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読売新聞│配信日:2019年8月5日│配信テーマ:その他  

[クリエイターズ]ソロの神髄 ちあきなおみ 音楽プロデューサー 東元晃


◇Creators
 ◎東元晃(ひがしもと・あきら) 
 コロムビア、ビクター、テイチクと各レコード会社で数々のヒット作を手がけてきた名ディレクター、名プロデューサーだ。
 音楽出版の仕事からレコード会社へ。若い女性向けの雑誌の連載小説の登場人物の名前をつけて、新人歌手の安達明を1964年にデビューさせた。「本屋さんで店員さんに『今の若い女の子に人気があるのって何』って聞いたら、その小説を教えてくれたんです。ちょうど新人を出そうという時期で、雑誌の編集部に行って話をしたら、向こうも面白がってくれた」。メディアミックス的な展開は成功し、安達はステージでいきなり、大きな歓声を浴びた。「若い子たちがリアルに反応してくれたんですよ」。進取の気性に富んでいた。
 その後、弘田三枝子、ジュディ・オング、ヒデとロザンナなどを担当。72年には、制作したちあきなおみの「喝采」が日本レコード大賞に輝いた。「きめ細かく、静かに心情を歌い上げるのが彼女の特徴。最初に聴いた時から『こんな感覚の子がいるんだ』と驚きがあった」。長きにわたりちあきとタッグを組み、90年代に彼女が夫の死をきっかけに表舞台から姿を消した後も、交流は続いていく。
 今年4月に出したちあきの名曲集「微吟」は発売から3か月以上たってもヒットチャートに入り続けている。「喝采」などの代表曲はもちろん、ボブ・ディランらも歌った「朝日のあたる家(朝日楼)」のライブ音源なども収録。ボーカル&ダンスグループ全盛の今だからこそ「ソロの歌の神髄を聴いてほしい」との思いがあった。今も音楽への情熱は冷めない。(桜井学) 

読売新聞2019年7月31日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:桜井学

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