2018年12月26日

人気アーティストがバーチャル本人とライブでセッション!初のライブ活用事例

当社の『Real Sound Viewing』が
「H ZETTRIO」のライブで使用されました

− 自動演奏ドラム&コントラバスなどを用いて本人のパフォーマンスを再現 −

ヤマハ株式会社が技術開発を進めている、アーティストの演奏を保存し再現するシステム『Real Sound Viewing』(リアル・サウンド・ビューイング)が、12月24日(月・振休)に市川市文化会館(千葉県市川市)で行われた「H ZETTRIO」(エイチ・ゼットリオ)のライブで使用され、「アーティストが自分自身とセッションする」という音楽表現が披露されました。なお、実際のライブで本システムが利用されるのは今回が初の事例となります。

ライブでの使用の様子(5分16秒)※H ZETT M / H ZETTRIO YouTube公式チャンネルより
『Real Sound Viewing』技術紹介(44秒)

「ライブのチケットが取れない」、「遠方で観に行けない」、「アーティストが解散してしまった」、「亡くなってしまった」といった場合など、世の中には「観たくても観られないライブ」が数多く存在します。実際のライブから得られる体験は特別で、CDやDVDでの鑑賞では補いきれない臨場感が存在します。

『Real Sound Viewing』は、そうした課題を解決するために「ライブの真空パック」をコンセプトに当社が開発を進めているもので、本物のライブになるべく近い形でそのパフォーマンスを届けられるようにするためのシステムです。

システムを構成するのは、「音のデジタル処理技術」や「電気信号を振動に変換してアコースティック楽器と同じ発音方式で響かせる技術」といったヤマハが長年培ってきた技術と、スクリーンに映像を映し出し演奏する姿を再現する技術です。これらによってアーティストが演奏する姿をリアルな映像で再現し、臨場感あるアコースティック楽器の「生の音」で演奏音を再現します。将来的には、生楽器を使ったライブ配信や、往年のアーティストの演奏をいつでも生の楽器音で楽しめるようにするといった用途を想定して、現在、開発を進めています。

今回のライブでは、事前に記録した「H ZETTRIO」メンバーの「H ZETT KOU」氏のドラムと「H ZETT NIRE」氏のウッドベースの演奏をシステムで再現し、さらにアーティスト本人がその演奏とセッションすることで、「アーティストがバーチャル本人とセッションする」というクリスマスサプライズ企画の演出に協力しました。

アコースティックのドラムやコントラバスの自動演奏は珍しく、また約2,000人もの観衆が視聴する中で本システムを使用することは初めてであり、今回の取り組みは「観たくても観られないライブ」をより多くの方に届けるための新たな一歩として、大きな成果になったと考えています。

[ 画像 ] 電気信号を振動に変換して楽器の自動演奏を可能にする装置
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電気信号を振動に変換して楽器の自動演奏を可能にする装置
  • H ZETT M(エイチ・ゼット・エム)(ピアノ / 青鼻):
    「初めてシステムを観た時、その不思議な仕組みと完成度に衝撃を受けました。多くの人に演奏を届けるという意味でさらなる広がりを期待しています。」
  • H ZETT KOU(エイチ・ゼット・コウ)(ドラム / 銀鼻):
    「かなり細かいニュアンスまで再現できている点に感心しました。今後は即興のセッションなどにも対応できるようになるとさらに面白いと感じました。」
  • H ZETT NIRE(エイチ・ゼット・ニレ)(ベース / 赤鼻):
    「自分の演奏との掛け合いなど今までにない可能性を感じる演奏になり、お客様からの温かい拍手からもそれを実感することができました。」

2014年、スイスで開催されている世界3大ジャズ・フェスティバル「モントルー・ジャズ・フェスティバル」への出演をキッカケに活動を活発化、国内外の大型フェスに多数出演。H ZETT M(pf/青鼻)のユニーク且つ“無重力奏法”と形容されるテクニカルなピアノと、H ZETT NIRE(ba/赤鼻)、H ZETT KOU(dr/銀鼻)が支えるキレのあるリズムセクションを武器に、独自のアンサンブルを響かせる。この3人以外には作り出せない音楽とグルーヴを追求し続けている。

http://www.worldapart.co.jp/hzettm/

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