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毎日新聞│配信日:2019年9月9日│配信テーマ:Jポップ  

<Interview>平原綾香 絆得て新たな次元へ 新盤 「HAJIMEMASHITE」


 「子供の頃にバレエを習っていた縁で、森下洋子先生の公演は今も見せていただき、いつも新鮮な感銘を受ける。『なぜだろう』って考えていて『きっと、初めて踊った時の感動を忘れずにいるからだ』と思い至ったんです」。デビュー16年目の平原綾香は、新アルバムの制作に当たって、恩師の一人、森下の芸のあり方を参考にしたと語る。「同じことをやっても毎回違う感動がある。新たな気持ちで取り組んでいるんですよね」と平原はアルバムタイトルを「HAJIMEMASHITE」(ユニバーサル)に決めた。「すべてに、新鮮な喜びや感動を感じてみたいし、控えめな姿勢でいたい。でも『初めまして』ではない『HAJIMEMASHITE』という表記で、これまでの感性と違うことを表したかった」と説明する。

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 収録曲は、映画「メリーポピンズ リターンズ」の日本版エンディングソング「幸せのありか」や平原が作詞作曲した新潟県長岡市立高等総合支援学校の校歌「世界でたったひとつの絵」などすでにお披露目していた曲と、槇原敬之、Cocco、藤井フミヤに依頼した書き下ろし新曲、さらに自作やさだまさしのカバーなど多彩である。

 「依頼したアーティストは、個人的に尊敬している方ばかり。『愛をテーマにしてください』としかお願いしなかったのですが、届いた曲は、なぜか『生まれ変わっても』というキーワードが含まれていた。それぞれカラフルなんですが、遠い先の未来を見通す壮大な共通の視点がもう一つのテーマになったようです」と、アーティストたちに感謝する。

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 このアルバムにもう一つテーマが隠れているとすれば「家族」かもしれない。「1曲目の『THAT′S THE WAY IT IS』は、姉のAIKAと姉の夫ニコラス・ファーマカリディスと3人で作った初めての合作なんです。2人が住んでいるロサンゼルスに行った時『私たちのポップスを作ろう』と盛り上がって作った。ニコラスは、アルバムのほぼ半分のアレンジも担当した。ニコラスの感覚は、今の日本のセンスとは違うのですが、そこが新しい私の風になるのではないかという気がする。だから、アーティストにも家族にも支えられた『絆』を強く感じる」と明らかにする。平原はジャケット制作など、深くプロデュースに参加した。「平原綾香という音楽のジャンルって言われたい」と次の次元を目指す。7、8日、東京・オーチャードホール▽15日、名古屋・日本特殊陶業市民会館▽10月5日、大阪・フェニーチェ堺――などでコンサート。【川崎浩】

毎日新聞2019年9月 3日東京夕刊(2版)掲載 執筆記者:川崎浩

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