2018年06月07日
当社初となるDante*1・PoE*2給電対応パワードスピーカーなど
会議室向けの設備音響機器を新発売
ヤマハ スピーカーシステム
『VXL1B-16P』『VXL1W-16P』
ヤマハ L2スイッチ『SWR2311P-10G』
− ケーブル1本で音声配信と電源供給を行い、ネットワークによるスマートな管理を実現 −
![[ 画像 ] ヤマハ スピーカーシステム 左から『VXL1W-16P』『VXL1B-16P』](images/1806070101.jpg)
左から『VXL1W-16P』『VXL1B-16P』
![[ 画像 ] ヤマハ L2スイッチ『SWR2311P-10G』](images/1806070102.jpg)
ヤマハ株式会社は、プロフェッショナルオーディオ機器の新製品として、会議室で必要な音声配信を高品質かつシンプルな配線で実現するスピーカーシステム『VXL1B-16P』『VXL1W-16P』および、オーディオネットワークの構築に最適なL2スイッチ『SWR2311P-10G』を2018年10月より順次発売します。
- *1:Dante=Audinate社が開発した、多チャンネルのデジタル音声信号を低遅延で送受信できるオーディオネットワーク規格。
- *2:PoE(Power over Ethernet)=Ethernet(LAN)ケーブル(カテゴリ5e以上)で電力を供給するための規格。
価格と発売時期
品名 | 品番 | 価格 | 発売時期 |
---|---|---|---|
ヤマハ スピーカーシステム | VXL1B-16P | 130,000円(税抜) | 2018年12月 |
VXL1W-16P | 130,000円(税抜) | 2018年12月 | |
ヤマハ L2スイッチ | SWR2311P-10G | オープンプライス | 2018年10月 |
- ※スピーカーシステムの品番に含まれる“B”および“W”は、それぞれ“B”がブラックモデル、“W”がホワイトモデルを示します。
- ※販売単位:全て1台です。
『SWR2311P-10G』関連オプション
品名 | 品番 | 価格 | 発売時期 |
---|---|---|---|
ウォールマウントアクセサリー | WK-SWR | オープンプライス | 2018年10月 |
スイッチアクセサリー | SFP-SWRG-SX | オープンプライス | 2018年10月 |
SFP-SWRG-LX | オープンプライス | 2018年10月 |
製品の概要
近年、設備音響市場では、様々な機器でIT・ネットワーク化が進んでいます。特にEthernetケーブルを使って電力を供給するPoEの活用が進み、1本のケーブルで機器制御、音声配信に加えて電源供給をすることで、機器同士の接続はよりシンプルになりました。また、企業の会議室などでは遠隔会議のニーズが高まっており、音響機器に対して音声の明瞭度と最適な音量が求められています。
このたび発売するスピーカーシステム『VXL1B-16P』『VXL1W-16P』、L2スイッチ『SWR2311P-10G』は、多くの企業や団体の会議室で使用する遠隔会議システムにおいて、遠隔地からの音声や動画の再生に十分な音声明瞭度と最適な音量を確保した上で、PoEによるシンプルな配線と、ネットワークによる高い管理性を提供する製品群です。
オーディオネットワーク規格「Dante」に対応した『VXL1B-16P』と『VXL1W-16P』は、スリムなラインアレイ形式を採用し、音声明瞭度が求められながらも設置スペースに制限が多い、機能性とデザイン性が求められる会議室(奥行き12m×横幅10m程度)に導入しやすくなっています。『SWR2311P-10G』は『VXL1B-16P』と『VXL1W-16P』を駆動するのに十分なPoE給電能力と「Dante」に最適な機能を備え、機器のモニタリングも実現します。また、遠隔会議システムに必要なAEC(Acoustic Echo Canceler) 機能を搭載し、Danteネットワークに対応したシグナルプロセッサー「MRX7-D」を組み合わせることで、スマートでより柔軟な会議室システムを構築することができます。
詳細は、以下の通りです。
主な特長
スピーカーシステム『VXL1B-16P』『VXL1W-16P』
1.PoE給電による運用を実現した設備用Danteパワードスピーカー
『VXL1B-16P』『VXL1W-16P』は「Dante」を活用した音声配信とPoE対応L2スイッチからのPoE給電*でスピーカーシステムのネットワーク化を実現し、既設のAV/ITインフラを有効活用することができます。また、Ethernet ケーブルによるシンプルな配線と簡単な施工、パワーアンプを使用しないことによる設置柔軟性の向上により、会議室のデザインを損なわないスマートな音響システムが構築可能です。
- *IEEE802.3at対応のPoE給電機器をご使用の場合、スピーカー最大出力は15W。IEEE802.3af対応のPoE給電機器の場合、スピーカー最大出力は6Wです。
2.会議室の要求にマッチする音質とデザイン
『VXL1B-16P』『VXL1W-16P』は16基のドライバーを搭載しています。ラインアレイ形式を採用し、線状の音源を形成することで、垂直方向に音が広がりにくくなり、天井や床からの音の反射や音のエネルギーの拡散が抑制されるため、離れた場所にも明瞭な音を届けることができます。また、ドライバーには、ネオジム磁石を贅沢に使用した3.75cm(1.5インチ)フルレンジユニットを採用することで、幅5.4cm のスリムなエンクロージャー(筐体)形状を実現しました。そのため、設置場所の制限が多い、オフィスの会議室などの意匠を損なうことなく導入できます。さらに別売のスピーカーアクセサリー『HCB-L1B』を用いて水平連結をすることで、水平指向角度を狭め、音圧を高めることも可能です。
![[ 画像 ] 水平連結による指向性可変イメージ 内側(実線側):2台連結時/外側(点線側):1台使用時](images/1806070103.jpg)
内側(実線側):2台連結時
外側(点線側):1台使用時
3.使用スタイルを広げる豊富な設置金具
『VXL1B-16P』『VXL1W-16P』には専用金具が付属しており、壁面取付けが可能です。また、別売のスピーカーアクセサリーとして垂直、水平方向に角度調整が可能なウォールマウントブラケット「WMB-L1B」「WMB-L1W」、水平連結用のホリゾンタルカップリングブラケット「HCB-L1B」など豊富なオプションを持ち、さまざまな設置環境へ柔軟に対応します。
4.iPadでワイヤレスコントロール
『VXL1B-16P』『VXL1W-16P』はiPad用カスタムコントロールパネル「ProVisionaire Touch*」からWi-Fiネットワークを通じてリモートコントロールすることができます。例えばシグナルプロセッサー「MRX7-D」に入力される会議の音声の音量バランスを整え、スピーカーの音量を上げるといった一連の動作をiPadの一画面上で制御運営することができます。
- *2018年秋ごろのバージョンアップで対応予定です。
L2スイッチ『SWR2311P-10G』
1.Danteネットワーク&PoEシステムをサポート
『SWR2311P-10G』は、Audinate社が開発し世界的に活用されているデジタルオーディオネットワーク規格「Dante」に対応し、設定・監視・管理・運用を簡単に行え、より安定したネットワークの構築を実現するL2スイッチです。会議室で使用される音響機器のボリュームコントロールに使用するウォールマウントコントローラー「MCP1」やワイヤレスアクセスポイントなどのPoE対応機器はもちろん、より高出力なPoE給電が必要な『VXL1B-16P』『VXL1W-16P』をも駆動するのに十分な給電能力*1を備えています。また、『VXL1B-16P』『VXL1W-16P』を『SWR2311P-10G』と接続すると、LLDP*2を利用して、「Dante」に最適な設定を自動的に行います。
- *1:PoE対応ポートは全ポート同時に最大30Wの給電に対応します。
- *2:LLDP=隣接機器と自身の機器との間で、装置の管理情報を受け渡すためのプロトコル。
2.トラブルシューティングに役立つ管理機能
『SWR2311P-10G』は専用ソフトウェア「Yamaha LAN Monitor」を活用することで、PoE給電状態の確認、PoE給電のオフ/オン操作、導入時と現在のネットワーク状況の差異を異常と見なして通知するスナップショット機能など、すばやいトラブルシューティングを行うことが可能です。またWebGUIによるPoE機器の動作監視設定や異常があった場合のPoE機器の再起動、異常を通知するメール設定など、充実したモニタリング機能を提供します。
![[ 画像 ] 「Yamaha LAN Monitor」による機器モニタリング](images/1806070104.jpg)
3.設置柔軟性を高めるオプション品
『SWR2311P-10G』は、別売のラックマウントアクセサリー「RK-SWR」を用いた19インチラックへの設置に対応するほか、ウォールマウントアクセサリー『WK-SWR』を使用することで、壁や天井への取り付けが可能となり、より設置場所の選択肢が広がりました。また100mを越える「Dante」対応機器間の接続が必要な環境に対し、遠距離通信用SFPモジュール『SFP-SWRG-SX』と『SFP-SWRG-LX』を使用することで、伝送損失が少ない、電磁ノイズを受けにくいなど、信頼性の高い長距離通信を実現します。
主な仕様
スピーカーシステム『VXL1B-16P』『VXL1W-16P』
モデル | VXL1B-16P / VXL1W-16P | ||
---|---|---|---|
形式 | フルレンジバスレフ型 | ||
再生周波数帯域(-10dB)*1 | 80Hz - 20kHz | ||
公称指向角度(-6dB) | 水平170° 垂直25°(+12.5°~ -12.5°) |
||
実用指向角度(-10dB) | 水平180° 垂直30°(+15°~ -15°) |
||
最大出力レベル(peak) *2 IEC noise@1m |
102dB SPL(PoE + <IEEE 802.3at>の場合) | ||
パワー アンプ部 |
定格出力 | ダイナミック | 15W(PoE + <IEEE 802.3at>), 6W(PoE <IEEE 802.3 af>) |
連続 | 15W(PoE + <IEEE 802.3at>), 6W(PoE <IEEE 802.3 af>) | ||
冷却方式 | 自然空冷 | ||
保護 | スピーカー プロセッシング |
Clip limiting, Integral power protection | |
アンプ部 | Over current protection, Over temperature protection, Under voltage lock out, DC detection, Clock detection | ||
電源部 | Over load protection, Over voltage protection, Under voltage lock out | ||
コネクター | RJ-45 (Dante) × 1 | ||
電源電圧 | PoE+(IEEE 802.3at), PoE(IEEE 802.3af) | ||
消費電力 | Idle 時 | 3W | |
1/8 出力 (Pink Noise) |
6W(PoE + <IEEE 802.3at>), 4.3W(PoE + <IEEE 802.3 af>) | ||
コンポーネント | 3.75cm(1.5インチ)コーン × 16 | ||
防磁仕様 | 非防磁型 | ||
防塵・防水仕様 | 非対応 | ||
外装色 | VXL1B-16P : 黒 (マンセルN3近似値) VXL1W-16P : 白 (マンセルN9近似値) |
||
寸法(W×H×D) | 54 × 1,120 × 104 mm | ||
質量(スピーカー本体のみ) | 5.0kg | ||
同梱品 | マウンティングブラケット×2、ブラケットベース×2、安全ワイヤー×1、ネジ(M5×10)×2、型紙×1、取扱説明書 | ||
販売単位 | 1台 | ||
オプション | ウォールマウントブラケット「WMB-L1BW」, ホリゾンタルカップリンブラケット「HCB-L1B」 |
- *1:ハーフスペース(2π)
- *2:2mにて測定し、1m換算した値(周波数範囲 100Hz - 10kHz)
L2スイッチ『SWR2311P-10G』
項目 | SWR2311P-10G |
---|---|
LANポート数 | 10*4 |
SFPスロット数 | 2*4 |
コンソールポート | 1ポート(RJ-45), 1ポート(USB mini-B) |
オートネゴシエーション | 〇 |
Auto MDI/MDI-X | 〇 |
PoE給電可能ポート | 8(ポート1~8, IEEE802.3at 準拠) |
給電方式 | Alternative A(データ線 1, 2, 3, 6 利用) |
最大給電能力(1 ポートあたり) | 30W |
最大給電能力(装置全体) | 240W |
スイッチング容量 | 20 Gbit/s |
転送能力 | 15 Mpps |
レイテンシー(1,000M/100M/10M)*1 | 3.4μs/6.4μs/38.0μs |
最大MACアドレス登録数 | 16,384 |
フレームバッファー | 1.5MB |
ジャンボフレーム対応サイズ | 最大10,240バイト |
リンクアグリゲーション | スタティック設定, LACP(IEEE 802.3ad) |
VLAN | ポートベースVLAN, タグVLAN(IEEE 802.1Q), プライベートVLAN, Voice VLAN |
スパニングツリー | STP(IEEE 802.1D)*5, RSTP(IEEE 802.1w)*5, MSTP(IEEE 802.1s) |
ループ検出 | 〇 |
最大VLAN数 | 256(VLAN ID 1〜4,094)*6 |
IPマルチキャスト(Layer2) | IGMP Snooping(v1/v2/v3) |
ACL | IPv4 ACL, IPv6 ACL, MAC ACL |
QoS | 送信キュー割当て(CoS,DSCP,ポート優先度), ポリシーベースQoS(個別ポリサー, 集約ポリサー), プレマーキング(CoS,ToS,DSCP), リマーキング(CoS,ToS,DSCP), スケジューリング(SP,WRR), 輻輳制御(Tail Drop),シェーピング(ポート単位, 送信キュー単位) |
フロー制御 | IEEE 802.3x(全二重), バックプレッシャー(半二重), HOLブロッキング防止 |
ストーム制御 | 〇 |
管理プロトコル | SNMP(v1/v2c/v3/Private MIB), RMON(v1/v2) |
セキュリティー, 認証機能 | ポート認証(IEEE 802.1X認証, MACアドレスベース認証), Web認証, ポートセキュリティー |
プログラム管理 | TFTPによる更新, Web GUIによる更新, microSDカードによる更新/起動 |
ロギング機能 | メモリーに蓄積, SYSLOGでの出力, 定期的なログのバックアップ機能 |
ログ記憶容量 | 最大10,000行 |
サポート機能 | ポートミラーリング, ポートシャットダウン, リンクスピードダウンシフト, パケットカウンター,省電力モード(IEEE 802.3az EEE), DHCPクライアント, 時刻管理(手動設定, SNTP) |
L2MSマスター*2 | L2MSスレーブの管理, LANマップLight(スレーブ/端末管理, スナップショット, メール通知, 機器一覧, タグVLAN設定,マルチプルVLAN設定) |
L2MSスレーブ *2 | L2MSマスター*7の Web GUI による状態表示, ネットワーク構成表示 |
設定手段 | WebGUI, コンソール/TELNETによるコマンドの使用, TFTPでのダウンロード/アップロード, microSDカードからのコピー/起動 |
GUIの推奨ブラウザー | ・Windows:Internet Explorer 11, EDGE, Google Chrome, Mozilla FireFox ・MAC: Safari 7.0 以上,・iOS: Safari 7.0 以上 *8 |
状態表示インジケーター(前面) | POWER, microSD, MODE, LAN PORT, SFP PORT(PORT表示インジケーターはMODEボタンによりLINK/ACT<SPEED>, PoE, VLAN, STATUS設定を切替えて表示) |
動作環境条件 | 周囲温度 0〜40℃, 周囲湿度 15〜80%(結露しないこと) |
電源 | AC100~240V(50/60Hz), 電源内蔵(電源スイッチなし), 電源インレット(3極コネクター, C14タイプ) |
最大消費電力(皮相電力), 最大消費電流 , 発熱量 | 280W(299VA), 3.1A, 1,008kJ/h |
エネルギー消費効率(W/<Gbit/s>)*3 | A区分 1.2 |
最大実効伝送速度(Gbit/s)*3 | 10 |
測定時ポート速度とポート数*3 | 1Gbit/s: 10 |
筐体 | 金属筐体, ファン:2基 |
電波障害規格, 環境負荷物質管理 | VCCIクラスA, RoHS対応, 省エネ法準拠 |
外形寸法(突起物を除く) | 220(W)× 42.4(H)× 294(D)mm |
質量(付属品含まず) | 2.3kg |
付属品 | 電源ケーブル, 電源抜け防止金具, 取扱説明書, レッグ, ダストカバー(本体取付け済み) |
オプション | 19インチラックマウントアクセサリー(RK-SWR), ウォールマウントアクセサリー(WK-SWR), SFPモジュール(SFP-SWRG-SX, SFP-SWRG-LX) |
- *1:RFC2544に準じた測定値(ストア&フォワード方式, フレームサイズ64Byte)です。
- *2:L2MS(Layer2 Management Service)は、当社PA機器やネットワーク機器をレイヤー2レベルで管理する機能です。
- *3:9-10ポートはコンボポート、LANポートとSFPスロットは排他仕様です。コンボポートのLANポートは1000BASE-Tのみ対応します。同時にLAN、SFPポートにケーブルを挿入しないでください。誤動作の原因になることがあります。
- *4:「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づくスイッチのエネルギー消費効率です。
- *5:STPおよびRSTPは、MSTPの下位互換により対応します。
- *6:VLAN ID 1はデフォルトVLAN IDです。ユーザー設定可能なものは255個です。
- *7:L2MSマスターに対応しているスイッチが別途必要です。
L2MSスレーブ/マスター対応機種は、http://www.yamaha.com/proaudio/にて公開しています。 - *8:最新バージョンでの使用が推奨です。http://www.yamaha.com/proaudio/にて公開しています。
- *文中の商品名、社名等は当社や各社の商標または登録商標です。
- ※このニュースリリースに掲載されている製品情報や問い合わせ先などは、発表日現在の情報です。
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