2016年04月15日

20世紀のピアノ巨匠 リヒテルの演奏を「人工知能演奏システム」で再現
ベルリンフィル・シャルーンアンサンブルとの共演で披露

音舞おとまいの調べ~超越する時間と空間~」への技術協力について

- 2016年5月19日(木)のコンサートに協力(場所:東京藝術大学奏楽堂) -

ヤマハ株式会社は、5月19日(木)に東京藝術大学奏楽堂(東京都台東区)にて開催される演奏会「音舞の調べ~超越する時間と空間~」(主催:東京藝術大学、東京藝術大学COI拠点)に技術協力を行います。当社が開発中の「人工知能演奏システム」を用いて、故人である20世紀のピアノ巨匠、スヴァトスラフ・リヒテル(以下、リヒテル)の往年の演奏を忠実に再現し、世界的名演奏家集団であるベルリンフィル・シャルーンアンサンブルとの共演によりその演奏を披露することに挑戦します。

当社は昨年より、文部科学省と科学技術振興機構の事業「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)の拠点の一つである「東京藝術大学COI拠点」に参画しています。今回の協力はその活動の一環として行うもので、当社のピアノを愛用したリヒテルの演奏を現代に蘇らせ、現代の演奏家との共演に挑戦する今回の試みは、未来の演奏会のあり方そのものにも影響を与えるほどの極めて大きな意味を持つと考えています。

今回の取り組みでは、リヒテルの生前のライブ演奏の録音から、当社が忠実にその演奏表現をデータ化した専用の音源を使用します。音源の再生に使用する当社の自動演奏機能を持つアコースティックピアノ「Disklavier™」(ディスクラビア)は、リヒテルが円熟期に愛用した当社ピアノ「CF」の後継機種となるコンサートグランドピアノ「CFX」に自動演奏機能を持たせたもので、世界最高クラスの再生精度を誇ります。また、当社の「演奏追従技術」は、アンサンブルの共演者である人間が演奏する「音」と「ジェスチャー」を逐次理解し、次の瞬間の演奏を予測することで人間と協調した自動演奏を行います。これらを組み合わせた「人工知能演奏システム」により、ベルリンフィル・シャルーンアンサンブルの演奏に合わせてピアノの自動演奏を制御し、人間と機械による息の合ったアンサンブルを披露します。

日時: 2016年5月19日(木) 19:00~(18:00開場、 18:15~ プレトーク)
会場: 東京藝術大学奏楽堂(大学構内)
主催: 東京藝術大学、東京藝術大学COI拠点
入場料: 5,000円(全席指定・税込み) ※就学前のお子様の同伴・入場はできません。
曲目: L.v.ベートーヴェン 《七重奏曲》変ホ長調 作品20より 第1、3、5、6楽章
A.ドヴォルジャーク 《チェコ組曲》ニ長調 作品39
F.シューベルト ピアノ五重奏曲《鱒》イ長調 D667より 第4、5楽章]※技術協力対象
松下 功 《音舞の調べ》(2016) ~ 時、人、空を繋ぐ「間」 ~
出演: ベルリンフィル・シャルーンアンサンブル
コシノ ジュンコ(デザイナー) ※プレトークおよびショーに出演
松下 功(作曲家・東京藝術大学副学長)
田邑 元一(ヤマハ(株)研究開発統括部 第1研究開発部長)※プレトークに出演

チケットに関してなど、その他詳細については「音舞の調べ~超越する時間と空間~」公式サイトをご覧ください。
http://www.geidai.ac.jp/container/sogakudo/42959.html

1915年ウクライナに生まれ、1997年に没した20世紀最大のピアニスト。独学でピアノを始め、19歳の時にショパンのプログラムでリサイタルを開き成功を収めた。その後、モスクワ音楽院でネイガウスに学ぶ。プロコフィエフと親交を深め、ピアノソナタ第7番を初演。1945年には、全ソビエト音楽コンクールで第1位に輝き脚光をあびる。その後、西欧で活躍し20世紀を代表するヴィルトゥーゾとして世界で活躍。日本には1970年以来度々来日し、多くの音楽ファンを魅了した。なお、1969年に出会って以来、彼はヤマハピアノを愛用し続けた。

[ 画像 ] スヴァトスラフ・リヒテル

1983年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の団員によって結成されたシャルーンアンサンブルは、ドイツの主要な室内楽団の一つである。バロック、古典派、ロマン派の室内楽から現代の作品まで幅広いレパートリーとともに、四半世紀以上の長きにわたりヨーロッパを始め、世界各国の人々に大きな感動をもたらしている。革新的なプログラム編成、洗練された音色と活気あふれる演奏で高い評価を得ている。

[ 画像 ] ベルリンフィル・シャルーンアンサンブル

当社は、2015年10月より、文部科学省と科学技術振興機構の「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)の拠点の一つである「東京藝術大学COI拠点」に活動組織として参画し、「「感動」を創造する芸術と科学技術による共感覚イノベーション」の創出に向けた活動を行っています。今回の協力はその活動の一環として行うもので、当社は今後も「東京藝術大学COI」にて楽器開発技術などを通じた活動を継続的に行い、音楽表現の分野における革新的なイノベーションの創出を目指します。

  • *Disklavier(ディスクラビア)は、当社の登録商標です。
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