保存している設定を転送することで、速やかに新しいスイッチを運用することが可能です。

[ 画像 ] 「LANマップ」のループ発生時のGUI画面
「LANマップ」のループ発生時のGUI画面
[ 画像 ] 一覧マップ
一覧マップ

5.スマートL2スイッチ機能の強化

『SWX2210Pシリーズ』は「SWX2200-8PoE」で搭載した「VLAN」や「QoS」だけではなく「リンクアグリゲーション」にも対応します。「QoS」では「SWX2210シリーズ」同様に、DSCP(DiffServ Code Point)値やCoS(IEEE 802.1p Class of Service)値による優先制御や送信キュー割当て、WRR(Weighted Round Robin)重み付け制御に対応します。これらの方式に対応することで、従来よりも帯域を有効に活用することが可能です。また「リンクアグリゲーション」は、スタティックリンクアグリゲーションに対応し、経路の冗長化が必要なネットワークで利用することで、安定したネットワークの運用を実現します。

「SWX2210シリーズ」および『SWX2210Pシリーズ』において、下記機能を追加するためのファームウェア公開を予定しています。

対応機種:

スマートL2スイッチ SWX2210-8G、SWX2210-16G、SWX2210-24G
スマートL2 PoEスイッチ SWX2210P-10G、SWX2210P-18G、SWX2210P-28G

追加機能(予定):

  • 監視手法の利便性向上
    SNMPによるネットワーク管理機能
    ※SNMPを搭載することで、省エネ法の区分が変更になります。
  • セキュリティ機能の強化
    ACL(IPv4/IPv6/MAC)
  • マルチキャストスヌーピングによる通信帯域の有効活用
    IGMPスヌーピング、MLDスヌーピング
  • 優先制御をよりシンプルに
    送信キュー割当て方式としてポート優先度を追加

ファームウェア公開時期:

2020年 春(無償アップデート)

品名 品番 本体価格(税抜) 発売時期
ウォールマウントキット YWK-1200D 18,000円 発売中
ラックマウントキット YMO-RACK1U 18,000円
項目 SWX2210P-10G SWX2210P-18G SWX2210P-28G
希望小売価格(税抜) 79,800円 119,800円 159,800円
JANコード 49 57812 65556 9 49 57812 65557 6 49 57812 65558 3
LANポート数 10 18 28
オートネゴシエーション
Auto MDI/MDI-X
PoE給電可能ポート 8(ポート1~8, IEEE802.3at 準拠) 16(ポート1~16, IEEE802.3at 準拠) 24(ポート1~24, IEEE802.3at 準拠)
給電方式 Alternative A(データ線 1, 2, 3, 6 利用)
最大給電能力(1ポートあたり) 30W
最大給電能力(装置全体) 124W 247W 370W
スイッチング容量 20Gbit/s 36Gbit/s 56Gbit/s
転送能力*1 14.88Mpps 26.79Mpps 41.67Mpps
レイテンシー(1000M/100M/10M)*2 3.2μs/6.1μs/33.2μs 2.8μs/5.6μs/32.3μs 3.1μs/6.6μs/37.6μs
最大MACアドレス登録数 8,192
フレームバッファー 512KB
ジャンボフレーム対応サイズ 最大10,240byte
リンクアグリゲーション スタティック設定
VLAN ポートベースVLAN, タグVLAN(IEEE 802.1Q), マルチプルVLAN
最大VLAN数 256(VLAN ID 1〜4,094)*4
ループ検出
BPDU/EAP パススルー
Layer3基本機能 ARP, IP interface(IPv4, IPv6), DNSクライアント
QoS 送信キュー割当て(CoS, DSCP), リマーキング(CoS, DSCP), スケジューリング(WRR)
フロー制御 IEEE 802.3x(全二重), バックプレッシャー(半二重), HOLブロッキング防止
ストーム制御
プログラム管理 TFTPによる更新, Web GUIによる更新
ロギング機能 メモリに蓄積, SYSLOGでの出力, 定期的なログのバックアップ機能, L2MSマスター*5へのイベント出力
ログ記憶容量 最大1,500行
サポート機能 ポートミラーリング, ポートシャットダウン, リンクスピードダウンシフト, パケットカウンター, 省電力モード(IEEE 802.3az EEE), DHCPクライアント, 時刻管理(手動設定、SNTP)
L2MSスレーブ*3 L2MSマスター*5のWeb GUIによる設定/状態表示/管理,ネットワーク構成表示, CONFIGの保存/復元/削除
設定手段 Web GUIによる設定, TELNETによるコマンドを使用した設定, TFTPによるダウンロード/アップロード, L2MSマスター*5のWeb GUIを使用した設定
GUIの推奨ブラウザー*6 Windows: Internet Explorer 11, Microsoft Edge, Google Chrome, Mozilla FireFox
MAC: Safari  iOS: Safari
状態表示ランプ(前面) POWER, STATUS, LINK/ACT, SPEED, PoE STATE
LED MODEボタン 状態表示ランプの点灯/消灯切り替え、初期化(工場出荷状態に戻す)
動作環境条件 周囲温度 0〜50℃, 周囲湿度 15〜80%(結露しないこと)
電源 AC100~240V(50/60Hz)*7, 電源内蔵(電源スイッチなし), 電源インレット(3極コネクター, C14タイプ)
最大消費電力(皮相電力),
最大消費電流, 発熱量
169W(180VA), 1.8A, 608kJ/h 338W(350VA), 3.5A, 1,217kJ/h 508W(520VA), 5.2A, 1,829kJ/h
エネルギー消費効率(W/(Gbit/s))*8 C区分 1.3 C区分 1.1 C区分 1.2
最大実効伝送速度(Gbit/s)*8 10.0 18.0 28.0
測定時ポート速度とポート数*8 1Gbit/s: 10 1Gbit/s: 18 1Gbit/s: 28
筐体 金属筐体, ファン2基 金属筐体, ファン3基
電波障害規格, 環境負荷物質管理 VCCIクラスA, RoHS対応, 省エネ法準拠
外形寸法
(突起物, レッグ, マグネットシートを除く)
220(W)×42(H)×294(D)mm 330(W)×44(H)×294(D)mm 440(W)×44(H)×294(D)mm
質量(付属品含まず) 1.9kg 3.0kg 4.1kg
付属品 電源ケーブル(3ピンプラグ), 電源抜け防止金具, 取扱説明書(保証書含), レッグ, マグネットシート(10Gのみ付属), ラックマウント用金具&ネジ(18G/28Gのみ付属)
オプション 19インチラックマウント(トレイ型)キット, ウォールマウントキット -
仕様対象ファームウェア 初期出荷ファームウェア
保証期間 購入日より5年間
  • ※1: フレームサイズ64Byte時(ノンブロッキング)です。
  • ※2: RFC2544に準じた測定値(ストア&フォワード方式、フレームサイズ64Byte)です。
  • ※3: L2MS(Layer2 Management Service)は、ヤマハネットワーク機器をレイヤー2レベルで管理する機能です。
    L2MSスレーブ対応機種は、技術情報(RTpro)サイト(http://www.rtpro.yamaha.co.jp/)にて公開しております。
  • ※4: VLAN ID 1はデフォルトVLAN IDです。ユーザーが設定可能なVLAN数は255個になります。
  • ※5: L2MSマスターに対応しているルーター/ファイアウォール/スイッチが別途必要です。
    L2MSマスター対応機種は、技術情報(RTpro)サイト(http://www.rtpro.yamaha.co.jp/)にて公開しております。
  • ※6: 最新バージョンでの使用が推奨です。最新のWebブラウザー対応状況は、技術情報(RTpro)サイトにて公開しております。
  • ※7: 付属の電源ケーブルを使用する場合は、日本国内AC100Vのみ使用可能です。
  • ※8:「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づく表示事項です。
  • ※このニュースリリースに掲載されている製品情報や問い合わせ先などは、発表日現在の情報です。
    発表日以降に変更される場合もありますので、あらかじめご了承ください。

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