“ダンスでピアノを演奏するコンサート”
「舞（まい）・飛天遊（ひてんゆう）」の一部を動画で公開

ヤマハ株式会社は、11月22日（水）に東京藝術大学奏楽堂で開催されたコンサート「舞・飛天遊」（主催:東京藝術大学、東京藝術大学COI拠点）に技術協力を行い、“ダンスによるピアノ演奏”の実現に挑戦しました。当社が研究開発を進めている「ダンス認識ピアノ演奏システム」によって、世界的ダンサーの森山開次（もりやまかいじ）のダンスに呼応して自動演奏機能付きピアノ「Disklavier™」がメロディーを奏で、世界的名演奏家集団のベルリンフィル・シャルーンアンサンブルとの共演を果たしました。この度、その様子の一部を動画で公開します。

「ダイジェストバージョン」（約90秒）と「ロングバージョン」（約5分）の2種類の動画をご覧いただけます。

当社が研究開発を進める「ダンス認識ピアノ演奏システム」は、人工知能を活用することで、人間の動きをリアルタイムに音楽表現に変換することを可能にします。人間に装着した4種類のセンサー（伸縮センサー、筋電位センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー）の情報をもとに、人工知能が瞬時に動きを解析。動きに関連付けられた演奏データを当社の自動演奏機能付きピアノ「Disklavier™」（ディスクラビア）に送ることでダンスを音楽に変換します。

演奏データには、動きの機微を表現するデータも含まれているため、僅かなタッチの違いも極めて正確かつ豊かな音色で再現することができる「Disklavier™」の存在が不可欠となります。さらに今回は、ニューヨーク・タイムズ紙に“驚異のダンサー”とも称された森山開次の表現力に応えるために、コンサート用グランドピアノのフラグシップモデル「CFX」の「Disklavier™」を特別に使用。同氏のダンスを余すこと無く音楽表現に変換することに挑戦しました。

披露された曲目は、松下功（作曲家 / 東京藝術大学副学長）が作曲した《飛天遊》を今回のために再構成した《舞・飛天遊》。コンサートでは、ベルリンフィル・シャルーンアンサンブルも共演に加わり、ダンスと音楽の世界的才能がヤマハの技術とともに「身体と音楽の融合表現」を切り拓き、会場は大きな拍手に包まれました。

当社は2015年より、文部科学省と科学技術振興機構の事業「革新的イノベーション創出プログラム（COI STREAM）の拠点の一つ「東京藝術大学COI拠点」に参画しています。今回の協力はその活動の一環として行ったもので、新しい演奏表現のあり方を追求するための着実な一歩となったと考えています。