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毎日新聞│配信日:2019年8月26日│配信テーマ:その他  

<Interview>オルケスタ・デ・ラ・ルス サルサ好きに感謝 結成35周年記念アルバム


 日本が世界に誇るサルサバンド「オルケスタ・デ・ラ・ルス」が結成35周年を迎え、10年ぶりのアルバム「グラシアス・サルセーロス」(キング)を発表、各地で記念ライブを開催している。

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 デ・ラ・ルスは「光の楽団」の意のスペイン語。1984年に結成し、89年にはアメリカのサルサ音楽祭に出演。90年にメジャーデビューすると、米ビルボード誌で11週連続1位を獲得、一躍世界レベルのバンドと認められる。以後、南米、欧州まで活動の場を広げるが、97年、メンバーのソロ活動を尊重して解散した。だが、2002年、米同時多発テロ事件のチャリティーコンサートのために、ボーカルNORAが再始動。そのままの復活が熱望され、再活動を続けることになった。

 サルサは、カリブ海諸国から米国に広まったラテン音楽の一種。キューバの大衆音楽「ソン」を原形に、「クラーベ」という独特のリズム単位を基本にして打楽器、リズム楽器、管楽器、歌などが重層的に重なっていく。特にニューヨークのヒスパニック系住民によって支持され世界に広まった。

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 アルバムは「サルサ好きに感謝という意味です。35年も歴史があるのに、一度も感謝の気持ちを皆さんに伝えていなかったなと気が付いて。ちゃんと一度はありがとうを言っておこうと思った」と、唯一のオリジナルメンバーNORAがアルバムを解説する。「35年間、飽きたことがない。リズムが最高に面白い。深過ぎて、いつになっても頂上に到達しないんです」とサルサの魅力を語り「登山にはまるのと似ているのでは。きつくても楽しいし、体を使わないと理解できない。サルサも踊ると理解できる。音のシャワーを浴びて腰で全体の雰囲気を感じ取るんです」と、サルサを会得するコツを教えてくれる。「日本はサルセーロスが多くて研究が現地より進んでいるくらいですよ」と言う。

 アルバムは、NORAが作ったサルサらしいオリジナル曲がほぼ半数。古典では「サルサの母」と称されるセリア・クルーズの代表曲をメドレーで歌ったライブ録音が生の迫力で圧倒する。また、「つぐない」や「さくらさくら」、日本語で歌った「ラ・コサ・ブエナ」などは「これぞデ・ラ・ルスと、世界に発信できる」と胸を張る。

 9月7日名古屋ジャズウイーク▽10月18、19日ビルボードライブ東京▽28日同大阪−−などで記念ライブ。【川崎浩】

毎日新聞2019年8月13日東京夕刊(2版)掲載 執筆記者:川崎浩

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