[ 画像 ] 今週の音楽記事から 音楽ジャーナリストの眼 毎週月曜更新

新聞記事

読売新聞│配信日:2020年2月10日│配信テーマ:その他  

久世光彦の愛した歌 伝える 音楽舞台「マイ・ラスト・ソング」


 ◆朗読 小泉今日子 弾き語り 浜田真理子 
 演出家、作家の久世光彦のエッセーを題材に上演を続けてきた音楽舞台「マイ・ラスト・ソング」が今年も3月25日、東京・世田谷パブリックシアターで開かれる。女優の小泉今日子が久世の文章を朗読し、シンガー・ソングライターの浜田真理子がピアノで弾き語りをするのがスタイルだ。2人に思いを聞いた。(鶴田裕介)
 ■テーマは「水曜劇場」
 最期に1曲だけ聴くことができたら、どんな歌を選ぶか。そんなテーマで書かれたエッセー「マイ・ラスト・ソング」。その魅力を、久世の没後の2008年から舞台で伝えてきた。今回のテーマは「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」など、1970年代に久世が次々と名作を放ったTBSのドラマ枠「水曜劇場」だ。
 当時は、小泉も浜田もまだ子供。視聴者としてドラマを楽しんでいた。「田中角栄さんのそっくりさんが出てきたり、わざと間違えて女湯に入っていったり。ゲラゲラ笑って、ドラマを見る楽しさを知りました」と小泉。浜田は「ギャンブルですったり、けんかしたり。しょうがないけど、愛すべき人たちが出てくるんですよね」と振り返る。
 久世のドラマには、多くの歌が使われた。小泉は登場人物が屋根の上で歌うシーンにあこがれ、「私も屋根の上でデビュー曲を、と思っていました」と笑い、浜田も「登場人物が急にミュージカルみたいに歌い出して、びっくりしていましたね」と思い出す。
 ■70年代 歌謡曲
 音楽舞台「マイ・ラスト・ソング」では当初、昭和10年(1935年)生まれの久世が親しんできた歌を中心に組み立てていたが、今回は70年代、歌謡曲が花開いた時代の歌を多く取り上げることになりそうだ。回を重ねたことで、久世のドラマ作品や愛した音楽を、次の世代にも伝えていきたいとの思いが、2人の中で強くなったという。
 70年代は現代に比べ、より歌詞に重きを置いた歌も多かった。それは久世のエッセーからもひしひしと伝わってくる。浜田は「言葉は1回聴いてわからないと意味がない。歌詞を見ながら聴いているわけじゃないから」と語る。
 小泉が「私の朗読の後に歌う真理子さんは、その文章に感情を引っ張られそうなものなのに、少し違う次元から歌っている」と感じていると話すと、浜田は「できるだけ自分を消して歌おうと思っている」と種を明かす。そして「久世さんのテキストもあるし、今日子さんの朗読もあるから、お客さんには今読まれた歌はこれですよと、それだけ聴かせたい」と続けた。小泉は「それが巫女(みこ)みたいに見えるんですよ」と笑った。
 チケットの一般販売は2月15日から。問い合わせは(電)03・5774・3030。

読売新聞2020年1月30日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:鶴田裕介

その他   のテーマを含む関連記事