ティンパニの成り立ち
ティンパニの歴史

16世紀末頃までは被膜を紐で胴体に張る方法が一般的でしたが、17世紀になってから、ネジで被膜を固定する方法が一般的になりました。それによって、音程の調律がより容易になり、オーケストラ、特に教会音楽の演奏に用いられるようになりました。

そして20世紀初頭までは、ネジ式のティンパニが主流でした。しかしこの方式では、ネジを手で回して締めなければならず、連続して演奏している間に音程を変えるという操作はできません。19世紀には、瞬時に音程を変えられる装置をもったティンパニが数多く試みられましたが、実のところ、それらはあまり使用されませんでした。
そのため、19世紀までの作曲家たちは、基本的にはティンパニの音程を固定したまま使用し、音程を変えるには、奏者が調律するために必要な休みを考慮して作曲しなければなりませんでした。どうしても同時にいろいろな音程が必要なときは、必要な音程の数と同じ数のティンパニを用意したのです。
しかし、そのような特殊なケースを除いて、作曲家たちは、4度間隔(例えば、ハ長調ならばソ~ド)で調律された2台の楽器を使用しました。

20世紀になって注目され始めたのが、手ではなく、足ペダルの操作によって音程を変えることのできるティンパニです。このペダルティンパニは音程の変更を容易にしただけでなく、グリッサンド奏法なども可能にしました。それによって、オーケストラにおけるティンパニの役割は、時には独奏楽器風に使用されるなど、飛躍的に変化を遂げたのです。
音程変化が楽なペダル式が登場してからの曲は、途中で調が変わることも多くなりました。ペダルを踏みながら音を変えるグリッサンド奏法を使うなど、楽器の進化は音楽の進化にも影響を与えています。

ペダルティンパニ

ペダルティンパニ

被膜の材質は、20世紀初頭に至るまで、牛などの皮が使われていました。
1950年代になってから、耐久性に優れた合成樹脂が用いられるようになりましたが、今でもなお、昔ながらの子牛の皮を好んで使う演奏者もいます。