サクソフォンのできるまで
マウスピースの素材

マウスピースの素材は2種類あって、最上位のカスタムモデルにはエボナイトを、その他のものにはフェノール樹脂を使っています。見た目はほとんど同じですが、吹いてみると違いがわかります。
エボナイトは、高級な万年筆の柄にも使われている素材。耐久性にも耐候性にも優れています。天然ゴムに硫黄を加えて練り上げ、窯で焼き上げるのですが、たいへん手間が掛かり、成形には約16時間が必要です。そのため扱っている素材メーカーは世界でも、2、3社程度しか残っていないようです。とはいえ、やはり昔のままの材料を使わないと楽器は音が変わってしまいますから、ヤマハでは、エボナイトを使用したマウスピースを自社で作っています。

手前がエボナイト、奥がフェノール樹脂のマウスピース

手前がエボナイト、奥がフェノール樹脂のマウスピース